命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1664 前に進む為のXの問い編 26

「何これ?」

 私はスオウが持ってきた刺客さんにちょっとしたコードを流し込んでる。スオウはいつも予想外のことをするけど、今回は結構色々と予想外の外の部分が結構外れてる。

 いや、もしかしたらスオウならコード自体を壊すんじゃないかって思ってはいたよ。なにせスオウだって私と同じようにコードがわかるんだからね。コードはこの世界の法則を司る核みたいな物だ。それをいじれるって事はとんでもないチートな訳で、はっきり言えばこれって使い方次第ではこの世界を壊すことだって出来る。

 まあ実際は勿論そこまで出来るようにはなってない。祝福を得ても何もかもを無造作にいじれるかって言えばそうじゃないって事だ。ちゃんと根幹部分をいじれないようにはなってる。なにせプレイヤーが勝手にいじって、この世界が崩壊でもしたらね……流石に不味いし。

 実際よくわからない物をガチャガチャとやっちゃう輩……なんてのはそうそう居ないと思う。思うけど、祝福を得てテンション上がった誰かが無謀なことをする確立はゼロじゃない。
 まあもちろんそこも……ね。そもそもがちゃんとコードを理解しないと表層しか見えないってのはある。

「私の方がスオウよりもコードを理解してるって思ってたけど……もしかしたらそうじゃないかも」

 理解力とか読解力とか、知識系では私は頑張ってるし、スオウよりも出来るって自信はある。でもそういうのって才能では無いと思ってる。なにせ誰でも努力次第でできるからね。
 もちろん努力したことを全部実に出来る自分も優秀な自覚はある。けどスオウは感覚だからね。感覚派なのだ。そういう感覚で私の嬉しいことしてくれる。

 意図とは違ってもこれは……とりあえず私はこう返す。

『これってもしかしてスオウが祝福で作ったの?』
『まあ……なんかでっかいヤドカリをぶっ壊してさ……まずったかなって思って、復元しようとして頑張った』
『そっか』

 ふむ……それでこうなる? でも私も実は色々とやってはいる。所謂マッドサイエンティスト的な? モンスターの交配とかさ。ちょっとパラメーターいじるとかはやってる。
 でもこんなバグったみたいになったことはない。何をやったのか興味深い。そもそもが掛け合わせることは出来ても、あんまり完全に新しい物って出来ないし……これは……もしかしたら本当にオリジナルと呼べる生き物……とかかも? 
 まあ生きては居ないけど。色々と話を聞きたい。でも別にそれは今じゃなくて良い。リアルでもゆっくり二人っきりの時にでも話していい。なにせ私たちはもう、恋人同士だから。

「ふひひ」

 恋人同士って単語に反応して頬が緩んじゃう。こんなに幸せでいいんだろうか?

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