命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1541 校内三分の計編 191

「まあまあ皆、スオウもそんな臭いって意味でいったわけじゃないから……ないよね?」
「ねーよ!」

 日鞠までそんな確認するなよ。わかってるくせに。僕が日鞠を臭いとか思ったこと……多分なかったと思う。まあもっと小さいころは色々とアグレッシブに走り回ったりもしてた時期はあったけど……主に日鞠に連れまわされて……
 でもそんな時にも臭い……とか思ったことはなかったと思う。そのころから、そういえば日鞠のことを僕は太陽の様な奴だと思ってた。僕をあの家から連れ出してくれたのは日鞠だったからな。
 でも実際、事実として、こいつは太陽の様な奴だった。なにせ日鞠に惹かれて沢山の人が集まるし、ついていく。こいつはきっと世界を照らせるような奴だ。

 普通そんなことは夢物語みたいだと笑われる言葉だと思うけど、日鞠に関しては皆そう思ってるんじゃないだろうか? まあその認識を共有できる存在っていないんだけど……秋途の奴くらいだ。

「ふふよかった。スオウも私から別の人の匂いする?」
「まあちょっとは」

 なんか雨ノ森先輩がクンクンするのは許されるのに、僕がちょっと日鞠の頭に顔を近づけただけで、今度は生徒会メンバーの男子どもが懐に手を入れる動作をした。

(いやいや、お前らはそこに何を隠しもってる訳?)

 ここはアメリカとかじゃないよね? 銃を常備してるわけじゃないよね? いきなり撃たれるのはごめんだよ。一応あっちの国の組織に狙われたこともあったから、それ以来ラオウさんに銃への対処法とかも教わってはいる。重要なのは抜く前に制圧することらしい。

 それが出来たら苦労しないよね。なにせ銃の利点ってこっちの間合いの外から一方的に攻撃できる事じゃん。今の距離なら、抜いた瞬間に払うとか出来るけど……距離を取られたら射線に入らないことが重要だと言ってたね。

 まあ銃弾はまっすぐにしか飛ばないからね。

『案外スオウ君ならできますよ。その目とLROでの経験。魔法を避けるのと同じ要領ですから』

 とか言ってた。確かにそれなら……とか思うけど、銃弾は見えないしね。魔法は見えるから見て避けるってことが出来るけど、銃弾は見えないじゃん。もしかしたら僕の目なら見える? かもだけど、見えたらもう避けるの遅いと思う。結局見ることに意味はない。見える前に避けないとだからね。
 撃たれる前によく見ることが大事だね。

 とりあえず生徒会メンバーが銃を引き抜くことはなかった。実際銃を仕込んでる訳はないと思うが、現実的なところでスタンガンとかか? でもそれも普通じゃないよね。この学校の生徒会はどうなってしまってるのか。

 まあ日鞠が色々とやってきて普通とは全然違ってるとは思うけどね。すでに生徒会の仕事量が常識外れになってるとは思うもん。僕はたまに引っ張られるだけで、それも学校行事位を手伝うのみだけど、実際今の生徒会は学校外の活動もめっちゃやってる。

 なにせ日鞠が色々と引き受けてるからね。そんな日鞠のサポートが生徒会という組織の役割になってる気がする。

「気になる気になる?」

 僕が色々と考えてるというのに……この天才を超越した奴は僕が嫉妬してるのか気になるようだ。

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