命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1450 校内三分の計編 110

「そういえば、こういう事をやるために来てもらった訳じゃないんだよね」
「本当に、余計な疑問を挟まないでよね」

 会長の問いかけに回答してたら、ローレの奴が文句行ってくる。いやいや、別にお前ただお茶すすってただけじゃん。文句いうなよ。言うなら、僕が入ってきた時点でさっさと本題に入ればいいだけだろ。こいつ……本当は僕がそれなりに回答できたから悔しがってるだけだろ。自分はさっぱりわからなかったのに……とかそういう嫉妬だ。だってローレはそういうやつだ。見た目子供で、中身まで子供なやつだ。
 そんなこいつが、LRO有数の魔法の使い手なんだから困ったものだ。まあ魔法というか、召喚使いなのか? 他に精霊を召喚出来るやついないし……いや、多分いないわけじゃない。だって召喚獣の手に入れ方は祝福とは違ってちゃんと攻略情報として乗ってるからね。それに召喚獣って結構憧れじゃん。某国民的RPGとかでめっちゃ格好良く使われてたから、こういうゲームで真っ先に使いたい! と思う人達はきっと多い。魔法はそれこそそんな子供心を刺激するように詠唱必須でいつだって使えるものになってる。
 まあ詠唱必須だから、激しい戦闘のときは、前線でそれを使えるやつなんてほんの一握りだから、前衛や後衛っていう役割ができてるわけだけどさ。でも誰しもが、魔法は使ってる。僕は使ってないが……いや、ね。だって自分が使うよりも誰かに使ってもらった方が効果高いし……

 そんな僕も憧れがないわけじゃないし。実際さ、祝福ってそれでいうと憧れってことじゃ違うんだよね。コレジャナイ感がすごい。本当に祝福はチート級の力だよ。それは間違いない。使いこなしてる会長が事実、こんな事を実現してるんだ。強力な力だ。でも……召喚や魔法とかとは違う……だってほぼプログラムみたいなものだし……なんか夢がね。いや、プログラムに夢がないなんて言わないけど、なんかめっちゃリアル感がある。
 なにせ、この夢の塊のようなLROの世界がどういうふうに出来てるのか、それが見えてしまう。それってある意味興ざめというか……作られた世界なんだって見せつけられてるよね。きっとこのLROに入ってる人たちって夢の中の世界で現実を忘れたいと思うんだ。そのための剣や魔法の世界。そこにプログラムは正直、似つかわしくない。

 それでいうと、ローレの召喚とか召喚獣ドバーン! と颯爽と出すとかめっちゃ憧れあるよね。それにどの召喚獣も格好いいし、ちょっと不気味なやつもいるけど、それがまたなんか一線を画す感じでいいと思う。まあそんなの口が裂けても言わないけど……調子のるし。てか実はこいつはこいつで僕の祝福に嫉妬してるんでは?

「なんだ、負け惜しみか?」
「そんなわけないでしょ。てか、私の部下なんだから、会長と同じくらいのことが出来るようになりなさいよ」
「無茶言うな」

 こんな事できてたまるか。絶対に無理。いや、実際できたらいいなぁとは思う……でも……

「やり方なら教えてあげられるよ」

 極秘ってわけじゃないんだ。とりあえず触りだけ聞いて見たけど……ごめん、この部屋のコードコピペしていい? それがきっと一番簡単だなって思った。

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