命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1427 校内三分の計編 87

「ちょっとスオウ!」

 バタバタと朝っぱらから何やら摂理の奴が慌ただしく起きてきた。まあ摂理はいちも一番起きるの遅いからいつだってバタバタとしてる訳だけどね。てか、ちょっとパジャマヤバい。はだけてて、片方の肩見えてるし……胸元だって……脚を上手く動かせない摂理は今も車椅子に座ってる訳だけど、ブラをしてない胸は結構ゆれてる。

「おま!? なんて格好を!」
「そんな事よりもこれだよこれ! 炎上してるよスオウ!!」

 いやいや、そんな事じゃないだろ。お前自分が絶世の美少女って理解してる? 真っ白な肌に長いストロベリーブロンドの髪はかなりまずぞ。それに女の子らしい柔らかそうな体してるし……実際色々と我慢してるからね。だって一つ屋根の下に住んでるんだ。下手したら間違いが……ね。
 僕だって健全な男子高校生な訳で……そういうのは標準的にあるし……家の中に超美少女がいるとなるとね。ドキドキ……は流石にもうないが、こうやってお互いになれてきたから、油断がね。流石に互いにおならとかはしないが、でも最初期の様ないつだって緊張してた――はないから自然体にはなってる。
 けどだからこそ、油断が生まれる訳で。学校では見れない一面って奴だね。そういうのにふいとドキッとするよね。

 とりあえず興奮してる摂理は自分の格好に頓着してないから、僕もなるべく気にしないように……

(いやちか!? 寝起きなのになんでこいつこんな良い匂いするの? それに寝汗のせいなのか長い髪が肌に張り付いててエロいし……)

 ヤバいなこいつ、絶対に他の奴にはこんな格好見せられないな。僕じゃなかったら絶対に襲ってるよ。間違いない。男子高校生が性欲を持て余してるって摂理は気付いた方がいい。摂理は僕に自分のスマホを見せるために手招きしてきた。画面だけこっちに向けるんじゃなく、どうやら一緒に見たいらしい。なので回り込んで摂理のスマホの画面を覗いたせいで、めっちゃ顔が近い。横を見ると、摂理の睫の長さまでわかる位だ。はっきり言って、何か興奮して言ってる摂理の話しが入ってこない。

 そんなこんなで家を出て、投稿してると鈴鹿と合流した。それから三人で学校に行ってた訳だけど、学校に近くになると摂理の選挙応援団が現れた。そいつらが摂理連れてった。鈴鹿は静かに離れてた。大丈夫かあいつら? 何やら僕と投稿してるとイメージダウンになるんだとか……失礼じゃね? 
 学校に行くと、いつも通りクリスの奴が元気に愛想を振りまくってる。それに付きそう華やかな女子達が「ちーす」やら「ちゃーす」やらと誰彼構わずに声を掛けていた。逆効果じゃね? と思った。けど何故か誰も僕には声を掛けてこない理不尽。いや、ギャルは苦手だし良いんだけどね。

 それから教室に行くと、今度は秋徒の奴が血相変えて飛び出してきた。

「おいスオウ、お前これ!!」

 自分よりもデカい男子がスマホを見せつけて迫ってくる。大体朝の出来事と被るけど、美少女とむさい男ではこうも違うんだなーと心の中で思ってた。

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