命改変プログラム
1398 校内三分の計編 58
「姫! 今日も麗しいです」
「「「麗しいです!!」」」
学校に行くと、そんな風な挨拶がきた。生徒会選挙期間だからクリスの応援の人とか、私の応援の人とか、
早くから学校にきて、挨拶をしてるらしい。日鞠ちゃんも今日は普通にいる。でも別段、生徒会選挙の事を押し出してる感じはない。ただいつもの校門での挨拶……みたいな?
まあ毎日してるわけでもないし、別に何かチェックしてるわけでもない。けど今日やってるのは、多分生徒会長選挙を意識してない訳ない。私やクリス派の人達は私達のポスターとか公約とか掲げて「お願いしまーす!」とかやってるみたい。
でも本人は居ないんだからね……私は聞いて無かったんだけど……クリスはどうなの? あいつは私とちがってちゃんと周りを動かして、ちゃと中心に居るはずだ。なのに居ないって……まあ知らなかった私の方が問題だけどね。
「えっとご苦労様」
「「「は! ありがたき幸せ!!」」」
ひいいい、怖い。皆一斉に同じ事言ってるよ。更に私の車椅子を押してきたスオウから車椅子を押す権利を私の支持者が奪い取る。
「さあ、ここからは我らが姫」
そんな事を言って私の三方に人が配置される。いつもの配置で有る。後ろと左右に人が一人ずつ……でもここで私は昨日のクリスちゃんの言葉を思い出した。ワガママ……そのキーワードが頭に浮かんだとき、私は私の車椅子を押す権利をスオウから貰ったその人の手をたたいた。
でもただ叩いただけで、離す事は為てくれなかった。そもそもが無理矢理後ろを向いて中途半端に手を伸ばしてペチッとしたから「いたっ」っていう言葉さえ反射でも出なかったしね。むむむ……なんか恥ずかしい。
「姫、どうかしましたか?」
後ろに着いた男子生徒がそんな事をいってきた。恥ずかしくて、顔が赤くなりそうだけど、私はワガママに振る舞うのだ。それで何かが多分、変わる。多分ね。大丈夫、ダメなときは直ぐに今までの様にするから。最初の一歩に勇気をください。
「誰が……」
「はい?」
「誰が、貴方に後ろを許したんですか? 私が今、後ろを許してたのはスオウなの」
「ですが姫、あんな奴よりも――」
「私の言う事、聞いてくれないの?」
私はコテンと首をかしげてみる。すると周りを固めた男子が「ぐふっ」と拭いて、片膝を突いた。え? そんなに笑うところ? いや、違うなんか小さく「可愛すぎる」って聞こえる。よし、威圧的に行こうかと思ったけど、やっぱり私は可愛い路線のほうがいい。可愛くワガママいおう。
「私はスオウがいいって言ってる」
「わかり……ました」
ハアハアと息を荒くして彼等は私の後方をあける。
「えっと……」
「スオウ、お願い」
スオウは困惑しながらもまた元のポジションに戻る。そして押し始める。でもまだこれだけじゃ……ちょっとダメかも。私はチラリと私のお手伝いを為てくれてる子達を一瞥してこういった。
「皆さんご苦労様です。ホームルームまでに今持ってるそれ、全部捌いてね♡」
そんな風に笑顔を見せると皆が胸を押さえて肩で息をしてた。私達が玄関に着く頃に「姫にけいれーい!!」と聞こえてた。うん、確かになんかワガママ言っても大丈夫そうだね。
「「「麗しいです!!」」」
学校に行くと、そんな風な挨拶がきた。生徒会選挙期間だからクリスの応援の人とか、私の応援の人とか、
早くから学校にきて、挨拶をしてるらしい。日鞠ちゃんも今日は普通にいる。でも別段、生徒会選挙の事を押し出してる感じはない。ただいつもの校門での挨拶……みたいな?
まあ毎日してるわけでもないし、別に何かチェックしてるわけでもない。けど今日やってるのは、多分生徒会長選挙を意識してない訳ない。私やクリス派の人達は私達のポスターとか公約とか掲げて「お願いしまーす!」とかやってるみたい。
でも本人は居ないんだからね……私は聞いて無かったんだけど……クリスはどうなの? あいつは私とちがってちゃんと周りを動かして、ちゃと中心に居るはずだ。なのに居ないって……まあ知らなかった私の方が問題だけどね。
「えっとご苦労様」
「「「は! ありがたき幸せ!!」」」
ひいいい、怖い。皆一斉に同じ事言ってるよ。更に私の車椅子を押してきたスオウから車椅子を押す権利を私の支持者が奪い取る。
「さあ、ここからは我らが姫」
そんな事を言って私の三方に人が配置される。いつもの配置で有る。後ろと左右に人が一人ずつ……でもここで私は昨日のクリスちゃんの言葉を思い出した。ワガママ……そのキーワードが頭に浮かんだとき、私は私の車椅子を押す権利をスオウから貰ったその人の手をたたいた。
でもただ叩いただけで、離す事は為てくれなかった。そもそもが無理矢理後ろを向いて中途半端に手を伸ばしてペチッとしたから「いたっ」っていう言葉さえ反射でも出なかったしね。むむむ……なんか恥ずかしい。
「姫、どうかしましたか?」
後ろに着いた男子生徒がそんな事をいってきた。恥ずかしくて、顔が赤くなりそうだけど、私はワガママに振る舞うのだ。それで何かが多分、変わる。多分ね。大丈夫、ダメなときは直ぐに今までの様にするから。最初の一歩に勇気をください。
「誰が……」
「はい?」
「誰が、貴方に後ろを許したんですか? 私が今、後ろを許してたのはスオウなの」
「ですが姫、あんな奴よりも――」
「私の言う事、聞いてくれないの?」
私はコテンと首をかしげてみる。すると周りを固めた男子が「ぐふっ」と拭いて、片膝を突いた。え? そんなに笑うところ? いや、違うなんか小さく「可愛すぎる」って聞こえる。よし、威圧的に行こうかと思ったけど、やっぱり私は可愛い路線のほうがいい。可愛くワガママいおう。
「私はスオウがいいって言ってる」
「わかり……ました」
ハアハアと息を荒くして彼等は私の後方をあける。
「えっと……」
「スオウ、お願い」
スオウは困惑しながらもまた元のポジションに戻る。そして押し始める。でもまだこれだけじゃ……ちょっとダメかも。私はチラリと私のお手伝いを為てくれてる子達を一瞥してこういった。
「皆さんご苦労様です。ホームルームまでに今持ってるそれ、全部捌いてね♡」
そんな風に笑顔を見せると皆が胸を押さえて肩で息をしてた。私達が玄関に着く頃に「姫にけいれーい!!」と聞こえてた。うん、確かになんかワガママ言っても大丈夫そうだね。
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