命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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 基地の中が大変な事に成った。証明が白い色から色温度を変えてなんか嫌らしくなったり、水があふれ出して床をみずびたしにしたり、大音量でなんかメタルな曲が成って時刻の冥府から帰ってきたかのようなボーカルの声が響いてたり……いや、小学生ですか? って悪戯である。でも洒落にはならない。なにせここはこの国でも政府機関に次ぐか……それ以上のセキュリティを敷いてる施設である。その施設の機器が簡単に乗っ取られてるのである。

 子供の悪戯? そんな風に思えるわけがない。ここがこんな風になったら、大パニックだ。実際、沢山の部屋から沢山の人たちが慌てて出てきてた。こんなにもいたんだ……みたいな感想さえ出てくる。エマージェンシーだ。とりあえず私はただ司令がいるところへと向かうだけだ。てかなんか全ての床の動きを連動させてない? 全員を同じ場所に奴は誘導してる。他の操作は受け付けてない。

「一体何だこれは!!」
「攻撃を受けてるんではないか!?」
「まさか、そんなバカな!!」

 周囲の人達がそんなことを言い合ってる。そして自分たちの操作を受け付けないので焦ってる。壁にあるパネルを操作してどうにかしようとしてる人もいるが、床が動いてるから一生懸命足を動かしてて、面白い光景になっちゃってるよ。まあ流石に笑いはしないけどね。心の中だけで笑って起きますデス。
 そうこうしてるうちに私達……というか、この基地にいる人達が一つの部屋へと集められる。勿論全員では無いと思う。なにせ廊下に出なければ、移動することもないからですからね。けどそれなりの人数がいっぺんに押し寄せてその部屋に流れされて来た。

「なんだお前達!!」

 そういうのが私達のボス……ではなくてその副官の人です。ボスは好々爺としたジジイですけど、どっしり座ってるだけで何か言う事ってあんま無い。この状況でも、いつもの如く、体格がめっちゃ良い副官が声を荒げてた。

「貴様等何を遊んでる。我らは攻撃を受けているんだぞ。いや、厳密には攻撃はではないらしいが……システムを乗っ取られたことに変わりは無い」

 そんなその人の言葉に、ここまで一緒に流されてきた人達は事の重大さを知った。ここのシステムが乗っ取られた。しかも誰も気付かぬうちに……それがどれだけの大問題なのか……分からないバカはここにはいないデス。何せ皆、とても優秀な人達ですからね。たしかにここまで運ばれるその光景は間抜けな一面もあった。でも基本的に皆スペック高いし、一芸に秀でた人達が集められていますデス。

「それで犯人は分かってるんですか?」

 誰もが気になる質問を投げかける人がいる。するとその時、この部屋の電気が落ちて正面にある大きなモニターに奴の姿が現れた。ここは全米の全てのネットワークの情報や、さらには世界の情報が集められてるから壁一面全てモニターである。そして中央には最新鋭の立体映像装置とかもあってブリーフィングとかもします。そして奴はその壁一面のモニター全てに自分の姿を写して現れました。

「皆さん初めまして。苦十ククリがこの基地を乗っ取らせて頂きました」

 それはとても軽い、そんな声で言い放たれたデス。

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