命改変プログラム
1318
僕は合同軍が最初に集まってた場所にしれっと戻ってきた。いや、まるで最初からそこに居たかのように調節されてたと言った方が正しいだろう。何せ誰も僕が今戻ってきたことに気付いてない。どうやらアンブレイクカンパニーのリーダーの堅物さんが演説してる場面のようだ。
(苦十の仕業か……)
それしか考えられない。実は非難されるかな? とか思ってたんだけど……何せギリギリ負けたからな……自分では届かなかったとわかった。動くのが僅かに遅かったんだ。けどそれでも、僕は間に合うと思ったんだけどな。
勝敗まで苦十の奴が関わってくるとは思えない。そこまでする奴ではないはずだ。だとすると……あの判断の間違いも多分会長の仕業だろう。コードには十分注意してた。けど、一番大きく見えてたHPの減少に意識を取られてたかも知れない。あいつはその裏に更にもう一つの手を隠しておくような奴だったのに。
まあけどリーダー達は僕にだけ先人を押しつけるような人達ではないようだ。よかったよかった。そんなことを思ってると「おいお前!!」となんか声を掛けられた。
「うげっ」
「なんだ、うげって!! 貴様なんで負けたんだ!! お前は確かに会長に攻撃を当てただろう!」
そう言ってきたのは異世界行き隊のリーダーである男女野郎だ。彼はかなり憤慨してる。でもどうやら僕に怒ってるわけではないようだ。
「あれは絶対におかしいだろう! 確実に会長のHPの方がはやく無くなってたぞ!」
「「「「そうだそうだ!!」」」
自分たちのリーダーに賛同するように大合唱するのは異世界行き隊の奴らだろう。まあ確かに、あれはただ映像で見てるだけだと、不正審判があったと思われてもおかしくない。でもそれは外側からの視点だからだ。あの場に居たらわかっただろう。でもそれは夢物語だ。何せ最後に残ったのは僕と会長の二人だけ……
「まさか、貴様会長に勝ちを譲ったのか?」
その瞬間、周囲の目がヤバい位に光った気がした。流石に他のリーダー達は違うが……この戦いにわざわざ参加した小規模なチームの奴らとか大手でも……いやだからこそ、今の言葉スルーできない奴らが多い。
「はは、まさかまさか――」
いやいやギョクリさんじゃないんだから。あの人は本当上手いな。あの人タイミング良くリタイアしてたからね。まるで他の奴らと同じように消え去ってたが、あの人だけは多分会長と通じてた。だからこそあのタイミングで消えたんだろう。あの人のアイテムがあれば……いやそれも机上の空論か。アイテムを受け取る時間なんて無かったしね。まあ一つでもアイテム落としておいてくれば……彼だって僕のスピードは知ってる。ならそれだけでも勝敗が変わったかも知れない。でも彼はしなかった。僕は二百名のプレイヤーに紛れてる彼に視線を向ける。多分彼は僕が見つけれるとはおもって無いだろう。何せ自分たちのチームメイトに隠れるようにしてる。それにまあまあ小さいし……けどそれは僕の視界から逃れられるって訳じゃない。
まあけどそれをここで言っても意味は無い。なぜならきっと誰も僕の言葉なんて信じないだろうからだ。
「お前は、個人的に会長と親しいんだよな?」
「それと何か関係が?」
とりあえずとぼけてみるが……それはある意味逆効果……まあ個人的に親しいのは認めてるからね。てかそこそこ知られてることだし……ここでそれを否定する方が怪しい。そもそもが僕が会長が親しいのなんてリーダー達は知ってるんだし、それを承知で彼等は僕を招き入れたんだよ。だから僕に文句を言うのは違う。言うのならリーダー達に文句を言って欲しい。けどそれを僕から言ったら今度こそ暴れそうだしな……さてどうするか? とりあえずこの目の前の異世界行き隊のリーダーだけでもしばけばどうにかなるだろうか?
(いや、無理だな)
まともにぶつかって勝てる相手なのかって言われると……なんとも言えないし。会長と戦ってるときにみせてた力をぶつけられれば怪しいと言わざる得ない。それにこいつには仲間が一杯だ。それに対して僕には……苦十の奴との関係が気になるローレ。振りと言わざる得ない。何でさっきまで戦闘やってて、今度はついさっきまで仲間だった奴と戦わないといけないのか……いやなるべく戦わずに済みたいが……どうする? 僕には味方がいないんですけど? ぼっちの悲しさがここに……
「おい見ろ!」
誰かのその声に皆の視線が空中に展開されてる映像へと注がれる。そこには五月蠅い司会者が何やら今までのエリアバトルの事をさっきから興奮気味に言ってたんだけど、そこにあいつが現れてた。しかも興味深い言葉と共に――
「まあわかるが、ならここはスペシャルゲストに来て貰って解説して貰おうか!!」
――って感じ。そしてそこに現れたのはさっきまで死闘を演じてた筈の相手。テア・レス・テレスのリーダーである会長だった。
(苦十の仕業か……)
それしか考えられない。実は非難されるかな? とか思ってたんだけど……何せギリギリ負けたからな……自分では届かなかったとわかった。動くのが僅かに遅かったんだ。けどそれでも、僕は間に合うと思ったんだけどな。
勝敗まで苦十の奴が関わってくるとは思えない。そこまでする奴ではないはずだ。だとすると……あの判断の間違いも多分会長の仕業だろう。コードには十分注意してた。けど、一番大きく見えてたHPの減少に意識を取られてたかも知れない。あいつはその裏に更にもう一つの手を隠しておくような奴だったのに。
まあけどリーダー達は僕にだけ先人を押しつけるような人達ではないようだ。よかったよかった。そんなことを思ってると「おいお前!!」となんか声を掛けられた。
「うげっ」
「なんだ、うげって!! 貴様なんで負けたんだ!! お前は確かに会長に攻撃を当てただろう!」
そう言ってきたのは異世界行き隊のリーダーである男女野郎だ。彼はかなり憤慨してる。でもどうやら僕に怒ってるわけではないようだ。
「あれは絶対におかしいだろう! 確実に会長のHPの方がはやく無くなってたぞ!」
「「「「そうだそうだ!!」」」
自分たちのリーダーに賛同するように大合唱するのは異世界行き隊の奴らだろう。まあ確かに、あれはただ映像で見てるだけだと、不正審判があったと思われてもおかしくない。でもそれは外側からの視点だからだ。あの場に居たらわかっただろう。でもそれは夢物語だ。何せ最後に残ったのは僕と会長の二人だけ……
「まさか、貴様会長に勝ちを譲ったのか?」
その瞬間、周囲の目がヤバい位に光った気がした。流石に他のリーダー達は違うが……この戦いにわざわざ参加した小規模なチームの奴らとか大手でも……いやだからこそ、今の言葉スルーできない奴らが多い。
「はは、まさかまさか――」
いやいやギョクリさんじゃないんだから。あの人は本当上手いな。あの人タイミング良くリタイアしてたからね。まるで他の奴らと同じように消え去ってたが、あの人だけは多分会長と通じてた。だからこそあのタイミングで消えたんだろう。あの人のアイテムがあれば……いやそれも机上の空論か。アイテムを受け取る時間なんて無かったしね。まあ一つでもアイテム落としておいてくれば……彼だって僕のスピードは知ってる。ならそれだけでも勝敗が変わったかも知れない。でも彼はしなかった。僕は二百名のプレイヤーに紛れてる彼に視線を向ける。多分彼は僕が見つけれるとはおもって無いだろう。何せ自分たちのチームメイトに隠れるようにしてる。それにまあまあ小さいし……けどそれは僕の視界から逃れられるって訳じゃない。
まあけどそれをここで言っても意味は無い。なぜならきっと誰も僕の言葉なんて信じないだろうからだ。
「お前は、個人的に会長と親しいんだよな?」
「それと何か関係が?」
とりあえずとぼけてみるが……それはある意味逆効果……まあ個人的に親しいのは認めてるからね。てかそこそこ知られてることだし……ここでそれを否定する方が怪しい。そもそもが僕が会長が親しいのなんてリーダー達は知ってるんだし、それを承知で彼等は僕を招き入れたんだよ。だから僕に文句を言うのは違う。言うのならリーダー達に文句を言って欲しい。けどそれを僕から言ったら今度こそ暴れそうだしな……さてどうするか? とりあえずこの目の前の異世界行き隊のリーダーだけでもしばけばどうにかなるだろうか?
(いや、無理だな)
まともにぶつかって勝てる相手なのかって言われると……なんとも言えないし。会長と戦ってるときにみせてた力をぶつけられれば怪しいと言わざる得ない。それにこいつには仲間が一杯だ。それに対して僕には……苦十の奴との関係が気になるローレ。振りと言わざる得ない。何でさっきまで戦闘やってて、今度はついさっきまで仲間だった奴と戦わないといけないのか……いやなるべく戦わずに済みたいが……どうする? 僕には味方がいないんですけど? ぼっちの悲しさがここに……
「おい見ろ!」
誰かのその声に皆の視線が空中に展開されてる映像へと注がれる。そこには五月蠅い司会者が何やら今までのエリアバトルの事をさっきから興奮気味に言ってたんだけど、そこにあいつが現れてた。しかも興味深い言葉と共に――
「まあわかるが、ならここはスペシャルゲストに来て貰って解説して貰おうか!!」
――って感じ。そしてそこに現れたのはさっきまで死闘を演じてた筈の相手。テア・レス・テレスのリーダーである会長だった。
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