命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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 僕が風を内部にながし続ける間、別の三カ所に振り分けられるたリーダー達がその力を持ってして塔へと渾身の一撃を放つ。それは塔に亀裂を入れ確実にダメージを通していく。僕は内部から、そして他のリーダー達は外部から……テア・レス・テレスに逃げ場はない。

 大きな衝撃と共に、塔は砕け散った。その勢いで僕は吹き飛ばされた。けど油断なく空中で僕は態勢を整える。そしてそれは正解だった。塔の瓦礫の陰に隠れてテア・レス・テレスの奴らは動いてたようだ。こっちの隙を突く形で奇襲を仕掛けてくる。

「瓦礫の陰に気をつけろ! 奴らがいる!!」

 僕は攻撃を受け止めつつ、そう叫ぶ。皆が気付いてるかわからないからね。報告は大切だろう。流石にリーダー達は気付いてるだろうけど、奇襲で下手に数を減らしたくない。なにせこっちの大切な優位な部分だ。この戦いは殲滅線だ。一人でも生き残りがいる方が勝者となる。

 なら、一人でも無駄死にはして欲しくない。

「むだ……だぜ!」

 そう言って僕が防いだプレイヤーがその剣をふりきって僕を吹き飛ばす。けど、風帝武装をまとった僕は空中でも自由に動ける。地面にたたきつけられる前に、空中を蹴って再び切り込む。こっちは空中でも自由に動けるが、向こうはそうじゃない。まあ持ってると思ってた紙で足場作って対応してきたけどね。

 でも驚くことじゃない。それは既に知ってたことだ。僕はフラングランの片側で敵の動きを止め、もう一方で攻撃をたたき込む。ちゃんとこいつも反応はしてる。けど、手数は圧倒的にこっちが上だ。一人で向かってきたのが間違いだ!

「ちっ流石にはええな!!」

 そう言ってそいつは距離を取るために横に逃げた。足場を紙で作り、それを蹴って進路を変える。でも僕はそんな事をしなくても進路を変えられる。逃げられると思うなよ。一人ずつ確実にテア・レス・テレスは潰していく。そうしていく事で、一歩一歩会長へと近付いていけるんだ! 

 僕はすぐさま追いつき、フラングランを振り下ろす。けど、それは奴の機転によって阻まれた。足場は透明だから足場ではなく、僕の邪魔をするように出したみたいだ。振り下ろす前の部分で壁にぶつかる。しかも切っ先じゃなく腕の部分を狙われた。

 これじゃいくら何でもきれない。でもすぐさま僕はもう一方のフラングランを振るう。少し距離が空いたが問題ない。風を高密度に集めて振りかぶると同時にそれを放つ。上手く奴の足を一つ、切り飛ばした。奴の体がガクッと勢いをなくして落ちる。僕はとどめを刺すために奴に近付く。

 向こうはカウンターを狙ってるのか、持ってる剣がスキルを放つ為に光ってる。けど簡単に当たる気はない。避けるか防ぐか……でもその前に決められると判断した。こっちの方が動きは速い。今度こそフラングランをたたき込む。

 けど――フラングランは今度は壁に阻まれた。それは紙で作った足場とかじゃない。僕たちを四等分にした結界の壁だ。

(こいつ、狙いはこれか!)

 結界はテア・レス・テレスしか自由に行き来できない。奴は上半身を結界の向こう側に入れてた。こっちの攻撃は結界によって阻まれる。けど……向こうは。

「もらったああああああああああああ!!」

 剣の……スキルの輝きが僕の肩を突き抜ける。

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