命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1200

「不味い」

 そう呟いて僕は再び戦場に向かおうと飛ぶ。けど、不思議な力に引っ張られる様にして端っこにもどされた。いや、不思議な力とかなんとか言ったが、僕は今の力を誰よりもしってる。だって今のは……

「僕、自身の風か……」

 けどにわかには信じられない。だって今、僕は風帝武装をしてる。風帝武装は完全制御下に置いた風が大量にあって初めて出来る天帝武装の奥義みたいなものだ。つまり、風帝武装の風は僕の完全制御下にある。それが、勝手に僕を動かすなんて……風帝武装はその言葉の通り、風を自身が纏ってるわけだから、風事態に反旗を翻されたら、体の制御もままならなくなる。

 実際、そんな事は一度も起きた事はない。だって風帝武装が出来てる時点で、風は制御下にあるわけだからね。んな言があり得ることはない。でも……

(今、そのありえないことが起きたんだよな)

 原因はやっぱりあの紙吹雪か……紙吹雪は戦場を包むように円球場にとどまってる回ってる。あれをかいくぐって中に侵入するのは不可能に近いな……勿論風とか何かアイテムを使えば……と考えるのが普通だが、今さっき風に何かされたからな。

「ローレ、お前何かやってみろよ」
「全く、役立たずが仲間にいるとお守りが大変なのよね」

 そのやれやれとかいう感じ出すのやめてくれない。なんかイラっとくるから。いや、こいつそれを狙ってやってるんだろうけどさ。まあけど、やってはくれるようだ。まずはエアリーロに支持を出して、風を起こしてみる。それで吹き飛ばせないかって事だろう。

 けど案の定だが、そんな甘くはない。ただ自然と舞ってる紙吹雪なら、ちょっとの風であおられるのが自然だが、戦場を囲むように回ってる紙吹雪がそんな自然に動くわけないよね。

「どんな感じだったエアリーロ?」
『そうですね。風が迷子になった感じです』
「なにそれ?」

 ふむ、ローレはピンと来てないようだけど、僕は言い得て妙だと思った。やっぱり同じ風を使う物同士、エアリーロの方が親近感わくね。

「このままじゃ不味いわね。会長の事だから、私達を戦場から遠ざけたって事は、何かやる気でしょう」
「まあそうだろうな」

 僕たちはだいぶウザったい事をやってた自覚はある。倒すのが難しいのなら、戦場から遠ざけて干渉できなくしてやろうって事か……確かにこの期に何もやらないなんてそんな甘い考えは誰もしないだろう。一体中で何が起きてるのか……

「オリジンでやるか……」

 多分オリジンならこれを突破できる。でも……何か引っかかる。だってオリジンの事は会長はしってる。あいつはそんな穴を開けておくような奴じゃない。もしも空いてるとしたら……それは罠だ。でも撃たないとそれを確かめようもないんだよね。

「あの強かな女の事だからね。しょうがないから、そんなに情報がないはずの私がやってあげるわよ」

 そう言ってローレの奴が錫杖を掲げる。

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