命改変プログラム

ファーストなサイコロ

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「何をやってる貴様たち! いつまでかかってるのだ!!」

 ローレと案内役の奴らが盛り上がってると、しびれを切らした様に怒った奴がやってきた。なんか見た事あるな……まあでかいチームの中核人物は大体有名人だし、そんな感覚に陥っても別段おかしくはない。

「「すっすみません!!」」

 案内役の奴らが震えてビシッと敬礼をした。

「何よ、折角盛り上がってたのに」
「その様な事の為に貴女に来てもらったのではない」
「わざわざ恥ずかしい所に招待したんだしね」
「恥ずかしくはない!」

 ローレの奴……あいまりからかうなよって思う。別段、ここの奴らと関わるつもりなんてあんまりないが、テア・レス・テレスとのバトルが終わるまでは仲間なんだから、これ以上ギスギスしたら、本当にボロ負けするぞ。別段僕たちにダメージはないだろうが、まだ抜けてないローレが敗北を勧めるとは思えない。だってこいつかなりの負けず嫌いだし。

 なら勝つ気があるんだろうし、関係は良好にしておけばいいのに……

「あらそうなの? それにしてはこのチームに入る敷居は高いみたいじゃない? 怖いからじゃないの?」
「違う! 我等は本当の同士を募ってるのだ! 恥ずべきものなど何も――」
「これも?」
「ぬあああああああああああああああああああああああああ!!」

 そこには等身大のキャラの像……いや、これはたぶんフィギアだろう。色もついてるし、ポーズもとってる。リアルにある美少女フィギアを大きくしたようなのの一体の土台にあったスイッチ(巧妙に隠されてた奴)をローレが押すと、美少女フィギアは纏ってた服を消した。残ったのはパンツとブラだけだ。地味に表情も変化してる。

(こいつら……楽しんでるな)

 正直にそう思った。だってそうでしょ。こんなのリアルで買おうと思ってもないよ。等身大のフィギアとか偶に見るニュースだと数百万とかしてるからね。もしもこんなギミック付き等身大フィギュアをリアルで買おうと思ったらそれこそ五百万とか必要になるんじゃ? 

 それをどうにか自分たちで生み出して、目いっぱい並べたり飾ったりしてる。ここはオタクの楽園だろう。それに別段裸になるようなギミックって男なら一度は考えるよね。まあそれを女の子に見られたって事が彼の負担なんだろうけどね。
 スッゴイ声だしてるし。

「これでも恥ずかしくない?」
「は……恥ずかしくなんか……ない! 彼女たちは皆芸術の様な体をしてるだろう! あれぞ女体の完成形だ!」
「へえーー完成形にしては幼い体してる様にみえるけど?」

 完成してる割には幼い所を指摘するローレ。確かに今裸にされたフィギアの子は小学生くらいの子だった。これを完成形と認める事は……すなわち自分はロリコンと認める様な物だ。そんな事が……出来るのか? 

「それの何がいけない! 女性は幼女が一番だ! 声を大にして言ってやる! 俺は恥ずかしくなんかない!!」

 言った。言っちゃったよこの人。もうやけくそだろ。えーと……僕たちはここに何しに来たんだろう? 

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