命改変プログラム
1104
何か……きっと何かある。僕はそう思いつつも、風をフラングランに集めていく。ここは既に密室空間だ。風は外から入ってこない。なんせ出入り口は土で完全に埋まってる。よくよく考えたらここから出る算段を全く考えてなかったが、それも仕方ないだろう。
だって会長と相対するんだ。勝った後のことまで考えてなんかいられない。だって勝つって事に意識を全力投球してたからね。実際ここはリアルではないんだからまあ別にどうとでもなるだろう。そもそもこのエリアバトルが終わりさえすれば、強制的にどこにいようとも帰還できるだろうしね。
僕の最大の役目はここでこいつを……会長を倒す事だ。それさえ成し遂げれば、僅かでも状況が好転するはず。だから後は仲間たちに頑張ってもらうしかない。
もしも会長を倒す前にこちらの全ての玉を奪われたら、そこでこの戦いは終わってしまう。そうなると全ては最悪だ。一応この直上の砦はかなり強固に守られてる筈だし、奇襲を仕掛けようとしてた会長はこの通り僕が阻止してる。
だからそうそう落ちる事はきっとない。僕だけじゃない。誰もが皆戦ってる。
(それにしてもこいつ……)
流石だが、僕のスピードについてくる。いや、会長自体は移動とかあんまりしない。ヤバイって攻撃以外は素早く障壁を出して防いでる。コードを書く速さがおかしい。僕は自分の武器はスピードだと思ってて、その認識は間違ってないと思ってる。
僕以上に速い奴なんて今の段階ではいないのでは? とうぬぼれてもいい筈だ。何せ風帝武装なんて物を持ってるのは多分僕だけだし、風帝武装なら三次元的動きなんて容易い。見なきゃいけない所は多く、油断は三百六十度出来ない。
(なのに……だ)
会長の視線が僕から外れる事はない。どんなに早く動いてもついてくる。何あれ? 怖いんだが。まるで僕がどう動くかわかってるみたいに反応しやがる。でもこれがあいつか。容易くないなんてわかってた。僕は事前に作っておいた風の塊の一つから風を補給しながら徐々にそれをちりばめさせてる。
会長は僕の直接攻撃を嫌がってるのか、それとも誘ってるのかはわからない。でもきっと有効打になる気がする。けど相手は会長だ。あいつは何重にも安全策を張ってる筈。一太刀ではきっととどかない。全部を想定して、読み合って、そしてどっちがそれを超えるかの勝負なんだ。
僕は足首の力を更に強めて空中をきった。今は会長の直上だ。この戦いで一番どこから攻撃したら威力が乗るか、そして勢いと死角をつけるかを学んだ。それが直上だ。人の目の構造上、真上は死角になりやすい。まあそれでも会長はちゃんと見てるが――
「だとしても!!」
――次の瞬間、僕は地面でフラングランを交差してる。手応えは確かにあった。
「流石だねスオウ。早すぎて見えなかったよ」
けど会長のその声にはまだ余裕がある。
だって会長と相対するんだ。勝った後のことまで考えてなんかいられない。だって勝つって事に意識を全力投球してたからね。実際ここはリアルではないんだからまあ別にどうとでもなるだろう。そもそもこのエリアバトルが終わりさえすれば、強制的にどこにいようとも帰還できるだろうしね。
僕の最大の役目はここでこいつを……会長を倒す事だ。それさえ成し遂げれば、僅かでも状況が好転するはず。だから後は仲間たちに頑張ってもらうしかない。
もしも会長を倒す前にこちらの全ての玉を奪われたら、そこでこの戦いは終わってしまう。そうなると全ては最悪だ。一応この直上の砦はかなり強固に守られてる筈だし、奇襲を仕掛けようとしてた会長はこの通り僕が阻止してる。
だからそうそう落ちる事はきっとない。僕だけじゃない。誰もが皆戦ってる。
(それにしてもこいつ……)
流石だが、僕のスピードについてくる。いや、会長自体は移動とかあんまりしない。ヤバイって攻撃以外は素早く障壁を出して防いでる。コードを書く速さがおかしい。僕は自分の武器はスピードだと思ってて、その認識は間違ってないと思ってる。
僕以上に速い奴なんて今の段階ではいないのでは? とうぬぼれてもいい筈だ。何せ風帝武装なんて物を持ってるのは多分僕だけだし、風帝武装なら三次元的動きなんて容易い。見なきゃいけない所は多く、油断は三百六十度出来ない。
(なのに……だ)
会長の視線が僕から外れる事はない。どんなに早く動いてもついてくる。何あれ? 怖いんだが。まるで僕がどう動くかわかってるみたいに反応しやがる。でもこれがあいつか。容易くないなんてわかってた。僕は事前に作っておいた風の塊の一つから風を補給しながら徐々にそれをちりばめさせてる。
会長は僕の直接攻撃を嫌がってるのか、それとも誘ってるのかはわからない。でもきっと有効打になる気がする。けど相手は会長だ。あいつは何重にも安全策を張ってる筈。一太刀ではきっととどかない。全部を想定して、読み合って、そしてどっちがそれを超えるかの勝負なんだ。
僕は足首の力を更に強めて空中をきった。今は会長の直上だ。この戦いで一番どこから攻撃したら威力が乗るか、そして勢いと死角をつけるかを学んだ。それが直上だ。人の目の構造上、真上は死角になりやすい。まあそれでも会長はちゃんと見てるが――
「だとしても!!」
――次の瞬間、僕は地面でフラングランを交差してる。手応えは確かにあった。
「流石だねスオウ。早すぎて見えなかったよ」
けど会長のその声にはまだ余裕がある。
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