命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1007

 夏の地域にきた。向日葵が咲き誇る場所だ。ここには一体どんな問題があるのだろうか? どうせならパパっと終わる感じのにしていただきたい。だってこれから先にはノームの試練もあるんだよね? 時間がヤバいよ。ここの暑さはジメジメした暑さじゃないから、少し風があるだけでそれなりに涼しく感じるからありがたい。

 僕たちは夏の姫の案内の元、夏の城へと凱旋する。なんか夏のお姫様御一行に追従してるから僕たちも凱旋気分だ。音楽がなり、街が姫様の凱旋を祝ってるのがわかる。僕たちは案の定少し遠くで待機だ。怖がらせるわけにもいかないからね。

「ん?」

 何やら凱旋に湧く街から出ていく小さな集団がいる。まあそういう奴がいたって別におかしくはないと思う。街を出る理由なんて色々とあるし……けど今は確か不本意だけど僕たちのせいで制限とかされてるんでは? いや、先に連絡してたら、そういうの解除してるか? 
 でも危険な生物とかの問題なら、やっぱり外に出るのって禁止されててもおかしくない。ちょっと気になる。

「ちょっと離れるな」
「うん? どうしたのスオウ?」
「いや、ちょっと」

 なんか適当な理由も思い浮かばなかったから、適当に声をかけて二人のそばを離れる。大丈夫大丈夫、ちょっと彼らの事を確認したらもどるだけだ。簡単に追いつけるだろう。蜂に乗ってるが、風を使えば追いつくなんて簡単だ。

 そして案の定簡単に彼らを発見した。その集団は最初十人くらいだったが、城から少し離れた場所に仲間がいたようで数を増やして二十人くらいの集団になってる。背の高い向日葵に紛れて隠れて見てるが……なにやらきなくさい。
 特に後から合流した奴らだ。……街から出ていったやつらば別段違和感はない普通の住民って格好だが、後から 合流した奴らは鎧を着てる。しかもなんか古びてる感じのやつ。そして乗ってるのがなんとセミである。そこは期待通りだからいいんだけど……僕は葉の上で何やら話し合ってる奴らへと目を凝らす。

 全然言葉わからないが、「越後屋、そなたも悪よのー」的な事を言ってる気がする。彼等は住民風の格好してる奴が、何かを鎧を着てる奴に渡してる。

「なんだあれ?」

 僕のこの目でも流石にわからない。小さいし……ついつい僕は体を出し過ぎたようだ。

「なんだ?」

 いきなりな耳をつんざくセミの声が響く。まさかこのセミ、探知機みたいな役目はたしてる? 凄いなこいつ。何やらやり取りしてた奴らがあわただしく動き出す。蜂とセミが飛び立ち、こちらに向かってくる。逃げないが……まあまだ接触してないしね。どうするか? 襲ってきたら……正当防衛ってことでいいよね?

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