命改変プログラム
988
僕達は彼岸花畑の中のお城に来てた。ここがこの秋の場所の兵隊たちの拠点らしい。こいつらのサイズ的にわかってたが、どうやら僕達はここでは巨人らしい。街がだってミニチュア……とまではいかないが、かなり小さい。お城も持ち上げられそうな気がしてならない。
まあやらないけどね。だってやったら絶対に大惨事だよ。折角会長が彼らの警戒を解いてくれたというのに、そんな事になったらすべて台無しだ。なのでうずうずするけど我慢だ。城の下には城下町が広がってる。そこには武装してない人々がいる訳だが……小人の姿は僕達を普通に小さくした感じだった。実は異形でもおかしくない……とかおもってたが、そんなことはなかった。
「流石に呑気に外を歩いてる奴はいないな」
「当然でしょ。こんな得体のしれない巨人が出ても平然としてたら、危機感無さ過ぎでしょ」
そういうセラの意見はもっともだ。僕達は得体のしれない巨人だ。巨人ってだけで脅威だからね。彼等なんてプチっと踏み潰せてしまうのが僕達だ。だから恐れるのは仕方ない。だから僕達はなるべく城や街に近づかない様にしてる。
下手に恐れられても困るからね。けど興味が強い子供とかは窓とかをちらちら開けてこっちを見てる。だからまあちいさなってわかるんだけどね。
そう思ってると、城に戻ってた騎士がまたこちらにきた。その後ろにはなんだが豪奢なトンボ。なんか金と白の格好いい奴だ。まさに王族専用とか言えそうなそんなトンボには年老いた老人が乗ってた。けど、その瞳は強く、そして、老いは見えるが覇気を感じる顔つきをしてる。
「あれって王様だよな?」
「でしょうね」
僕とセラは会長よりも少し離れてる。だって僕達は会話に入れないからね。警戒されないためにもこういう配置だ。なので喋る相手はセラしかいない。セラってなんか僕の事嫌ってる節があるから、気まずいんだけどね。会話も続かないし。
僕達が眺めてるなか、会長が頭を下げて、友好的な事を示してる。あの王様も……なんといってるのかはわからないが、話が通じないような相手ではないようだ。きっと会長は僕たちがなんでここに来たのかを話してる筈だ。
(うーん)
なんかとってもうずうずする。別段あの街を踏み潰したくなってるわけじゃない。でもこう監視されてるとね。僕たちの周りにはトンボの騎士が飛んでる。まあこんな巨人を警戒するのは当然だ。だから文句は言わないよ。けど……ね。
彼らは僕達の一挙手一投足に注意を払ってる訳で……少しでも体を動かすとビクッとする。いつ自分たちが攻撃されるかと不安を抱いてるんだ。だからちょっとの動きにも敏感に反応する。だからこっちとしてはあんまりそういう事がない様に、極力微動だにしない様にしてる訳だ。
けどそれにも限界という物があって……ね。ちらりと横をみれば、セラの奴は直立不動だった。頭を少し垂れて、両手は優しくお腹の上で重ねて、両足は完璧にそろってる。まさに主人の命令を待つ出来たメイドがそこにいた。完璧にメイドだよこれ。
そんなセラに驚愕しつつ限界に耐えてると、会長が戻ってきた。するとセラは目を開けて自然とした動作で動きだす。こいつはどこでこんな訓練を積んだの? 不思議でならない。
「どうでしたか?」
「うん、クエストを受注してきたよ」
何故に? とも思ったが、こういうのはそういう物か……ともおもった。こっちの願いをかなえる為に、向こうの願いをかなえる、それは至極当然の事だ。なので僕たちはまずはその会長が請け負ったクエストに臨むことになった。
まあやらないけどね。だってやったら絶対に大惨事だよ。折角会長が彼らの警戒を解いてくれたというのに、そんな事になったらすべて台無しだ。なのでうずうずするけど我慢だ。城の下には城下町が広がってる。そこには武装してない人々がいる訳だが……小人の姿は僕達を普通に小さくした感じだった。実は異形でもおかしくない……とかおもってたが、そんなことはなかった。
「流石に呑気に外を歩いてる奴はいないな」
「当然でしょ。こんな得体のしれない巨人が出ても平然としてたら、危機感無さ過ぎでしょ」
そういうセラの意見はもっともだ。僕達は得体のしれない巨人だ。巨人ってだけで脅威だからね。彼等なんてプチっと踏み潰せてしまうのが僕達だ。だから恐れるのは仕方ない。だから僕達はなるべく城や街に近づかない様にしてる。
下手に恐れられても困るからね。けど興味が強い子供とかは窓とかをちらちら開けてこっちを見てる。だからまあちいさなってわかるんだけどね。
そう思ってると、城に戻ってた騎士がまたこちらにきた。その後ろにはなんだが豪奢なトンボ。なんか金と白の格好いい奴だ。まさに王族専用とか言えそうなそんなトンボには年老いた老人が乗ってた。けど、その瞳は強く、そして、老いは見えるが覇気を感じる顔つきをしてる。
「あれって王様だよな?」
「でしょうね」
僕とセラは会長よりも少し離れてる。だって僕達は会話に入れないからね。警戒されないためにもこういう配置だ。なので喋る相手はセラしかいない。セラってなんか僕の事嫌ってる節があるから、気まずいんだけどね。会話も続かないし。
僕達が眺めてるなか、会長が頭を下げて、友好的な事を示してる。あの王様も……なんといってるのかはわからないが、話が通じないような相手ではないようだ。きっと会長は僕たちがなんでここに来たのかを話してる筈だ。
(うーん)
なんかとってもうずうずする。別段あの街を踏み潰したくなってるわけじゃない。でもこう監視されてるとね。僕たちの周りにはトンボの騎士が飛んでる。まあこんな巨人を警戒するのは当然だ。だから文句は言わないよ。けど……ね。
彼らは僕達の一挙手一投足に注意を払ってる訳で……少しでも体を動かすとビクッとする。いつ自分たちが攻撃されるかと不安を抱いてるんだ。だからちょっとの動きにも敏感に反応する。だからこっちとしてはあんまりそういう事がない様に、極力微動だにしない様にしてる訳だ。
けどそれにも限界という物があって……ね。ちらりと横をみれば、セラの奴は直立不動だった。頭を少し垂れて、両手は優しくお腹の上で重ねて、両足は完璧にそろってる。まさに主人の命令を待つ出来たメイドがそこにいた。完璧にメイドだよこれ。
そんなセラに驚愕しつつ限界に耐えてると、会長が戻ってきた。するとセラは目を開けて自然とした動作で動きだす。こいつはどこでこんな訓練を積んだの? 不思議でならない。
「どうでしたか?」
「うん、クエストを受注してきたよ」
何故に? とも思ったが、こういうのはそういう物か……ともおもった。こっちの願いをかなえる為に、向こうの願いをかなえる、それは至極当然の事だ。なので僕たちはまずはその会長が請け負ったクエストに臨むことになった。
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