命改変プログラム

ファーストなサイコロ

972

「ふう、なんとかこれでいいんだよな?」

 僕はウインドウをだして、色々と確認してみる。けどいくら探しても、何か増えた項目はない。

「でも……あるよな?」

 意識を体内に向けると複雑な陣が頭に浮かぶ。自分の中の深い中で、宙に浮いてるような……そんな感じ。

「まあ、あるのならいっか」

 僕の力ってなんかステータスに現れない感じの多いな。実際、強い人たちはこんなステータスに現れない力を持ってるのかも? 

それとも……僕の中で一つの可能性が口をついて出る。

「可能性領域」

 それが一つの要因なのかもしれない。まあいくら考えても普通の高校生の僕にはわからないことだ。そんなことを思って陣から出ようとした。

 けどその時、僕の中から更に何かが出てきた。風が吹き、海があふれ、そして冷気が発せられる。単純に寒いよ。イフリートが欲しい所だ。

「何かようか?」

 まさかいきなり精霊が出てくるとか……なにごと? 会長でもこんな風になったのかな?

「祝福が上手く馴染んできたと思いましてね」
「エアリーロは、僕がよく知ってるエアリーロか?」
「私は私ですよ。記憶はきちんと共有してます」

 複数いても精霊は一つって事かな? こいつらは祝福が強くなったから出てきたの?

「貴殿はなかなか見どころがあるぞ。その魂が柔軟だ」
「はあ」

 魂が柔軟とか言われてもよくわからない。リヴァイアサンはその海のような瞳で僕を見てる。

「さっきの今でこれか……どれだけエアリーロに揉まれたのだ?」

 それはシヴァの言葉だ。揉まれた? まあ確かに風を扱うようになるために揉まれはしたな。けどこいつらは艦違いしてるな。僕は揉まれたんじゃなくズルをしたのである。

 なんかこんな微笑ましく言われると居たたまれない。自分の中で良心の呵責が……だってこの陣の満ちは自分でやった気は……たしかに最初の方は自分でやったけど……

「貴方なら祝福を全て得られるかもしれません」
「ああ、だから証を授けよう」

 そういって精霊たちから小さな輝きが飛んできた。それが僕の中に入ってくると、何やら称号がもらえた。

『風の風帝』『海の皇帝』『氷の氷帝』の称号だ。僕の薄かったステータス表記に彩が出来た気がして嬉しい。うんうん、求めてたのはこういう物だよね。

 僕は満足して皆の元へと戻る。

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