命改変プログラム
890
目の前で繰り広げられる銃撃戦は不思議な事にとても現実的じゃなかった。目の前で繰り広げられてるというのに……だ。ただ抱えられてるだけだからだろうか? 見えてもないしね。元からいた建物から出て、少し進んだ所でどうやら敵――とでくわしたようだ。
まあこの場合の敵はこの誘拐犯たちにとってであって、僕にとって敵かはわからない。こいつらを襲撃してるってことは僕の事を助けてくれる可能性も無きにしも非ずと思えるし。もしかしたらクリスの奴の組織かもしれない。
けどそうとも限らないとも思ってる。どうやら組織ってやつはいくつもあるらしいからね。今僕を攫ってる奴らと大差ない……いやもっと酷い奴らって可能性だってある。そもそもが銃で襲撃をかけてくるあたりがネジ飛んでるだろう。
本当なら絶対にかかわりになりたくない。なりたくない……が、むこうからやってくるんだからどうしようもない。僕なんかに何かあるなんて思うのは間違いなんだが……あちらさんたちはそうはおもってない。可能性領域という未知の部分は国という組織を動かす程の物らしい。
「せめて耳栓が欲しい……」
近くで銃の発砲音なんて初めて聞いたが、ぶっちゃけ鼓膜が破れそうだ。それほどにうるさい。そもそも今は視力が塞がれてて、聴力に余力を振ってる状態だ。そんな中銃撃戦なんてやられたら耳がバカになる。誘拐犯たちは応戦しつつ、少しずつ進んでるよう。きっと目的地があるんだろう。
それは車なのか、船なのか、はたまた飛行機か……どの道、その目的地にたどり着く前には僕も脱出したい。いつまでも捕まり続ける訳にもいかない。
けど、この状況……どうしたら収まるんだろうか? これだけ派手に暴れてるんだし、そのうち警察が来ると思うけど……そしたら警察に保護してもらえばいいか。もしもここが国外だとしても事情を話せばきっとわかってもらえる……よね?
実は警察もどっかの組織と繋がってました……はフィクションで定番だが、リアルでそれはないと思いたい。
ドサッ――そんな音が聞こえる。多分誘拐犯たちの一人がやられたんだろう。この場合は死んだってことになる。リアルでの死……それは終わりを意味することだ。どうやら押されてるよう。それは僕的にいいんだろうけど、人がこんな近くで死ぬなんて……けど目隠しのおかげでそこまで現実感はない。
本当に死体を見たら、きっとこんな冷静じゃいられない。そもそもいつ流れ弾が来るかわからない。もっとガクブルしていい筈なんだろうけど、僕は自分が思ってる以上に冷めてるようだ。いやこいつらが他人だからかな。
どうやら誘拐犯達は一人……また一人と倒れて言ってる。聞こえてくる声が少なくなってるから多分追い詰められてる。そして無線を放り投げる音。ガシャン! という機械が壊れる音に体がビクッとした。そして何やら、残った連中が言い合ってる。
そして降ろされた僕の額に当てられる重厚感があるもの。鼻孔に強く感じる硝煙の匂い。
(まさ――かっ!?)
僕は咄嗟に体をひねった。その時、耳をつんざく発砲音が響く。そして銃弾が僕の目を覆ってた布を破った。広がる視界には屈強な男が僕に銃口向けていた。その視線には僕に対する哀れみとかそんなの一切なかった。ただ任務だから、命令だから……そんな感じだ。
逃げられない、更には僕がほかの組織にわたるくらいなら、いっそ殺してしまえ。それが元からあった命令の一つなのだろう。普通に一発じゃなくフルオートで撃ってれば僕はすでに死んでたと思うが……何故かこいつはそれをしなかった。ゲームでしか見たことないようなごつい銃はピストルとかじゃなくアサルトとかだと思う。
あんなの連射されたらよけれるわけない。誘拐犯は僕がよけた事に驚いてるのか、僅かに固まってる。かといって腕を縛られた僕に何ができる?
「こっちだ!!」
その時、日本語で叫ばれた言葉に咄嗟に反応した。日本語だったから瞬間的に安心したのかもしれない。僕は声のした方に走る。けど後ろからは誘拐犯達の声も聞こえる。後ろを向かなくてもわかる。きっと銃口が僕に向いてる。
「伏せろ!」
僕は咄嗟に頭を腕で庇って伏せた。その時発砲音が幾重も響いた。そしてそれがやんだ時、後ろをみると、さっきまで生きてた人たちが全身から真っ赤な血を流して肉塊へと変わってた。誘拐犯達は死んだ……死んだんだ。けど、僕の心臓は早鐘の様に脈打ってる。
まあこの場合の敵はこの誘拐犯たちにとってであって、僕にとって敵かはわからない。こいつらを襲撃してるってことは僕の事を助けてくれる可能性も無きにしも非ずと思えるし。もしかしたらクリスの奴の組織かもしれない。
けどそうとも限らないとも思ってる。どうやら組織ってやつはいくつもあるらしいからね。今僕を攫ってる奴らと大差ない……いやもっと酷い奴らって可能性だってある。そもそもが銃で襲撃をかけてくるあたりがネジ飛んでるだろう。
本当なら絶対にかかわりになりたくない。なりたくない……が、むこうからやってくるんだからどうしようもない。僕なんかに何かあるなんて思うのは間違いなんだが……あちらさんたちはそうはおもってない。可能性領域という未知の部分は国という組織を動かす程の物らしい。
「せめて耳栓が欲しい……」
近くで銃の発砲音なんて初めて聞いたが、ぶっちゃけ鼓膜が破れそうだ。それほどにうるさい。そもそも今は視力が塞がれてて、聴力に余力を振ってる状態だ。そんな中銃撃戦なんてやられたら耳がバカになる。誘拐犯たちは応戦しつつ、少しずつ進んでるよう。きっと目的地があるんだろう。
それは車なのか、船なのか、はたまた飛行機か……どの道、その目的地にたどり着く前には僕も脱出したい。いつまでも捕まり続ける訳にもいかない。
けど、この状況……どうしたら収まるんだろうか? これだけ派手に暴れてるんだし、そのうち警察が来ると思うけど……そしたら警察に保護してもらえばいいか。もしもここが国外だとしても事情を話せばきっとわかってもらえる……よね?
実は警察もどっかの組織と繋がってました……はフィクションで定番だが、リアルでそれはないと思いたい。
ドサッ――そんな音が聞こえる。多分誘拐犯たちの一人がやられたんだろう。この場合は死んだってことになる。リアルでの死……それは終わりを意味することだ。どうやら押されてるよう。それは僕的にいいんだろうけど、人がこんな近くで死ぬなんて……けど目隠しのおかげでそこまで現実感はない。
本当に死体を見たら、きっとこんな冷静じゃいられない。そもそもいつ流れ弾が来るかわからない。もっとガクブルしていい筈なんだろうけど、僕は自分が思ってる以上に冷めてるようだ。いやこいつらが他人だからかな。
どうやら誘拐犯達は一人……また一人と倒れて言ってる。聞こえてくる声が少なくなってるから多分追い詰められてる。そして無線を放り投げる音。ガシャン! という機械が壊れる音に体がビクッとした。そして何やら、残った連中が言い合ってる。
そして降ろされた僕の額に当てられる重厚感があるもの。鼻孔に強く感じる硝煙の匂い。
(まさ――かっ!?)
僕は咄嗟に体をひねった。その時、耳をつんざく発砲音が響く。そして銃弾が僕の目を覆ってた布を破った。広がる視界には屈強な男が僕に銃口向けていた。その視線には僕に対する哀れみとかそんなの一切なかった。ただ任務だから、命令だから……そんな感じだ。
逃げられない、更には僕がほかの組織にわたるくらいなら、いっそ殺してしまえ。それが元からあった命令の一つなのだろう。普通に一発じゃなくフルオートで撃ってれば僕はすでに死んでたと思うが……何故かこいつはそれをしなかった。ゲームでしか見たことないようなごつい銃はピストルとかじゃなくアサルトとかだと思う。
あんなの連射されたらよけれるわけない。誘拐犯は僕がよけた事に驚いてるのか、僅かに固まってる。かといって腕を縛られた僕に何ができる?
「こっちだ!!」
その時、日本語で叫ばれた言葉に咄嗟に反応した。日本語だったから瞬間的に安心したのかもしれない。僕は声のした方に走る。けど後ろからは誘拐犯達の声も聞こえる。後ろを向かなくてもわかる。きっと銃口が僕に向いてる。
「伏せろ!」
僕は咄嗟に頭を腕で庇って伏せた。その時発砲音が幾重も響いた。そしてそれがやんだ時、後ろをみると、さっきまで生きてた人たちが全身から真っ赤な血を流して肉塊へと変わってた。誘拐犯達は死んだ……死んだんだ。けど、僕の心臓は早鐘の様に脈打ってる。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
310
-
-
20
-
-
3087
-
-
11128
-
-
125
-
-
440
-
-
1359
-
-
353
-
-
381
コメント