命改変プログラム
863
「硬い!?」
フラングランをスカルロードドラゴンの片翼へと叩きつけると同時にそれを知った。ついさっきまでの感覚だと斬れたはずだ。けど、今は僅かに傷付ける事がやっとだ。だげど……
「傷つけたところからダメージが広がってる?」
「そのまま行きなさい!」
それは後方から聞こえた。誰の声かなんか見なくても分かる。僕はその声を信じて更に加速する。少しずつだけど、スカルロードドラゴンは光に抵抗してる。時間はそうない。両翼をもぐのは難しい。だから僕は片翼に集中する。
「うおらあああああ!!」
僕は眼にも止まらぬ速さでスカルロードドラゴンに剣を叩き込み続ける。すると流石にこっちもうっとおしくなったのか、首を向けてきた。けどその程度のスピードで僕を止めようなんて――
「え?」
――スカルロードドラゴンの首の長さは把握してた。スピードだって大した事はない。けど、奴はこっちの予想を超える事をやって来た。奴はそのスカルの仮面を突き破って中の闇が迫って来た。何とか態勢を変えて避けたが、左足が闇に巻き込まれる。
食われた訳じゃない、その身に左足が巻き込まれただけ。けど行き成り足が重く感じた。勢いが一気に落ちる。もう少しで、届くのに……あと少しで片翼はもげる。空から注ぐ光で傷は広がってる。けどにじむ闇は翼を支えようとしてる。
その均衡を崩す後一手が必要だ。その為なら!
「頼むフラングラン!」
僕は片方のフラングランを投げる。風の刃でも良かったが、質量がある奴の方がいいと思ったからリスクが大きくてもフラングランの片方を投げた。回転してスカルロードドラゴンの片翼に向かうフラングラン。それは風を生み出し軌道を微調整して傷が広がった部分にフラングランが突き刺さる。
けどまだ足りない。なら! 僕は重くなった足とは反対側の足でスカルロードドラゴンを蹴って上に飛ぶ。右側に残ったフラングランから紫電が走る。風とは違う力。全快ではまだないが、それでも!! 応えてくれた気がするフラングランを信じて振りぬく。
その瞬間、片翼に刺さった方のフラングランに雷が落ちた。そしてようやくだ。ようやく、スカルロードドラゴンの片翼が落ちる。
スカルロードドラゴンが地面に落ちほえる。その方向と共に闇がにじむ。
「やば!?」
着地点がないし、何よりもフラングランを回収できない。空からの光も止んだ。スカルロードドラゴンの動きを阻むものはもうない。幸いにして再生能力は以前よりないのか、翼が戻る気配はない。それはいいだが、スカルロードドラゴンを中心に広がる闇から黒い槍が発射される。
なんとか一本の剣で弾くけど……量が尋常じゃない。それに槍との接触でどんどん後方におされる。足が腕が体が……けずられてく。このままじゃフラングランを残して僕が……
「スオウ!!」
大きな炎が黒い槍を阻んでくれる。その間に聖典が強引に突っ込んできて僕を地面に誘導する。その先にはメカブがいる。シルクちゃんはどうなったんだろうか? まだ黒い玉に囚われてる? とりあえずメカブから回復魔法受ける。
「スオウ、このまま外でやりあっても意味ないわよ」
そういうのはローレだ。確かにその通り、僕達はスカルロードドラゴンを街の中に入れなきゃいけない。奴はあの街を避けてる。術式があるあの街を。ローレの魔法にもかなりの耐性を持ってしまった今のスカルロードドラゴンを倒すにはやはりあの術式を使うしかないんだ。
「ローレ、シルクちゃんを開放できるか?」
「私に出来ないとでも?」
敵ならこれほど恐ろしい奴もいないが、味方だと頼もしい。セラが気を利かせてフラングランのもう一本も聖典で回収してきてくれた。今のスカルロードドラゴンはどっしりと構えてる。まるで地面に根を張るように闇を広げて。
あの巨体を吹き飛ばす力が必要だ。大丈夫。皆の力を合わせれば奴を吹き飛ばすくらい出来る! 僕は二本のフラングランを携えて立ち上がる。
フラングランをスカルロードドラゴンの片翼へと叩きつけると同時にそれを知った。ついさっきまでの感覚だと斬れたはずだ。けど、今は僅かに傷付ける事がやっとだ。だげど……
「傷つけたところからダメージが広がってる?」
「そのまま行きなさい!」
それは後方から聞こえた。誰の声かなんか見なくても分かる。僕はその声を信じて更に加速する。少しずつだけど、スカルロードドラゴンは光に抵抗してる。時間はそうない。両翼をもぐのは難しい。だから僕は片翼に集中する。
「うおらあああああ!!」
僕は眼にも止まらぬ速さでスカルロードドラゴンに剣を叩き込み続ける。すると流石にこっちもうっとおしくなったのか、首を向けてきた。けどその程度のスピードで僕を止めようなんて――
「え?」
――スカルロードドラゴンの首の長さは把握してた。スピードだって大した事はない。けど、奴はこっちの予想を超える事をやって来た。奴はそのスカルの仮面を突き破って中の闇が迫って来た。何とか態勢を変えて避けたが、左足が闇に巻き込まれる。
食われた訳じゃない、その身に左足が巻き込まれただけ。けど行き成り足が重く感じた。勢いが一気に落ちる。もう少しで、届くのに……あと少しで片翼はもげる。空から注ぐ光で傷は広がってる。けどにじむ闇は翼を支えようとしてる。
その均衡を崩す後一手が必要だ。その為なら!
「頼むフラングラン!」
僕は片方のフラングランを投げる。風の刃でも良かったが、質量がある奴の方がいいと思ったからリスクが大きくてもフラングランの片方を投げた。回転してスカルロードドラゴンの片翼に向かうフラングラン。それは風を生み出し軌道を微調整して傷が広がった部分にフラングランが突き刺さる。
けどまだ足りない。なら! 僕は重くなった足とは反対側の足でスカルロードドラゴンを蹴って上に飛ぶ。右側に残ったフラングランから紫電が走る。風とは違う力。全快ではまだないが、それでも!! 応えてくれた気がするフラングランを信じて振りぬく。
その瞬間、片翼に刺さった方のフラングランに雷が落ちた。そしてようやくだ。ようやく、スカルロードドラゴンの片翼が落ちる。
スカルロードドラゴンが地面に落ちほえる。その方向と共に闇がにじむ。
「やば!?」
着地点がないし、何よりもフラングランを回収できない。空からの光も止んだ。スカルロードドラゴンの動きを阻むものはもうない。幸いにして再生能力は以前よりないのか、翼が戻る気配はない。それはいいだが、スカルロードドラゴンを中心に広がる闇から黒い槍が発射される。
なんとか一本の剣で弾くけど……量が尋常じゃない。それに槍との接触でどんどん後方におされる。足が腕が体が……けずられてく。このままじゃフラングランを残して僕が……
「スオウ!!」
大きな炎が黒い槍を阻んでくれる。その間に聖典が強引に突っ込んできて僕を地面に誘導する。その先にはメカブがいる。シルクちゃんはどうなったんだろうか? まだ黒い玉に囚われてる? とりあえずメカブから回復魔法受ける。
「スオウ、このまま外でやりあっても意味ないわよ」
そういうのはローレだ。確かにその通り、僕達はスカルロードドラゴンを街の中に入れなきゃいけない。奴はあの街を避けてる。術式があるあの街を。ローレの魔法にもかなりの耐性を持ってしまった今のスカルロードドラゴンを倒すにはやはりあの術式を使うしかないんだ。
「ローレ、シルクちゃんを開放できるか?」
「私に出来ないとでも?」
敵ならこれほど恐ろしい奴もいないが、味方だと頼もしい。セラが気を利かせてフラングランのもう一本も聖典で回収してきてくれた。今のスカルロードドラゴンはどっしりと構えてる。まるで地面に根を張るように闇を広げて。
あの巨体を吹き飛ばす力が必要だ。大丈夫。皆の力を合わせれば奴を吹き飛ばすくらい出来る! 僕は二本のフラングランを携えて立ち上がる。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
59
-
-
310
-
-
149
-
-
124
-
-
15254
-
-
39
-
-
107
-
-
267
-
-
22803
コメント