命改変プログラム

ファーストなサイコロ

狙いはアナタ

 社の通路の一角で形を潜める僕。薄暗い物置然とした部屋から僅かに通路を見つめて待ち人を待ってるんだ。すると左手に持ってる白いお札の文字がチカチカと鮮やかに光り出す。通信を知らせる反応だ。
 実はこの反応色々と変える事が出来るらしい。音にも出来るし、振動にも対応するという高性能っぷりだ。安価な筈なのに、機能は満載。このお札はもっと普及していいと思う。まあ実は僕が知らないだけかも知れないけどね。
 実は結構な場面で使われてたりするのかも知れない。取りあえず正面をなぞって出る。


「こちらスオウ」
「目的の奴がそっちに行った。準備しておけ」
「了解」
「俺の力ならこんな面倒な事をせずともいいものを」


 不満そうにお札の向こうで文句を垂れるテトラ。全く、どれだけ暴れたいんだよこいつは。実際僕達は今のサン・ジェルクじゃ目立ちすぎるんだよ。だからこそ、下手に行動はとれない。なんたって他種族が今はここに居ないんだからな。
 そのせいで僕達は頭一つどころか、めちゃくちゃ飛び出してる事になるから、小人の国に巨人が混ざった感じだよ。しかもそれがシスカ教の天敵邪神テトラだとバレた日にはどうなる事か……想像したく無いじゃないか。
 だからアイツは地味にターゲット監視の任に付いてる。実行するのは僕。アイツは靄の中に潜めるからな。隠密行動も得意なんだ。まあプライド的にそうそうしないらしいけど。あいつ敵は正々堂々正面からブチ倒す派らしいんで。


「向こうも上手く行ってれば良いんだけどな」
「上手く行かなかったときは強制的に拉致すれば良いだけだ。簡単だな」
「お前のそう言う所は邪神っぽいな」


 まあ邪神っぽいというよりも黒い? 的な。言っちゃうと邪神っぽいって言う程ではないかもだけどね。そこらの小悪党みたいな……まあそういう奴等は大抵口だけだけど、こいつの場合は本当に簡単にやるんだろう。そこは口だけの奴等とは違う。


 そうこうしてる内に聞こえて来る足音。トコトコトコという軽い足音が響いてる。僅かに開いた隙間から覗いてその姿を確認。通路を資料を両手に抱えて歩いて来る僧兵が一人見える。


「よし、間違いないアイツだ」


 見知った相手を確認して間違いない事を伝える。実際にはあいつにも色々とお礼を言いたい所なんだけど……向こうはきっと覚えてないんだろうな。でもだからこそ、その記憶を元に戻そうとしてる訳だけどな。
 これからの為に、アイツの記憶が必要なんだ。 だからその為に−−


「とりゃ!!」
「むぐ!? むっむむむ!!」


 部屋から飛び出し、僧兵の口を抑えて羽交い締めにして部屋に連れ込む。小さいくせに結構暴れやがるな。まあ無理も無いけど、あまりジタバタされちゃかなわん。僕は耳元でこう囁く。


「大人しくしろ。出ないと金○潰すぞ」


 その瞬間小さな体がビクッと震えた。男なら分かるその恐ろしさ。股間にプレッシャーを与えてやるぜ。震え上がって縮こまるかもな。得体の知れない奴に押さえつけられて人質は自分の大事な部分……下手な行動はこれでとれないだろう−−


「ん?」


 大人しくなったと思ってた僧兵の握った手が光ってる? この部屋暗いままだからその明るさが良くわかる。するとその手から火の玉が現れて僕の腹にぶつかった。


「あつっあつっつ!!」


 思わず拘束してた腕を解く僕。だって流石に丸焼けに成るかもしれないのに抱えてなんかられないだろう。だけどこのまま逃がす訳には行かない。僕は必死に扉の前に立ちふさがるよ。


「逃がさないぞ」
「ふん、何が目的かは知らないが、返り討ちにしてやる!!」


 完全に僕は悪者だ。全くほんと何も覚えてないんだな。一緒に戦場を駆けた仲だってのに哀しい奴。友達と思ってたのはこっちだけだったんだな。システムなんかに簡単に記憶を張り替えられやがって……なんかイライラして来たな。燃えてるせいでHPも削られてるし、妙に腹立って来る。


「目的な。教えてやろうか?」
「必要ない。貴様を捕らえて尋問すれば良いだけだ!!」


 聞く耳持たず。まあいきなりの襲撃者の言葉なんて殆ど取り合わないのが正解と言えば正解だろう。こいつの行動は正しい。でもここまでクソ真面目な奴だったかな? もっと自由度高かったような……いや、仲間を呼ばずに自分だけでなんとかしようとするこの姿勢がやっぱりこいつらしいのかも知れない。
 本当なら距離を置いた時点で仲間を呼ぶなりする物だろう。だけどこいつはそれをしなかった。一人で襲撃者を倒せると自身を過信してるところがお前って感じだ。まあなんだか偉くなったままの様だし、調子づいてるのかも知れないな。
 お灸を添えてやろうじゃないか。てか、さっきからこの炎消える気配がないんだけど、炎症っていう状態異常に陥ってないかこれ? 服を脱げ捨てれば消えるかな? でもそれって今からバトルするにはかなり不利になるよな。
 くっそ、いきなりの状態異常は運が悪いとしか言いようが無い。そう思ってると僧兵の奴はその手に数枚のお札を取り出してる。そしてもう一方の手には変な模様が刻まれた木製の短剣。そう言えばアイツ、遠距離型の魔法タイプじゃなかったな。
 モブリは魔法が大得意。だけどそれだけじゃ流石に戦場じゃ弱いからな。高威力魔法の弱点はその詠唱時間の長さだしな。必然的に前衛を勤める役は必要になる。こいつも艦長とかをやる前はそのタイプだったって事だろう。
 モブリの普通の装備は両手杖だからな。そうこうしてる内に、僧兵は一つのお札を「発動」と言いながら握りつぶす。それと同時に複数の火の玉が現れてこちらに向かって来る。


「舐めるなよこんなもの!!」


 僕はそう言って火の玉をセラ・シルフィングで切り捨てる。ふふん、セラ・シルフィングならこんな物余裕だな。するとその時周囲に不自然な風が巻き上る。


「うお!?」
「そもそもそんな物で決めようなんて思ってないさ。これに込められる魔法は決して強く無いからな。だが、使い方によっては色々とやりようはあるんだ!」


 周囲を吹く風が切り捨てた火の玉の炎を取り入れやがる。赤い炎が風に交わり、そしてその炎風が更に僕の状態異常でまとわりついてる炎までも煽り出す。なんだかそれと一体化してるような……つまりは勢いが半端無くなって来たって事だ!


「っつ……これは……」


 不味いかも。ちょびっとずつHPを浸食してた筈なのに、勢いが強まったせいで見る間にHPが削られてる。しかもこの熱気のせいで目を開ける事も、息をする事も困難な状況。簡単に言うと、これって絶体絶命じゃないか?
 まさかこいつにこんなに追い詰められるなんて……舐めてたのは僕の方だったって事か……そりゃあ艦長出来る位だもんな、それなりにやれるか。僕はセラ・シルフィングを握る腕に力を込める。そして残った空気でこの言葉を紡ぐよ。


「イクシード」


 自身から溢れ出る風が刀身にウネリを作る。これでこの周りの熱風を吹き飛ばせるだろう。だけどそれだけじゃ芸が無い。今の僕なら、この風と炎が混ざり合った物だって、ウネリに加えられる筈だ。
 僕は風を掴んで刀身のウネリに周りの風を加えてく。するとこんな声が聞こえて来た。


「ははは! やったぞ。小さいからって舐めるなよ。俺達モブリはお前等とは頭の出来が違うんだ。世界に一番愛された種族なんだよ!」


 どうやら完全に倒せたと思ってる様だ。確かに危なかったよ。風を操れなかったら丸焼きにされたかも知れない。だけど!


「そこだ!」


 僕は風と炎の渦巻く中から、ウネリを真っ直ぐに伸ばして僧兵が持ってた残りのお札を巻き込んでた炎で焼く。


「うわっつっ−−何!?」
「残念だったな。僕はまだ生きてるぜ」
「くっそ! それなら!!」


 そう言って僧兵はその木製の短剣を掲げる。するとその文字の様な模様に光が走り、周囲に同じ形をした短剣が出現した。空中に浮いてるそれを遠隔操作でもするのか? そう思ってると、僧兵が腕を振り下ろすと同時に現れた幾本もの短剣が僕に向かって飛んで来る。
 やっぱりそう言う系統か。だけどこの程度の攻撃なら、避けるまでもない。セラ・シルフィングでたたき落とせば良いだけだ。僕は腕を横に振るって、迫って来てた短剣にウネリをぶつけた。それだけで事足りる貧弱な攻撃だ。


「そんなんで僕のセラ・シルフィングに対抗出来ると思うなよ」
「貴様こそ、俺を舐めるな!!」


 そう言った僧兵はまだまだ強気だ。何かある? そう思ってると視界の隅で何かが動いてる様な? 僕は下を向く。するとそこには何か気持ち悪い枝みたいなのがうごめいてた。


(なんだこれ?)


 けどその答えは直ぐに分かった。どうやらこれ、さっきの短剣の様だ。たたき落とした短剣がその形を崩して枝みたいに自身を伸ばして行ってる。そしてそれらは互いを結んでるんだ。そして出来上がるのは僕を囲む様にする円? 


(まさかまた魔法関連の何かか?」


 てか基本モブリが狙う事といったらそっちだろうからな。円ってことは魔方陣とかと関連してるのかも知れない。取りあえずさっさと出た方が良さそうだ。囲んだ事に意味があるのなら、この中で何かが起こるって可能性が高いからな。


「逃がすか!!」


 僕が動くよりも早く僧兵はその短剣を床に突きつける。すると現れた魔方陣の中に吸い込まれる様に入ってった。そして足下の円の中に光が灯る。そしてそこから出て来るのは大量の枝だ。それが僕の体に絡み出す。
 拘束系の魔法か! 殺す気はなく捕らえるって事では良い魔法なのかもな。だけどこんなの……切れない訳ないぞ! 僕は体に絡み付いて来てる枝に向かってウネリを……ウネリを……ヤバい、体に密着して絡み付いてるこの枝を斬るには、自身にウネリを当てる必要があるんでは? 
 それじゃあ僕のHPを自分で削る事に成るじゃないか。しかも無駄に炎とか今加えてるのが痛いな。それにこの枝が細いのも切り難くしてる要因の一つだ。枝分かれも頻繁にしてるし、体への密着具合が半端ない。
 しかも足下の円の中から大量に出て来てるから大本を断ち切るってことが出来ない。無駄に広い範囲で囲んだのは円を構成する最初の枝を確実に広げる為で、尚かつ妨害され難くするため……全然無駄じゃなかったのか。


「くっ……」
「はははは、今度こそおしまいだ。このままがっちがちに拘束してやるよ」


 確かにこのままじゃそう成ってしまうな。イクシード3なら背中からウネリが出るから抜け出せそうだけど、流石にそこまでやるのは……これ以上派手にやってたらどの道回りに気付かれるだろう。それは良く無い。
 でもこのままじゃ……全身を枝が覆ってく。もう殆ど首以外動かせない状態だし、ずっと出続けてる枝のせいで持ち上げられて拘束された感じに成ってる。やりようが無くなって来たぞ。多少の痛みをつべこべ言ってる場合じゃないな。
 唯一伸びてる左腕の腕の先のセラ・シルフィング……その刀身に纏ってるウネリをこっちに向ければまだなんとか……


「ん?」


 そう思ってると、何か部屋に寒気が漂うような……そんな気がした。勝ったと思って興奮してる僧兵の奴は気付いてない。だけどこの感覚……得体の知れない強敵を目の前にしたときと同じ様な……そんな感じだな。
 すると黒い靄が部屋に流れて、僧兵の後ろに集まってく。


(あれは……やっぱりアイツか)


 集う靄からその姿を現すのは当然の如くテトラだ。そして奴は勝利の余韻に浸ってる僧兵に声をかける。


「おい貴様」
「うん? !!−−−−−−−−−−−−−−−」


 テトラを見た瞬間石化状態にでも成ったかの様に固まった僧兵。一体どうしたんだろう?


「おい、どうした? 固まったぞ。これじゃあ遊べない!」
「知らねえよ。いいから助けろ」
「……」


 詰まらんそうな顔でこっちを見てるテトラ。するとニタアという嫌な顔に成ってった。


「おいおい、なんだお前その格好。その無様な格好はどういう訳だ? こんな奴に負けるとは嘆かわしいな。貴様が負けると俺の格が下がるだろうが。雑魚など一掃しろ。まあ元は貴様はその程度なんだろうがな。
 よく似合ってるぞ。敗者の姿がお前にはよく似合ってる」
「お前な……」


 テトラの奴、言いたい放題言いやがって……だけど実際これは完全に自分のミスだからな。テトラが来なかったら、完全に作戦失敗してた所だ。だからこそ強く言い返せない。でもこれには色々と理由があるんだよ。
 一応顔見知りだし、あんまり傷つける様な事はしたく無かったし、派手にやる事も出来ないだろ? −−と一応言い訳は考える。でも「負けは負け」とか言われそうだしな。しょうがないから低姿勢で言ってやるか。


「まあでも……正直助かった。油断してた僕が全て悪い」
「素直じゃないか。だがつまらんな」


 どうしろというんだこの邪神。流石邪神捻くれてる。人が折角折れてやったのに……


「良いから取りあえず助けろ。いつまでもここに居れないんだぞ」
「確かに、結構派手にやってたからな。まあ俺なら全てのモブリをケチらせるがな。お前と違って」


 この野郎、どこまで自分の優位性を示せば気が済むんだ? 一回負けたからか、僕に対してはなんかネチネチくるな。一回の敗北あれは「そうしただけ」みたいにしたいのか? いや、その通りではあるけどな。
 あのまま本気でやりあってたら、勝ち目は無かっただろうし……でも結果的には納得して負けたんだろ? まあ負けたって表現が正しく無いのはわかるけど。正確には和解した? でもこれもちょっと違う気もするな。なんと言えば良いのだろうか? 難しい。


(でも今はんな事を考えてる場合じゃないんだよ。さっさとこの枝から解放してもらって、僧兵を持ち出さないと……)


 でも下手に出てもダメだったしな……どうするか。反対に高圧的に行くとムキになるのは目に見えてるし、ホント面倒。こいつ自分が強過ぎるからって、作戦とか実際どうでも良いんだろうな。大概は力で解決出来ると思ってる。
 頭も悪く無いくせに……というか頭も回るから別に問題ない−−って自分で判断してる所があるよな。確かにカバー出来るだけの力はある。僕の勘違いの自信とはそれは違うだろう。こいつのは本物。
 けどな、それはこっちにしたら余計な手間でしかないんだ。だからそんなのはごめんだ。予定通りにさっさと僧兵を連れ出すのが最善。


「まあそう言う事にしておいてやるよ。出来るんじゃね? お前なら。メリットなにも無いけどな。はぁ、そんな事に成ったらクリエが怒るな」
「はっ、あんな子供なんて別に」
「クリエの奴、折角お前に馴染んで来たのに、また嫌うかもな」
「はっ……ははは」


 おい、明らかに頬が引きつってるぞ。これは……当たりか? やっぱり「クリエとかどうでもいい」とか言ってたけど、全然そんな事無いなこいつ。明らかにクリエの事には最近気を配ってる。もしかして……自分の子供とでも認識したんだろうか? 
 まあでもおかげでなんとか成りそうだな。


「そもそも、僕で遊んでたらクリエの奴は怒るよな〜。アイツまだお前よりも僕の方が好きだし」
「まあ、そんなのどうでも良いが−−」


 そう言ってテトラの靄が地面から展開してる枝を覆ってく。すると途端にボロボロになって朽果てた。おいおい、相変わらず万能な力だな。でも流石だ。これで後はノエインの部屋に向かうだけだな。


「−−言っとくがお前を助けたのは別にあの子供の事を考えたからとかじゃ決して無いからな。分かったか?」
「ん? あぁ了解了解」


 それまだ言ってたのか。助けられた瞬間に忘れたわ。取りあえず、さっさとこいつを運ぶのが先決だろ。でもホントかちんこちんだな。生きてるのかコレ?


「お前本当は魔法でも使ったんじゃないのか?」


 僕のそんな言葉にテトラは首を振りながらこう返す。


「なにもやってない。勝手にそいつが自滅しただけだ」
「そうは言ってもな……」


 これは気を失ってるって表現なのか? あまりの衝撃で一気に意識が吹っ飛んだ−−みたいな? まあLROの表現はオーバーな所があるから、これもその一つと考えれば納得出来なくもない……かな?
 取りあえず急がないと……


「おい、足音が迫って来てるぞ」


 テトラの奴が耳聡く外の音に感づいたらしい。流石にドカバカやり過ぎたな。


「テトラ、お前は靄で隠れれるから自分でどうにかしろよ」
「貴様等はどうする?」


 そんなテトラの質問に僕はアイテム欄から出したアイテムを掲げて言うよ。


「タルンカッペだ! これを纏えば透明になれる」
「なるほど、それか」


 反応が薄い。重要なアイテムなのに! まあ神だしな……切り替えるか。取りあえず僕は固まった僧兵を抱えてタルンカッペを羽織る。するとその瞬間に扉が開いた。


(アブな!)


 危機一髪だな。でもこっちからは向こうがモロに見えてる訳だし、実は向こうからも見えてるんじゃないかとちょっとドキドキだ。だけど大丈夫。向こうに特別な能力者でも居ない限りは……それか魔法を使われでもしない限りは大丈−−


「なんだこれは!?」
「異常な事態ですね。緊急警報を鳴らします!」


 社内に響き渡る警報の音……ヤバいな、なんかヤバくなってきた。そりゃあ確かにこの部屋の惨状を見たらただ事じゃない事が起こったと思うだろうな。このままじゃこの部屋から出れなくなりそうだし、さっさと移動した方がよさそうだ。
 こっちの事は見えてないんだし、注意をして行けば良いんだ。


「取りあえずここで戦闘をしてたであろう僧兵を捜しましょう。幸い身に付けてた武器がありますし、これで足取りを追えます」
(何!?)


 今のマジか? それってかなりヤバい様な。そう思ってると救援に来た僧兵の一人が魔法を発動させる。すると彼女の両手杖の上にこいつの短剣が浮いてコンパスみたいに回り出す。


(いや、待てよ。あれってまさにコンパ−−)


 ピタッとこちらを刺して止まる短剣。やっぱそうじゃないか!! 


「向こうのようですね。犯人が一緒の可能性が高いので気を付けて行きましょう」
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!)


 僕は取りあえずダッシュしてこの場から離れる事を優先だ。アレはヤバい。姿見えてなくても関係無いもん。一定距離が離れれば……そんな期待もあった。だけど何故かどこに行ってもこっちに向かって来る僧兵達ばかり。
 見えては無い様だけど……コレは一体? もしかしたらだけど、あの魔法は共有出来る? そんな事が出来るとしたら、いずれ姿を見えなくしてるとばれるかも知れない。それにこの状態のままでノエインの部屋に向かうのも不味い。
 状況が何故か僕の所だけ悪くなって行ってる気がする。どうしたら良いんだ一体!? 

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