命改変プログラム
甘く弱い、立ち上がれない子
ため息を付くような光景の中、突如地面が崩れだした。ここは元は湖だった場所……それを柊がその力で凍らせた場所だ。
だから柊の力が影響出来なく成った氷が溶けだしたのかの知れない。
「おいおい、やばいぞこれ!!」
「急いで岸へ! リルレット、彼をこちらへ!」
「うん」
そう言って僕はリルレットからナギナタ使いの彼へと担がれる。情けない……本当に。足手まといの何者でもないじゃないかこれじゃあ。
でも……自分ではどうにも出来ない。もしかしたらもう少しだけHPを回復出来たら、この体も動くように成るのかも知れない。
でも感動に続いてのこの状況で、そんな暇はなさそうだ。取り合えず今は岸を目指す事が先決。その後でも大丈夫だろう……そう僕達は思ってた。
「頼む」
「ああ。しっかり捕まってるんだ!」
みんなが一斉に岸へ向かって走り出す。空が映る氷の地面は次々と崩れて行ってる。このままだと結構ギリギリか……だけど間に合わないとも思えない。
次第に周囲を覆ってた薄い雪は晴れていき、僕達がここに来たときの光景が戻って行ってた。
「「「うわわうわわわあぁぁわわわわ!!」」」
崩れ去る足下に気をつけながら、みんなが全速力で岸に向かってく。この氷が溶けだして空間が元に戻って行ってる意味……それを僕はナギナタ使いの背中で考えてた。
単純に柊がやられたから……それは最も分かりやすい理由だ。あの攻撃から逃れられたとも思えないし、手応えもあった。
だけど……納得は心のどこかで出来てない。普通なら、HPが尽きれば色褪せて行動不能に成るものだ。だけど柊のそんな姿はどこにも無かった。
まあ元々、イレギュラーな存在でえある奴等だし、HPが尽きればそのまま消滅……なんて事も考えられる。僕はどっちが良いんだろうな。
倒せてるから、僕はまだ生きてる。だけどあいつとは少しだけズレてただけの気がしてたから、ある意味これは最前じゃなかった。
もっと僕が強ければ……違う道もあったのかも知れないけど、僕は僕の道を通す事に必死だった。ただそれだけに。それしか出来なかったから。
それにアイツは強すぎだ。僕が勝てたのは奇跡以外の何者でない。これが後数回は確実で……それなのにたった一戦で体はボロボロ。先が思いやられる。
自分の力の無さを痛感した戦いだった。担がれたこの格好も、そんな自分の象徴の様な感じ。やっとで掴み取った筈の達成感の後に来たのは、悔しさとかだった。
(もっと強く……)
そう心で思い、腕を握りしめる。これを誓って実行しないと、セツリには辿りつけないんだ。湖に戻りつつある氷が崩れて、水面を弾く。かなり近くまで迫ってるのか、そんな水が頬に当たった。
その時、何とはなしに顔を後ろに向けた。すると湖の一転が輝いてる? 様に見えたけど、その視線は一瞬でブレた。何故なら、岸へと向かってみんなが一斉にジャンプしたからだ。
「「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」」
ズシャーーーー! と土の地面を滑って復活した花畑に突っ込む。その後ろでは大きな音を立てて、氷が崩れて行ってる様だった。
「間一髪だった……」
「ああ、最後に僕を放さないでくれたらもっとありがたかったよ」
「ん……ぬあ!?」
ようやく気付いたか。動けない僕は、柔らかく成ってる土の中で窒息しそうだよ。それにしても……何だかどんどん感覚がズレる様な……無くなる様な不思議な倦怠感が体を包んでる。
僕の体は大丈夫何だろうかと不安に成ってくるな。最初はまだちょっとは動けたのに。リルレットの胸を触ったときとかさ。
あの時は思わずって感じだったから気にして無かったけど、きっとあの時から始まってたんだ。自分が消えて行くようなこの感覚。
「ス、スマン。大丈夫か?」
そんな事を考えてると、土の中から助け出された。目の前に色とりどりの花が見え……あれ? 肩を掴まれて助けられた僕の目には花は見えてる……だけど白と黒のグラデーションでしか見えてない。
まるでマンガみたいと言うか、昔の白黒テレビの様な感じだ。その瞬間、僕には一気に焦りがやってきた。
(やばい……これはもしかしたら、残ったこのHPまで消え掛けてるんじゃないか?)
そう思えて成らない。このままじゃ、世界が暗転して、そして……死……そんな思いが掛け巡る。
「スオウ? おい、顔色悪いぞ」
応答しない僕の顔を覗き込んだナギナタ使いがそんな事を言う。顔色も悪く成る……だってやっとで勝ったのに、まだ終わりが迫ってるなんて反則だろ。油断してる所で、LROは僕を落とす気か。
「アイテムでも魔法でも何でもいいから……取り……あえず……たの……」
「おいスオウ! どうした? おい!」
ヤバい……声が出ない。視界に黒い物が広がっていく。感覚が頭を残して、全て搾り取られていく様な感じで、力も何も入らない。
辛うじて聞こえる声も、どんどん遠く成っていってる。
「どうしたのスオウ! スオウ!」
「飲め! 飲め! 回復薬だ! 魔法はどうだ!?」
「いけます!」
光が僕の体を包む。強引に何かを口に入れられてる……だけど何も感じない。
「ちょっと……何で回復しないの!?」
「何で……どうなってんだいスオウ!」
「諦めるな! 回復魔法を掛け続けよう!!」
「うん……」
視界の半分以上が黒く塗りつぶされて行く。頭が次第にズキズキと痛む様な感覚がある。と言うか、その痛みが体中に溢れていく感じだ。
それが世界を満たすような……とにかく痛かった。そして思わず僕はこう思う。
(やめ……ろ)
真っ暗に成っていく世界の全てに叩かれてる様な痛み……頭が割れそうだ。みんなの必死さは分かる。それはとてもありがたいし、僕のこの思いはみんなに向けてじゃない。
だけど次第におかしな考えに痛さの余りにとりつかれる。それは多分、狭まってく視界の中でみんなの顔が見えなく成ったのも大きい。
声も聞こえなくなって、掴まれた肩を揺さぶられる動作とか、周りを取り囲まれた様な状況がそれを思わせる。それはきっと恐怖って奴なんだろう。
僕はその時、そんな物をみんなに見てしまった。
(やめろ……やめ……ろ!)
この痛みがあたかも彼らのせいであるような錯覚。心の隅ではちゃんと分かってる自分が居たのかも知れないが、その一瞬は確実に僕はその恐怖をみんなに向けていた。
そしてそのせいなのかどうかは分からないが、名残の様な電撃が僕を包んでた回復魔法を打ち消した。あの戦いの最中と同じ様にだ。
その衝撃に、周りのみんなは驚いたり、近かった奴は尻餅ついたりしてる。だけど僕にはそれを見てる余裕は無かった。
自分が消える不安と恐怖、世界に拒絶されてる様な痛みで一杯一杯だ。自分が自分で息をしてるのかも分からない……というか、LROで再現してる人体の無意識の領域……呼吸や心臓の動きや血の流れ……それらは別にここでは本当は関係の無い事なのか?
分からない……もしかしたらリアルで僕達が被ってる機械がそれらを測定してて反映してるのかも知れないな……それだと僕はとても危ない事になる。
それはきっとここに居続けられない事だろう。だけど消えて行ってるって言っても僕は少しずつ、世界に拒絶される様な消され方だ……なら現実の僕はまだ無事何だろうか。
何も分からないけど、取り合えず消えてしまったら無事じゃ済まない様な事だけは確かだろう。
(う……があぁあ、何なんだ……何なんだよ、ああああぁぁ、これは一体!)
意識の中で何かと戦ってる自分。覆われていく視界の先のみんなは、もうお手上げ状態だった。
(こんな……訳の分からない事で終わりなのか……)
そんな事を本気で覚悟した。だけどその時、殆ど横たわる地面しか見えない視界に何かが落ちてきた。
(何だっけ……これ? 見覚えが……あるような……数枚の板を折り重なる様に柄の部分で繋いだ……そんな物。僅かだけど、上の方は色が濃く成ってる……何かが張り付いてるんだっけ?
何だか焼け焦げた様な後も見えるこれは……)
痛みの中でも何かが繋がっていく。と言うか、これは忘れない。さっきまで随分と僕を苦しめた物なんだから。見覚えが有るはずだ……だってこれは『天扇』じゃないか。 焦げ付いてるけど間違いない……てか、だからこそ間違いないか。当たってたんだ。それを示す紛れもない証拠だ。
だけどどうして天扇が今ここに? これだけが残って、風に乗って飛んできた……ってのは無理があると思う。だけどそれなら、最悪の様な感じた通りの事がその通りだったって事になる。
でもどうなんだろう……僕はその姿を見たら、本当にどう思うのかな。残念? それとも安心か……
けど、それはもう無いだろう。
僕の視界はもう、殆どが黒く覆われてる。もしも今ここに柊が現れたとしても、僕はもう確かめようがない。
(イヤだな……こんな所で。ゴメン……セツリ……)
そんな言葉を心の中で呟いて、僕の感覚は完全に失われた。世界は暗く……痛みがどこか遠くへ行くほどに落ちていく。
「う……ここは……」
目を覚ます自分にまず驚くけど、それはありがたい事だと思う事にする。体を起こして、周りを確認するとそこは白い世界。
何も無い真っ白な世界だ。でも何だか、前にも来たこと有るような感じがしないでもないな。だけどもしかしたら、ここがあの世かもしれない可能性も否定できない。
取り合えず立ち上がろうと僕はした。だけど何だかさっきまでの影響か、足下がふらついてしまう。
「うおっとっとと……」
何とか倒れずには済んだけど、心許ない足だ。それにいきなり立ったせいか、頭が貧血っぽくなる。目の前が歪む様に見えると言うか……これもさっきまでの影響かな。
頭を何回か叩いたりする。昭和の電気製品でも自分は無いけど、何となく叩けば何かが繋がる気がするんだよね。
まあ一通りそんな事をやって、額の所に手を置いて思うことは一つだ。
「訳わからん……」
これに尽きる。あの突然の異常も謎だし……そしてそれに寄って来たこの場所も謎だ。マジであの世じゃない事だけは願いたいけど、残念な事にそれが一番確率高い。
だって……流石にあれは死んだと思った。最近の僕の浸透率は知らないけど、きっとセツリにもかなり迫ってた筈だ。
それにあんなおかしな状態にも成ったし……リアルの肉体にも影響が有ったっておかしくない。むしろ今なら、有っただろうと思える。
けれど僕は、ここで拳を強く握りしめる。そこには熱さが宿る気がした。
「だけどだ……まだそれが完全に決まったわけじゃ無いのも確か。なら……それが決まるまでは何とか出来るかな」
熱さの宿る拳を見つめて、僕は自分に言い聞かせる様にそう呟いた。するとその時、この白い世界で僕以外の声が響く。
「また君か……どうやら相変わらず無茶な事をやってるようだね」
そんな声に振り返ると、そこに居るのは背中だけは見慣れた相手だ。それにこの声も聞き覚えがある。何度か同じ様な場所で出てきてる相手……桜矢当夜その人。
相変わらずなのはそちらも同じ、いつもの様にパソコンに向かってるようなその姿が、そこには現れてる。
「アンタかよ……って事は少なくともここはあの世じゃ無いのかな?」
「さあ、それはどうだろうね。前にも言ったけど、僕はもう手遅れなのかも知れない。そんな僕と話せるここは、もしかしたらあの世……そんな風に捉えれるかも知れない。
まあ、何ともいえないけどきっと近い場所なのは確かだよ。そして君はそんな場所に少しづつ深く入ってきてる。戻れなく成るよ……このままじゃ」
背中を向けて伝わるその言葉は、寂しげに空間に散っていく様な感じだ。自分が死んでるなんて、確かに前もそんな事をこの人は言ったけど、本当は自分がどうなってるか分かってるんじゃないのか?
そして警告の様なこの言葉……それは前に話した時とは少し何かが違う。
「戻れなくなるって事は、まだ僕は戻れるって事ですよね? やっぱり貴方は知ってる……なのに死んだことに使用としてる。
それは何でですか? ここはまだLRO、何ですよね?」
僕の言葉に当夜さんはその指の動きを止めた。この人はさっき、「戻れなくなる」そう言った。それはこの人には僕を戻す術が有るって事だろう。
そして実は全部を知ってるって事だ。何もかもを分かってる……なのに、自分を殺すのは何でだろう。いいや、今回のこの人の言葉はまるで……今まで言ってきた事とは違うのかも。
何かを諦めて……何かを決めた? そんな物が見え隠れしてるような気がする。
「君は案外目敏いね。確かにまだ……どうにか出来る。ここはまだあの世なんかじゃ無いからね。だけど……限りなく近い所だとは思う。それは本当だよ。
フルダイブは精神を肉体から引き剥がす。人が言う、肉体が器で精神が魂なら、それはもうLRO自体があの世だと思えないかい?
君は考えた事は無いかい? LROと言う世界が、一体どこに存在してるのか……と」
「何……言ってるんだアンタ?」
彼の言葉が恐ろしく聞こえたのきっと気のせいじゃ無い。再び動き出した指がキーボードを鳴らしてる。するとこの白い世界に、光の玉が幾つも浮いてきた。
それはまるで、人魂の様に見える。何だこれ? あの世の演出か? 僕は天才でも秀才でも無いから、あんまり難しい事は分からないんだ。
LROがどこにあるかなんて……LRO自体があの世の様な物なんて……そんなの感覚でしか分からない。僕達は誰もが、LROと言う世界は電子の海のどこかに作られた世界だと思ってるし、あの世に行ってる様な物だと誰が感じてる?
そんな事あり得ない。確かに精神が切り離されて、肉体を置き去りにしてるから、言われてみればそれを思うことは出来るけど、あれがあの世なんて……
「別に……LROは有る意味、そういう感じに近いと言うだけだよ。僕が思うにはだけどね。君はどう思う? 今現在、誰よりも深くLROに囚われてる君は、一番それを感じてるんじゃ無いのかい?
魂の全てを、あの世界に持って行ってる様なものなんだから」
僕の意見か……それを聞いてこの人は何を得たいのだろうか? 何かそれは意味の有ることか? 分からないな凡人にはさ。
でも、僕は思う。誰もが楽しむあの世界。売り出し文句は『夢を叶えれる世界』だ。夢の中で夢を叶える……そんな事に意味はないと言ってた人も居る。
だけど僕が出会った人達は、本当に誰もが自分の夢を目指してた筈だ。日々増えるプレイヤーだって示してる。それを終わりみたいなあの世なんて言ってほしくない。
開発者であるこの人が。だから僕は否定する。その考えを全力で。
「僕は……LROはあの世とは違うと思う。確かに魂があそこには集まってるのかも知れないし、それだけ聞くと確かに誰かが言うあの世なのかもとも考えれる。
けど違うんだ! LROはそうじゃないと言える違いがある!! あの世は終わり……人が最期に行き着く場所。だけどLROは始めてくれる世界……あそこで感じて得た物を、僕達はリアルに持ち帰る事が出来る。
もしも死んだ人間がいつか生まれ変わるのだとしても、その間の何を得られる? 本当のあの世は、僕達に何も残さない……だけどLROは違うんだ!!」
僕の言葉もこのだだっ広い空間に吸い込まれていく。背中しか見せないあの人の反応は正直分かりづらい。顔は知ってるんだし、普通に振り返っても問題なさそうな気がするんだけど、当夜さんはそれを許さない。
こんな感覚的な答えじゃ、天才である彼には幼稚過ぎたかな。論理的じゃないし……てかあの世とかの話には論理なんて無いか。
だって死んだ人の言葉は聞けない……僕達がそれを生きてる時に知るのは不可能な事だ。有る意味、感覚でしか分からない事が天才は苦手とか。
その時、僕をめがけて周りに浮いてる光が集まってきた。
「うわっわっわ……」
何だこれ? 何しやがったんだアイツ。嫌がらせ?
「ははは、LROは終わりじゃなくて始まりか……確かにそんな感じなのかもね。そして君は何を得るために、命を懸けてLROに居続けるんだい?」
「は?」
今更この人は何言ってるんだ? そう思った。散々言い続けてるだろうそれは。そしてアンタに頼まれた事でもあって、自分で決めた事。
「それはセツリを助ける為だ!」
「どうやって? いいや、もうどうしてだよ。どうしてまだ君はそれを言える? あの子は……君を拒絶しただろう」
その瞬間、一つの光の中に見えるのはあの時の光景……腕を払われたあの時……扉の向こうに消えていくその姿……胸に何かがこみ上げる。
「それでも僕は……」
「それでも? あの子は君を捨てた。君の手を払った。求めたのは苦難よりも楽園。君の努力を知ってるのに、最後に選んだのは裏切りだ。
そんなあの子に、どうして君はまだ命を懸けれる? もうそれを望んでる心はどこにも無いと言うのにだ」
「っつ……」
当夜さんの言葉が、見てなかった物を映し出す様だ。誰も望んでなんて無い……そんなの分かってる。セツリにとって、もしかしたらもう本当に、僕は邪魔なだけの存在に成ったのかも知れないって事も。
命を懸ける理由……そんなのはもうとっくに無くなってしまったのかも知れないことも。でも僕は分かってるんだ。
僕は今、勝手に命を懸けてる……誰にも望まれない形でだ。当夜さんがそんな事を言うのも当然か。でもアンタがそれを言うかって気もするんだけどな。
だってこのままじゃ、セツリに待ってるのは死だ。そんなの望んでた筈もないだろう。この人だって。
「そんなの言われなくても分かってる。直接言われたし……だけど、それを言わせたのはセツリだけのせいじゃない。僕が迷ったからだ……それで一気に不安が高まった。
それにアンタにとっては僕の行動は好都合だろ? 何でそんな事を聞く?」
「それは、君が誰にも望まれずに死んで行くとしたら哀れだからだ。それに好都合か……確かに僕の望み的にはそうだけど……あの子が本気で選んだのなら、僕は止めないさ。
選ばせたのは僕なんだから。もう見捨てろよ……あの子が何にも立ち向かわないのはしょうがない事だ。あの子には立ち上がる足が元から無いんだから……そして甘やかして来たのは僕達だ……」
光の向こうで、苦しげな声を出すあの人は痛々しい。甘やかしてきた……だけどそれもしょうがない事だろう。そしてセツリがそれに甘んじるのも……
「あの子は全ては与えられる物と思ってる。動けず歩けないあの子には、それしか無かったからだ。そして僕達にはそれしか出来なかった。
どうしろと言う……ずっと苦しんできたあの子を、それ以上苦しめる様な事が出来る分けない! そしてあの子の為の世界に、あの子を無条件で愛する存在……確かにLROでなら、寂しい思いも、苦しい事も何も無いだろう。
まさに楽園に成ってくれる。それなら……これ以上の苦しみを知らずに逝けるのなら、僕はもう……それでも良いと思うんだ。
あの子は……君の様に強くなんか無い。そしてそれを許して来たのは僕達だ。あの子は、一歩の踏み出し方すら知らない……そんな子が、君の手を取ることはもう無いよ。 辛い現実に、もう一度向かう事なんて……」
冒険の終わりを告げる様な言葉が響く。全ては終わってた? 白の世界が、今の僕には痛々しい。
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