美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

AA 18

地面に刺さってる化石化した触手。私はそこにでかい一発を叩き込む。魔力を圧縮して圧縮して、一つの小さな玉にした。私はこの世界以外の知識がある。アコと共に居たときに、彼女の記憶を覗いてる。その知識は私に生かされてる。彼女が高度な教育を受けていたくれたおかげで、魔王として魔族を率いる立場になってもなんとかやっていけてるって感じだからね。

 私も兄様も貴族とかそんなものじゃなかった。それこそただの平民だ。そして私達が子供の頃はそれはそれはひどい有様だった。食べるものもなくて、草を食べたりさ。そんな中、平民に教育なんて受けさせるだろうか? もちろんそんなのはない。今はそれこそ誰もが教育を受けてる。人種の国もエデンも、次代を担う者たちを育成するために、学校を作ってそしてそこでもお昼には給食が出る。

 実際誰がこんな風になるなんて思っただろうか? 人種はずっとそれこそ何千、何万年という期間を虐げられて生きてきた。自分たちは何時滅んでもおかしくない……ただ誰からも眼中にされてなかったから、ほそぼそと生きて来たんだ。

 それが今や……私も自分が魔王になるなんて……思ってもなかった。そしてこの知識。人種が反映する世界はある。そして彼らの武器は科学だった。たしかに私たちは他の種族に比べてマナが少ない。受け入れることもそうだし、溜め込むこともそうだ。

 圧倒的にそれらが少ないから、どうしようもない。でも他の世界では科学を武器に頂点にたってるじゃないか。そんな科学の一つを参考にしてる。圧縮に圧縮を重ねると、それは更に凶悪な現象を引き起こすらしい。なぜかは流石にしらない。でも限界を超えた圧縮はマナの光を紫にして、紫電の放電を巻き起こす。

「私、魔王ミリアが宣言します。あなた達の世界樹を私たちは認めないと!!」

 圧縮した爪の先の小さな紫電を私は放つ。それが飛んでいって何かにぶつかった。狙ったのは勿論、大地に刺さってる化石化した触手だ。でも奴らも馬鹿ではない。勿論それを護るための用意はしてるだろう。

 そしてそれに私の圧縮したマナはぶつかった。でもそんなのは予想のとおりだ。ぶつかった圧縮したマナはその威力を解き放つ。バチバチと変な音を出して、空気を吸い込んでいく。そして顔くらいのサイズの黒い穴になった。そしてそこにどんどんと周囲のすべてを吸い込んでいく。

「喰らいなさい……コクアを」

 すべてを飲み込む黒い穴『コクア』それによって奴らの守りも勿論その穴へと吸い込まれていく。どれだけ大きくても関係なんて無い。なにせコクアは空間さえねじ切って吸い込むのだ。単純だから簡単そうに終えるが、これは一歩間違えば、術者自身を吸い込んで消滅させる程の魔法だ。だからかなり危ないが、消滅させる対象がたくさんいるのなら遠慮なく使える。

 もしかしたらこの一撃で終わり……かもしれない。

(でも流石にそんな甘くはないか……)

 コクアに向かって大量の触手が吸い込まれていく。そしてなんとコクアが詰まった。そんなやり方は想定外だよ。

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