美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

AA 7

「本当に大丈夫ですか?」

 そんなことを聞いてくるのは皆だ。みんなというのは、まあ皆んなだよね。つまりはヘビとかグルダフとかハゲとか、エデンの重鎮にカタヤとかキララとかそんな皆である。

 そして何をそんなに心配してるかというと、まあ再び私が寝ようとしてるからだね。本当なら私の寝室とか高貴でプライベートな空間だから、こんなに人が押しかけることなんてない。でも今は特別だ。

 なにせみんなが不安なのだ。なにせ私は今日までずっと寝てた(らしい)。だからこそ再び寝たら起きないのでは? という心配がある。さっきまでライブして、そしてキララの赤ちゃんと遊んでたんだけど、その子が寝て、私もなんか疲れがきたのか眠くなった。一週間も寝てたのなら、それだけ寝溜めされてそうだと思うんだが、私の体はまた睡眠を求めてる。

 いや、別に寝なくても大丈夫なんだけどね。私は世界樹と繋がっていて、人種では考えられないくらいのマナをその身に宿してる。魔族とか別に睡眠を必要としないように、マナをたくさん持ってる種族は強力で、寝ることもあんまりない。だから私だって別に毎夜寝る……なんて事はしなくてもいいと思う。

 けど体が求めるよね。夜は寝る時間って思い込みがある。それにずっと寝てたから体だってまだ本調子じゃないってのはあるだろう。別にどこかに問題がある……ってわけじゃないけどね。

「大丈夫でしょ。それに今日はみんなと一緒だしね」

「は、はい!!」

「光栄です! ラーゼ様!!」

「恐悦至極」

「大丈夫ですよ〜みんなで寄り添って寝ますから〜」

 プリムローズの面々がそんなふうにそれぞれいう。年少組はただ私と寝れることを喜んでくれてる。けど年長組はちょっと緊張してる。まあでも私を起こして欲しいとかそんなことじゃない。ただ一緒に寝ることで安心したいだけだ。ここにいる重鎮たちだって別にプリムローズに何かを期待してるわけじゃない。

 ただ何かわからない「安心」を保証したいだけだ。だから二人も肩の力を抜いて、ベッドでいっぱい話してくれたらいい。私のベッドはめっちゃでかい。もちろんキング……いやクイーンサイズ以上と言っていい。

 だから女の子五人で寝ても全然余裕だ。私を中心に周りをプリムローズの面々が囲むようになるだろう。ハーレムだね。いや、私は既にハーレムを実現はしてはいるけどね。

 とりあえず、みんな心配してたけど、私はそんな心配など忘れて、プリムローズのみんなと女子会して楽しく一夜を過ごした。

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