美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H662

「私、アーミュラは面白ければいいってスタンスだと思うんだよね。下手な小細工よりも、自分をどうやったら楽しませるか……それを重要視してそう」

『そうかもな』

 私の意見にズラララバライトも賛同してくれる。実際ちゃんと考えてくれてるのかはわかんない。だって温泉に入ってとても気持ちよさそうだからね。頭使ってなさそうな顔してるよ。いや、ドラゴンだからその顔はあいも変わらず怖いんだが、私たちもそれなりに付き合ってるからね。ドラゴンの表情の変化だってわかるようになってる。

 それにドラゴンやら神やら上の方の奴らは私達とは違うというかめっちゃ素早く考えることが出来るらしい。コンマ何秒かの間に思考を加速してそのコンマ数秒を長く長く伸ばせるっていうね。それか神やドラゴンによってはそれこそ体を動かす思考と考える思考を分けるとか、そういう事をやってるらしい。

 でないと多重に魔法を発動したりできないからね。二桁くらいなら、別に一つの思考で出来るけど、三桁四桁を同時に展開するとなると、一つの思考では限界がある。ズラララバライトも当然そういう事は出来るわけで、気持ちよくなってる思考とは別に私の会話に対応する思考とかきっとやってるんだろう。

 だから気のない返事に聞こえても実際はそんな事はない……ハズだ。たぶんね。

「なにか知らない? あいつの好み」

『我よりもお前のほうが付き合いはあるだろう。それなりに一緒に過ごした筈だ』

 まあそれはそう。ズラララバライトの言う通りに、私とアーミュラは少しの期間共同生活をしてた。私の神としての修行に付き合ってたというか、勝手に強制してきたというか……私のリゾート星を変化させて閉じ込められたからね。それを私の神としての力だけて元に戻す間、一緒に住んでた。

 もろちんずっと一緒だったわけじゃない。アーミュラは自由に出入りできたからね。沢山の神、そして宇宙を取り込んでかなり広大になってるらしいアーミュラの宇宙にはそれこそ問題だって起こるだろうから、定期的にあの時にいなくなってたのは彼女が決定しないと行けない事案でも起こってたんだろう。

 あの時の事を思い出す。

「セクハラ親父だったから、色落としでいけるか……」

『確かに貴様があいつに優れるとしたらそれしか無いかもしれないな』

「え? マジ?」

 冗談だったんだけど……てかズラララバライトは私たちの容姿とか観てたんだ? ドラゴンとは容姿が根本的に違うから美的感覚が違うとおもってたけどね。私の美しさは種族を超えるとは自負してるけど、ズラララバライトには効いてる気がしてなかったんだよね。

 けどこの反応を観るに、実は私のこと可愛いと思ってたの? 私に興味を持ったのも、『なんだこの美しい生物は?』とか思ったのかもしれない。そう思うとなんか気分いい。

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