美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H627

私は今、海を眺めてる。眺めてるというのはちょっと違うかもしれない。湖畔のステージに体を横たえる椅子というか? なんかあるじゃん、海やプールにあるあれに寝そべって、パラソルで日光を遮りつつ気持ちのいい海の風を感じてる。

 そしてその横ではドラクが私の為にその身からドリンクを出してくれる。中身だけじゃないよ。透明なグラス、更に氷が入っててなんかよく分かんない果物が刺さってて、クルッと回った形のストローがささってる。まさに気分は南国だね。

「ちょっと小腹が空いたからデザートも出してよ」

 そんな私の要望にすぐさま答えるドラク。自身の体……モヤの中に触手を入れて、そこからマンゴーのような果物の切り分けられたやつを出してくる。しかもこれもちゃんと既に盛り付けられてる。その一つに既にフォークが刺さってるから、それを取って私は口に運ぶ。ドラクの中にあったというのに、ひんやり冷たいそれはとても美味しい。

「うむ、これは糖度100はあるね」

 とかいうなんとも頭悪そうなことを私はつぶやくよ。実際糖度100がどれくらいの甘さなのかとか知らないし。ただ甘くて美味しいということだ。聖杯を埋め込み、色々とやってる。てかドラクにも星を与えたのだ。ドラクの星は成長が早い。なぜならエネルギーが豊富だからだ。聖杯もドラクに埋め込まれた奴はすぐに溜まって稼働し始めた。

 

 それによって自身のエネルギーが増えて消えて……という一時期不安定な時期があった。なにせ増えたエネルギーも何もかも消失させるからね。それは一瞬で倍増してもどってくるわけだけど、その一瞬が危うい。それに体にどういう負担があるのかとか、そもそもが謎生物であるドラクにはどんな影響が出るのかとか分かんなかった。

 最初はまじで存在消えたから焦ったね。まあその後ちゃんと復活したが……まじで消失はなくなると思ったほうがいい。生物的にはその瞬間、死んでるのかもしれない。イヤまじで。まあ復活できるからいいのかな? とか思ってたが、なんかドラクが辛そうに見えた。あんまり喋れないドラクだし、私のことが大好きだから「頑張る」とかしか言わないから、私が察してあげたよ。

 はてどうしよか? となった時、どこかにやっぱり自身に送れるエネルギーが必要ってことになった。そしてそれに適してのは星なのだ。あんりま聖杯に繋がった物と繋がりが強いと、一緒に消失する可能性があるからね、自身が生み出した空間やらに逃しておくのは意味がないらしい。

 だから星、確かに繋がりはあるが、星はある意味で自立的だからね。何もしなくても星とは成長していくし。全てに置いて術者が手を入れる訳じゃない。それに無限に増えていくエネルギーを逃す道としてもちょうどいいと思った。更には私の力も混ぜれば、私にもドラクが造った星のエネルギーが還元されて一石二鳥である。

 うはうはとはこの事か?

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