美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H624

私はこの宇宙に組み込むための聖杯とは別にもう一セット聖杯を作ってたのだ。実際聖杯はそれこそ、その力というかシステムを受け入れるための器が大切で、いちばん大変なものらしい。この聖杯システムを生み出した彼等がいうにはね。

 勿論、彼等の生み出した聖杯システム……それの深淵を教えててもらうために、こっちは色々と渡してる。流石にただでは……ね。そんなの教えてもらえる訳ない。体で払っても良かったんだけど……流石に神である私にはそんなの要求されなかった。

 なので……許されるかわかんないが、星を一つプレゼントしておいた。どうやら、宇宙ごとに出来る星も違うらしい。そしてそこで生きる微生物とか、生まれる物体とかね。終ぞ自分の宇宙では誕生しないものもあるらしい。

 けどそんな物を運ぶ存在がいる。勘がいい人は気づいたかもしれない……そう『ヌーベ』である。あれは宇宙に生まれ。そして宇宙を流れてる。色んな宇宙の星や物体を飲み込んで、侵食して、更に宇宙を渡る。

 それによってその宇宙ではあり得なかったことを持ち込むことがある。不本意だけど、あのヌーベと言う宇宙の糞みたなのが、宇宙の変化に一役買ってるらしい。けどアレは基本的には来てほしくないやつなのは確かだ。

 だから安全に神から譲渡されるならそれに越したことはない。ということで星を送っておいた。星をプレゼントにするなんて、はっきり言えば私がしてほしかったよね。最初に。だって私くらいの美少女ならもうそこらの宝石とか? 金とか? 飽きたというか? そんなのは当然じゃん。けど流石に星をプレゼントされたことはない。スケールがもう違う。

 なので自分でやっておいてなんだが、ちょっと憧れるよね。「ほらよ」とか言われて星をもらってみたい。いや、神ともなれば……宇宙か? 私の宇宙があれば、私は正真正銘の神と……いや女神と名乗れるだろう。

 いまはなんちゃって神だからね。まあけど聖杯システムが上手く稼働したら、そこらの正当な神よりはエネルギーで勝てると思う。

『超常』と『無限』と『空虚』の聖杯を私はドラクに埋め込むよ。まあそもそもが黒い渦というかモヤみたいなものだからね。ただ中に手を突っ込んで三つの聖杯を置くわけだ。そしてドラクを内側からいじる。

 私一人ではこの術式を組むことは出来なかっただろう。聖杯システムを作った優秀な人達と、そしてズラララバライトの長い年月の蓄積があったからこそだ。ほぼ私は言われたとおりに術式を組んだだけにすぎない。

 いやだって、あいつら何を言ってるのかほぼわかんないもん。イヤまじで……レベルが高すぎる。そもそもなんで私が組むのか……めっちゃ大変だった。

 まともな教育? とか受けてない私には無理があるよね。私感覚でなんとなくやる派なんだよ。まあ勿論、聖杯システムなんていう宇宙規模の術式はそれじゃあだめなんだけどね。この宇宙に仕掛ける聖杯システムはアクトパラストとゼンマイが仕掛けるが、そもそもが私達は宇宙に仕掛ける聖杯システムに仕掛けを施してる。宇宙自体を維持れるのはやっぱりあの二人なんだよね。私は結局その他と言うか?

 その仕掛けはこのドラクに仕掛ける聖杯システムにリンクしてる。ふふ……宇宙の増えるエネルギーをかすめ取るための仕掛けである。問題はドラクがそれに耐えられるかってことだった。でも空虚が鍵の聖杯システムの超常を更に拡張させることで解決した。

 私は神の権限で宇宙の超常の権能をドラクに与える。勿論ちゃんとアクトパラストとゼンマイに許可をもらった。神には特権がある。それこそ勇者や魔王を作るように……彼等に特別な力を与える権利というか、気まぐれ? ようは神の寵愛というものだね。地上では神の使徒とか呼ばれたりもするかもしれない。そんな神に認められた証、愛された証……それが『権能』だ。

 それをドラクに与えることで、ドラクに超常の特性を与えるのだ。

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