美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H623

はてさて、それぞれにちゃんと注意事項を伝えておいた。聖杯システムは三つの聖杯がその役割を果たすことで創造と増幅と、そして消失を繰り返す。宇宙のエネルギーが消失して、そして増える事に、タイムラグはほぼ無い。

 満たすときにはとても時間がかかるのに、再び満たすときには時間はかからない。不思議だね。それにその時は倍のエネルギーがあるのにね。いやだからなのかな? それに集める仕組みが違うしね。

 でも消失する時、実際私たちのエネルギーもなくなるわけだからね。本当に一瞬だけど、その時は神であるアクトパラストとゼンマイも実は雑魚になる。

(倒すとしたらその時になるよね)

 実際、今のところ倒す予定もないが、そのやり方くらいはあったほうがいい。けど問題もある。その時は私も雑魚になってるということだ。そして元の種族的に私のほうが弱い。私は結局の所、力がなくなったらただの女の子だからね。でもアクトパラストやゼンマイは力がなくなったとして種族的に頑丈そうじゃん。

 まあだから色々と準備が必要だ。それとやっぱり裏技的な事じゃなく、正面からいつか対立してもいいようにはしていたい。だから私の力が二人に匹敵するか、それを超えるくらいに保有しないといけない。

(けど私は結局二人とは下に位置してるからね……この宇宙の枠組の中では超えられなんだよね)

 ようは奴等のテリトリーで奴等に管理されてる中で力を蓄えてる状態だからね。結局その宇宙で神にまで到達したって、その宇宙の神には敵わないように、私はこの宇宙を作った一人ではあるが、その要素はとても小さい。だから大部分を担当してるアクトパラストとゼンマイには及ばないのだ。

 聖杯システムで大きくなっていく宇宙のエネルギーの取り分だって私は小さいからね。まあそこはわざとなんだけどね。だって私が同じようにエネルギーを要求しても通るわけ無いじゃん。二人に反対されるだろう。だから予め……というか殊勝な態度を見せていたというわけだ。

 

 いい女は男を立てる? まあアイツラに男や女の概念があるのかは知らないけど……男を立てる女がいい女だと思ってアイツ等は私が自分の立場ってやつを理解してると思っただろう。別にこの宇宙の中で好き勝手にやってるし、この立場もそう悪いものではもない。だから不満もないと思ってるのかもしれない。

 けど結局、今の立場は首輪をつけられてるのと変わらない。私はね……誰にも縛られたくなんて無いんだよ。

「さあ、ドラク準備はいい?」

 ドラクはドラゴンじゃいないらしいが……なかなかに謎生物だからね。普通ではないのは確かだ。なんか生み出されてしまった謎の生物なんだけど、まあズラララバライト曰く使えるみたいだからね。なら、使おう。謎な部分なんて気にしなければいいのだ。

 そしてドラクにはそれこそ謎だからこそ確定してない要素が多い。色々と受け入れる余剰がある。それこそ、果てしないエネルギーだってね。だからこそ聖杯だって受け入れられるよね。だって私は聖杯がワンセットしか無いなんて言ってないもん!!

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