美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H618

「というわけで、これを実装しよう!!」

 そう言って私はアクトパラスとゼンマイに聖杯システムのプレゼンをするよ。私の家に二人を招いておもてなししてやる。とりあえずお茶菓子とお茶をぱぱっとだす。まあ全く手につけてないが……そもそもがコイツ等もとからマナだけで生きてきた奴等だった。

 つまんない奴等である。私のようにこの神の空間をオシャレにしようとかいう気持ちもないもんね。相変わらず二人のこの空間はまっさらだもんね。それで何も困らないから別にいいらしい。まあね。別に神にも食事とか必要じゃない。何もしなくても自身が作り上げた星からエネルギーが供給されるからね。省エネで生きてたら、神の元から持ってる膨大な力がなくなるなんて無いからね。

「それをして、大丈夫なのか? そんな都合のいい……」

「何を言ってる。宇宙のエネルギーがどんどん増えるんだぞ? やらない手はない!!」

 ゼンマイのやつはやっぱりだけどうまい話すぎて吟味したいらしい。けどアクトパラスのやつは乗り気だ。まあ思ってたとおりだね。けど結局はこの二人の発言力の差はゼンマイのほうが強いんだよね。なにせコイツラともそこそこ長い付き合いである。力関係くらいはわかってる。いや普段はアクトパラスは好き勝手してる。暴れるのは大体アクトパラスだ。

 でも方針とか決めるのは決まってゼンマイで、それに対してアクトパラスが反対したことはない。だからいくらアクトパラスがノリノリでも、最終的にはゼンマイを納得させる必要がある。でもアクトパラスもコッチ側につけてて損はない。二人が反対したら面倒だからね。てか二人が結束されたら部外者の私はどうしようもない。

「ズラララバライト殿の意見は?」

 そう言って試験管みたいな頭に大量に浮かぶ一部の目が扉の方へと向かうゼンマイ。ズラララバライトは人間形態で出入り口のドアに何故か寄りかかってる。「逃さない」って言いたいわけじゃ別にないよ。私があそこに立ってて……って言ったわけでもない。本当だよ? 

「我らドラゴンは宇宙の成長に口をだすことはない。それは神の領分だ」

「なら、納得してると?」

「好きにすればいい」

 なにやら私とズラララバライトの関係をゼンマイは疑ってるみたいだね。まあ実際、アクトパラスとゼンマイよりも私のほうがズラララバライトと一緒にいるからね。むしろ二人はズラララバライトを避けてる所ある。

 まあ気持ちはわかる。だって神になって頂点になったと思ったら、更に強いドラゴン共が湧いてくるわけだよ? そしてズラララバライトはそのドラゴンの中でも頂点近くだ。気持ち的に、馴れ馴れしくは出来ないよね。

 そんな二人に比べて、私は別に強さにプライドなんてものはない。むしろズラララバライトを使える――と思ってるからね。そして実際に使えたのだ。そしてズラララバライトはそんな扱いも許してる。ようは私たちはwin-winなんだよね。なのでズラララバライトはこっちがわ。

 ふふ、ズラララバライトになにか聞こうとしても無駄だよ。

「美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く