美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H617

まずは自分の星で検証してみないとね。そして、アクトパラスとゼンマイを上手くだま――ではなくて、説得して聖杯システムをこの宇宙にも実装したいところである。勿論、メリットしか奴等には伝えないし、確かに宇宙全体のエネルギーが増えるんだし、メリットは有る。まあただ、ちょんと私の取り分がでかいだけだ。

 そういう裏窓をね……アクトパラスの奴は気づかないだろう。あいつは脳筋だからね。けどゼンマイは知的な感じを匂わせてる。てかブレーン的な立ち位置だからね。あいつをどうやって騙すか……これがなし得たら、私の力も一気に高まる。それこそ、神と胸張れるくらいにはなる。私は結局、この宇宙で神的な位置に居るが、完全にそうなのかと言われると、そこまで行ってないからね。なにせ結局はアクトパラスとゼンマイの力でやってるのだ。

 ゼルの力もなくなった私は、そもそもが一生物レベルの力しか無い。いや流石に今は自分が育ててる星の力が流れてきてるから、一生物レベルではないとは思うが……神足りてるか……と言われるとそうじゃないのは確かだ。けど……聖杯システムがこの宇宙でも実装できれば……まあそれを普通に実装すると、ただたんにアクトパラスとゼンマイの力が飛躍的に伸びることになる。

 それは困る。まあでもそれはアクトパラスとゼンマイもわかってるよね。私がただ単に二人に従ってる訳じゃないって事。だからこそ、難しい。本当ならこっそりと聖杯システムをこの宇宙に組み込みたい。そしてその恩恵をこっそりと自分だけが独占できれば……めっちゃ凄いことになる。

 なにせどんどんエネルギーが増えるからね。私だけがそのエネルギーを独占できれば、そのうちデコピンで二人をぶっ倒せるくらいになるかもしれない。そのくらいの可能性はある。でも流石にバレないなんてありえない。

「なんか最近めっちゃエネルギーが増えてるな」

「確かに」

 とか絶対に感じる。むしろ感じないわけない。だって倍乗的にエネルギーが増えるんだよ? 気づかないわけがない。そしてそれが全部私に行ってたら……すぐにでもぶっ殺しに来るよ。それは困る。なにせいきなりあの二人を超えられるわけじゃない。二人だって宇宙を、星を作って育てて、成長してるからね。

 それに私が作れる星の数と、奴等が作れる星の数は桁がそれこそ違う。だからこそ成長した星から得れるエネルギーだって当然差が出る。星が増えていくと、それだけ差が出てくるんだよね。私は少数精鋭だが……圧倒的な数の違いは少数精鋭なんて言ってらんない違いになる。

 比率で言えば、私の方が一つ一つの星の質? は高いと自負してるよ。なにせアクトパラスもゼンマイも、膨大な星を一気に作ってるから、生命が誕生してない星だって無数にある。そしてずっと原始人的な星だっていっぱいだ。でもそれでも圧倒的な数で押されるのだ。結局の所、その星で生成できるエネルギーには上限がね……あるわけだ。

 星が抱えられる生命体には限界があるからね。だからこその裏技的な聖杯システム。でもそれでもアクトパラスとゼンマイに分け与えることで、向こうも強化させてしまうが……それでも私の力は飛躍的に高まるからね。

 是非とも実装したい。

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