美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H616

「貴様が元いた宇宙に干渉すると厄介なことになるぞ」

「それは……やっぱり神的にってことだよね?」

「そうなるな」

 元の世界というか、最初に私が目覚めたあの場所にも神はいる。当然だけどね。でも見たことはない。そもそもが神って姿を見せないものらしいけどね。でもドラゴンの方って既に……ね。あの宇宙のドラゴンってゼルだったと思うんだ。てかその宇宙にドラゴンは基本一体なんだし、そうだよね。

「ドラゴンの方はどうにかなるんだけど……」

 ゼルとは魂までを分かち合った仲だからね。まあ既にそのつながり、消えてるけど。でも戻るとは約束してるし、多分大丈夫。でもそうなると……問題はやっぱり神。てか本当に居る? ゼルはその神様よりも私気に入ってたよ? でもズラララバライトの例もあるからね。

(もしかして私ってドラゴンに好かれやすい?)

 その可能性ある。ゼルにズラララバライト……既に二体のドラゴンをメロメロにしてしまってる。

「メロメロになどなってないぞ」

「などと言い訳を宣っており……」

「お前な……」

「いやいや、だって誰がどう見たって……ね。少なくもアクトパラスやゼンマイはそう思ってるよ」

「アイツ等め……後で締めるか」

 やってくれると助かるが……私ではひっくり返っても今のアクトパラスとゼンマイに勝てないからね。てかそれも問題である。時間を戻したところで、既に神へと至ってる二人は今の強さであり、神である。時間という概念に縛られてない二人には結局負けるじゃん。

 前は時間を戻してあの頃に戻って、ミスさえしなければ、私たちがあの星で勝つ時間軸に行けると思ってた。けど神やドラゴン……そして宇宙というものを知るに連れてそうではないとわかってしまった。

 このままタイムディスケーションを発動させても、未来は変わらないのだ。少なくとも、神へと至ってるアクトパラスとゼンマイに勝てないと駄目だ。ズラララバライトがこのまま力を貸したくれたら……私はチラチラと上目遣いで見てみるよ。

「なんだそれは気持ち悪い」

「ひどい!! 宇宙一の美少女が上目遣いしてるんたよ!!」

 普通は見惚れるものでしょうが!! まあツンデレということしておいてやろう。ズラララバライトはなんやかんや私のこと助けてくれてるし。

「とりあえずもしもそのタイムなんとかを発動させるとなると、隣り合った宇宙が交わることになる。事前に向こうの神と話しておいたほうがいいぞ。そうでなくては宇宙を巡って神どうしの戦いが起こる」

「それはわかって――ん?」

 待てよ、神どうしの戦い? それって対象は誰であろうか? ふとそう思った。だって私は確かにこの宇宙の神の一人ではあるが……メインではない。メインはアクトパラスとゼンマイだ。なら……向こうの神と戦うのはアクトパラスとゼンマイじゃね? それはそれは……とても都合がいい。

 私は悪い顔をするよ。勿論、そんな顔も可愛いんだけどね!!

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