美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H611

「えっと……ここからどうやって帰ればいいの?」

 得たいものは得れた。ならもうこんな場所に要はない。こんな何もない……ね。てかこいつはここで何をやってるんだろうか? よくよく考えたらそれは謎だね。だって本当にここにはこのドラゴンが居る以外で何もない。てか……普段ドラゴンって何をやってるのか。古龍という存在は普段は宇宙の中心でなにやら抑えてるらしい。

 中心はとても危険な最中らしいからね。でもそれが出来るのは古龍というドラゴンの中でも最強の存在達だけだ。それぞれの宇宙にドラゴンがいて、中心があって、それからどれだけの宇宙が広がってるのかなんて、私には全く想像できないわけだけど、宇宙の数だけ、いやそれ以上にドラゴンはいたっておかしくない。

 でもドラゴンって基本、星の生育とかに関わってない。なにせどっちかというと神が星や宇宙を成長させて、ドラゴンはというと外敵から守る役割だからだ。まあいつも宇宙の端っこにいて、様子を見守ってるのなら、それは自身の仕事をやってる……っていえるだろう。

 けど……本当にそんな勤勉なドラゴンいる? 私はこれまでいくつも宇宙を通ってきた。もしもドラゴンがちゃんと仕事してて、外敵から自身の宇宙を守る気があるのなら、そのたびに出てこいなとおかしくない? 

 なにせ宇宙は広い。そんな頻繁に攻められても無い限り、結構暇でしょ。まあ広いからドラゴンだって移動に時間がかかっていちいち相手にしてらんねえ。とかかもしれないけど。でも自分で出向かないと来ないって……ね。てか今までの宇宙でも大体そうだったし、ドラゴンが仕事してるなんて思えない。

 私一人だったら意気揚々と来たのかもしれないが、ズラララバライトがいたからかな? まあそれでも大義名分的には向こうにあるわけだから、忠告くらいしてもおかしくないと思うが。てかそのくらいはすべきである。

 だって神はわざわざ自分が独占できるエネルギーをドラゴンに分けてるんだよ? それで仕事しなかったら、ただのニートじゃん。

「何も知らないやつだな。帰りたい場所を浮かべて、力に示せ。神なら反応するだろう」

 神なら……ね。私は神か……まあ神だと思おう。それで帰れるのなら簡単だしね。簡単だからちょっと余裕が出てきた。帰るついでになにやってるのか聞いておきたいなって思った。

「そういえば、こんなところでなにやってるの?」

「貴様に教える必要はない」

「まあそれはそうだけど……」

 私は頬を膨らませて抗議をするよ。けどどこ吹く風だね。私にどうやらもう興味なくなったらしい。ふむ……まあ後ろにズラララバライトがいると言っても調子に乗ると怖いからさっさと帰ろう。

 私はこのドラゴンが言ったように自身の力を示してみた。するとなんか進み出した。いや、後ろに行ってる? 分かんない。上下の感覚がない。そしてなんか宇宙に排出された。

「ここ……でいいの?」

 宇宙なんて見た目変わんないからもとの宇宙に帰ってこれたのか正直わかんないんだけど?

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