美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H601

ヌーベは狙いを定めた一機を必要に狙ってる。それってつまりはその一機が通るルートには必ずヌーベが通るっていうことだと思う。どうやら彼らは密に連絡を取り合ってヌーベを罠にはめようとしてると思う。

 ヌーベを完全にめっせない原因はその分裂性だ。奴はどれだにでも分裂して自身を残せる。そして攻撃だって、それで穴が空いたってやつにはダメージにはなってない。確かに大きな体自体からはその分のエネルギーが減ってるが、それだけだ。奴はそんなことは全く気にしてない。

(そうだ……せっかく出し、ヌーベの因子ってやつも探っておこう)

 どうやら全ての宇宙にはヌーベの因子があるらしい。それによってヌーベはどの宇宙にもいつかは出現してしまうということだ。癌なのかな? なんかそんなイメージだね。因子を確認するすべは前の宇宙で学んだ。なにせ怒られたからね。

 けどあれは自分の因子だったからわかりやすかったというのもある。私自身にシンクロしてたしね。けど私はあんな宇宙の糞とは全くもって関わりなんて当然ない。だって私は言うなれば宇宙の宝石だが、あっちは宇宙の糞だからね。

 かかわりがあるわけない。

(龍眼は便利だね)

 なかなかにわかってきたよ。観てるだけで様々な情報が感じれるってなんか全能感が出てくるね。これはドラゴンたちが傲慢になるのもわかる。まあけどこの龍眼はドラゴンの中でも性能高いらしいが……普通のドラゴンはどのレベルなのだろうか? この宇宙のドラゴンでも出てきてくれればこの龍眼で確認できそうな気もするが……

 そんなことを思ってると、なんかうまく首に結界がハマった。いや、勿論偶然じゃない。彼らはそれを計算してた。きっとルートも決めてそこに予め結界の罠を張っておいたんだろう。ヌーベは気づいてたかわかんないが、それでもあいつはそこを通る。なにせ追いかけてるんだからね。自分が追いかけてるやつが通るところをずっと通ってきてる……わかり易すぎたんだね。まあそれでもそんなに長く拘束はできないだろう。

 だっていままでもあの小さな結界で拘束できた時間はほんの数秒くらいだった。でもなんかヌーベはやけにジタバタしてる。

「なんか、結界自体が変わってる?」

「気づいたか? ヌーベと言っても、それぞれ取り込んできた力や様々なものによって個性はある。その個性、個体ごとの特性に合わせてチューニングしたらしい」

 なるほど、何回もやつのデータを取ることで結界自体を最適化してたらしい。それによって首輪くらいの大きさの結界で、やつの全身を覆ってなくても動けなくなってるし、それにあの結界にはヌーベの分裂を阻む術式が組み込まれてた。それもあのヌーベにより効くようにチューニングされたらしいね。

 抜け出せそうにない。

「でも彼らには最後の一手が足りない」

「それも対応済みのようだ」

 

 私がそうつぶやいてると、なんかヌーベが捕まってる頭上の宇宙が渦巻いて、そこからなんだが丸い玉とその中心に輪っかがついたものが現れた。そしてそれはまばゆいほどの光を収束させて、次の瞬間それをはなった。

 私にはわかった。あれはとんでもないエネルギーを内包した兵器だ。それこそ星だって一撃で破壊できるくらいの……ね。

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