美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H600

龍眼という目は私にはまだ早かったらしい。いや、まだ……というよりも種族的に? 私はドラゴンではないからね。どうやら龍眼というのはいろんな情報をその目から取得するらしい。いや、それは普通の私達の目だってやってる。

 なにせ私達の情報量の八割くらいはこの目から得てるだろう。でも龍眼はそういうんじゃない。私たちは結局は見た目しか視界では判断できないじゃん。まあ勿論、魔法的に目をアップグレードすることで、色々とわかるようになるけどさ……龍眼はもとからその状態ということた。

 いや、それよりも性能もいい。なんかもう、なんでも見える感じ。なんでも分かる感じだ。観ただけで、星の情報とか成熟具合とか、なんか色々とわかる。

(でもこれって、便利だけど、つまんないことでもあるよね)

 なにせ全部が事前にわかるんだからね。わかんないから未来に期待するって私たちはあるわけだけど、ドラゴンにはそんなのあるんだろうか? だってこんな龍眼があるんだよ? 自分を見たら、自分の可能性、全部見えるんじゃない?

「この目……便利だけど、残酷でもあるんじゃない? なんでもかんでもしれたら可能性なんて持てないじゃん」

「たしかにそれはあるな。だが、たまに見えないこともある。それに龍眼が全てをみせても、その先の可能性に辿り着ける者も居る。いや、そうでなければ、ドラゴンとしては生きていけないからな」

 ドラゴンに生まれれば、それでもう勝ち……ってわけでもなくて、熾烈なドラゴン同士の競争があるんだろうね。まあけどそれでも他の生物に対してはめっちゃ有利だし……ドラゴンがずるいことに変わりはない。

「なんかこの目、私の力を勝手に使おうとしてくるんだけど……」

 しかも燃費悪い。きっとズラララバライトの龍眼だからハイスペックすぎるんだろう。龍眼だけで、私の力の殆どを持っていこうとしてるよ。私は極力力を縛って龍眼の最低限の力くらいで片目を開いた。

 これね、両目で使うと更に力使うからね。

「私にはこれくらいがちょうどいいね」

 なんか素早く飛び回ってたヌーベと彼らが遅く見えて、更に何故に罠にかかったとき、ヌーベが一瞬拘束されるのか、その原因が見えた。どうやら罠にかかったとき、罠のほうがヌーベに干渉して分裂を阻止してるみたいだね。

 そういう術式がくんであるみたいだ。分裂しまくって滅ぼすのが困難なのがヌーベだからね。その分裂を阻止できる術は既に彼らはあるみたいだ。ならそれを全身に施せれば、どでかい一発を放てれば、ヌーベを滅ぼすことも……可能かもしれないね。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品