美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H597

「今の翼は六千八回目の翼でだな。色々とこだわりが詰まっててな――」

 なんかズラララバライトが語りだした。てかそんなに翼って変わるんだ。普通に6千とかいってるからね。まあ実際のところ、ズラララバライトは途方もない時間を生きてるわけで、その中で6千くらいはもしかしたら少ないのかもしれない。そんなことを話してる私達とは違って、ヌーベと戦ってる人たちはたいへんそうである。

 なんかヌーベは動き出して、一機を執拗に追うようになってる。そしてブレスはコンパクトにしてきてる。なんか学習してるね。そういう頭があるの? 流石に一機に集中されるとまずい。今までは一気に殲滅する技を出してて、隙きも大きかったわけだけど、今は……まあ今も隙きはある。なにせその一機を追いかけてる間は他の機体が攻撃し放題だ。

 でも、それでも一機ずつ確実に潰されていくのは問題だと思う。だって一機を執拗に追われると、流石に機動力が高い彼らの機体も、逃げ切れないみたいだ。なにせ他の機体の攻撃にも見向きもせずに、狙いを定めた一機だけを狙って、その口の中に最終的に収めてる。

 私達がどうでもいいことを話してるうちに、2機が犠牲になってるよ。それでも彼らは動揺はしてない。たぶんね。動きに変化はないからね。もしかしたら脱出機構があって、中の人は無事なのかもしれない。そこら辺は良くわかんないけど……でも流石にこのままではやばいだろう。そもそもがそんなに攻撃が通じてるように見えないしね。

 もう一度あの結界みたいなのに閉じ込めることができれば……でも今はヌーベは動いてる。結界で全身を捕まえるのは大変だろう。でもきっとやりようはあるんだと思う。それがないのなら、流石に撤退とかするのでは?

 ヌーベは咀嚼すると再び動き出す。狙いを定めたやつに対して一目散に迫る。これではまた同じことが起こる。それを回避するためにも、なにかしないといけない。けど見てる限り、さっきの繰り返しのよう……

 なにせ普通の攻撃なんていくらやってもヌーベには効果が薄い。確かにそれなりにその体を削って入る。けどそれをヌーベは気にしてない。そもそもが体を分裂できるやつである。削られたところでってことなんだろう。

 それでもエネルギーとしては多少は削がれてるはずだけど、その程度削られても、彼らを倒すことは出来ると判断してるんだろう。

「これは助けたほうがいいのかな?」

 まあ出るのは私じゃなくて、ズラララバライトなんですけどね!!

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