美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H593

「なんか小さくなってきた?」

「体を飛ばしまくってるからな」

 どうやらヌーベはあんまり攻撃のバリエーションが多くはないらしい。侵食がメインだから奪うということしか頭にないっていうか……そんな感じだね。きっと頭的なものないよねあれ。だってあるんならあんなどんどん自分の体を切り売りするような事するだろうか? いや、ヌーベ的には自分の分裂体はいくらあってもいいのか。

「ヌーベはここで勝つとかそういうことは考えてない?」

「あいつは宇宙に存在し続ければそれでいいからな」

「そのかつての古龍はあれをどう言うつもりで残したの?」

「それは謎だ。あれを残したやつも、かつては宇宙の中心を一緒に押さえてたが、ある時その身を犠牲にしてあれを生み出して消えた。その意図はわからんな」

「実はズラララバライトはその古龍と仲良かったりしたの?」

「ふん……どうだろうな」

 これは図星のやつだろう。てかそいつが一番仲良かったから、今では友達いないんじゃない? 一番の親友がいなくなった。しかも自分にも何も言わずに……それがちょっとしたトラウマに……とかならちょっと可愛いところもあるじゃんって思うけど。

 なにせもう数えることもできないくらいの時間を生きてきたはずだからね。古龍ともなるとさ。そんな奴でもそんなことに思い悩むんだってね。

「でもヌーベがここで戦うことに意味なんて見出してなくて、生き残るために分裂ばっかりしてるって言うなら、すでに彼ら的にはまずくない?」

「まずいな。戦いに意味なんてないからな」

 てもこのヌーベとかいう宇宙の糞というかかつての古龍の残した糞は糞だけにクソ厄介だ。だってこうやって戦ってる最中にどんどんと自分のかけらを撒き散らしてる。どんどんと小さくなって、ここでは倒しやすくなってる。

 けどそれにはなんの意味もないっていうね。でもそれを彼らが考えてないなんてことはないとおもう。だって彼はここまで高度な文明を作り出してるんだよ? それなのにこんな居所的な戦闘だけを考えてるなんてことがあるだろうか? 流石にないと思う。

「あれを倒すことに意味はあるんだよね?」

「育ちしすぎたヌーベは宇宙を食い尽くすからな。そうなると手に負えなくなる。ヌーベによって自身の宇宙をなくした神やドラゴンは多いぞ」

「なるほど……」

 それならこうやって分裂を促して小さくする意味はあるんだね。てかそもそもが完全に排除するにはすべての宇宙からヌーベを根絶しないといけないよね? 話を聞いてる限り。けどそれは無理だ。だから小さくして、宇宙を守ることを重視してるのもしれない。無理をしたって、再びヌーベはどこかで育つ。なら、分裂を促して宇宙が侵食されないようにすることが大事なのかも。

 けどこの宇宙にたくさんのヌーベの破片が撒き散らされたままなのも不安だと思うが? でもある程度の大きさになったら今見えるヌーベを完全消滅するために彼らは動き出した。どうやら自分たちが対処できる大きさまで分裂をうながしてたみたいだ。

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