美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H586

「消失したエネルギーは実は消失して無くて宇宙の中心へと流れて言ってるってのがズラララバライトの見解だったよね? それがストックになってるのなら、消失して、宇宙の許容量が上がってそれをみたすために更に大きなエネルギーが流れ込んでくるってなら、そのエネルギーはやっぱり中心から引っ張ってきてる?」

 だって考えてみたら、その消失ってどれだけの分が消失してるのって感じじゃ無い? 流石に宇宙全てのエネルギーが一気に消失してるわけじゃ無いよね? そうなるとこの宇宙崩壊しないかな? でもそんなことにはなってない。きっとこの消失の対象は聖杯が生み出してるエネルギーだけなんだと思う。

 でもそのエネルギーが創造と増幅と消失を繰り返していくことで、膨大になってる。本当ならエネルギーは星を作り、育んで生命が生まれないと増えない。本当の意味では……ね。だから実際、聖杯システムで増えてるエネルギーは純粋に増えてるんじゃなく。どこかから持ってきてるエネルギーとなるのは自然だと思う。

 まあそれによって宇宙自体のエネルギーの許容量が上がってる……のが凄い事なんだろう。後は労せずにエネルギーをもってこれる。でも常に消失させてるから、実際はどうなんだろうね。そこはプラマイゼロなのかな?

(いやいや、プラマイゼロなら、このシステムの意味が無いよね)

 生み出して増えて消えているわけだけど、その中間できっと利用するためのシステムだってあるだろう。実はそこが一番核の技術だから、この聖杯のシステム自体は教えても全然構わないとか? それならこんなに簡単に部外者である私達にシステムを喋ることにも納得できる。だって普通は絶対に言わないでしょこんなの。

「そうだろうな。気づくことは無かった。宇宙の中心は常に膨れてるからな。一つ分の宇宙のエネルギーなど、中心にとっては微々たる物だ」

「影響は無いって事?」

「そうだな」

 なるほど……別に宇宙の中心からエネルギーをかすめとったとしても、古竜達が激おこプンプンして攻めてくることは無いんだ。それは良いことを聞いた。てか彼もほっとしてる。実際仮説として宇宙の中心のエネルギーをもってきてるんでは? ってのはあったんだろう。もしかしたらいつか位の高いドラゴンがやってくるかも……とかの想定はしてたのかもしれない。

 だからこそ、私達にこれだけ誠実に対応してるのかもしれない。私達の事、宇宙の中心の使者だとでも思ってるのかもね。ズラララバライトの事、古竜って言ったし。古竜は元来、宇宙の中心に居るからね。

 その程度の情報、神と接触してたこの人達なら知ってるだろう。

「どんどんとエネルギーを増やし続けて、貴方たちはどうするつもりなんですか?」

 私は一番単純な目的を彼らに聞いてみることにしたよ。実際、こんなシステムはなかなかに一つの生命体には過剰というか……まあ別の宇宙のことに口出しする権利なんて無いんだけど……これは好奇心だよ。別に邪魔する気は無い。単純な興味だから大目に見て欲しい。

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