美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H565

カフェでお茶をするのもいいが、色々と観たいから……と言う私の希望を聞いてくれて彼はこの町を……というか、この建造物を案内してくれる。街中には車というか、そういう感じの乗物がある。流線型のボディのそれは地面から数センチ浮いて整備されてる道路を進んでる。でも地面だけじゃなく、数メートル上でも進んでる。なんか透明な道路が敷かれてるのかな? かなり立体的な構造になってるね。

 この建造物はかなり大きくて、星でも無いのに空があるが、星よりはやっぱり小さいし、街に出来る範囲も限られてるから、よこにひろげるよりも縦の方がきっと良いんだろうね。街だって未来的な建物と、なんかオールド的な建物が混ざってる。オールドというか、金属的な建物と自然的な建物って感じだけど……そのアンバランス差もなかなかに良い。不満があるとすれば、皆さん殆ど同じ格好をしてるって事だ。

 皆黒くてぴっちりとしたスーツを着てる。皆利便性だけを求めてるのだろうか? 本当になんでそこだけおしゃれじゃ無いのか……本当に不思議だ。だからだろうね。皆私に注目してる。私は最近、力で服くらいなら創造できる。だからさっきまでの簡素なワンピースは止めて、もっと可愛い、フルリの上着に、丈の短いスカートに、ヒールを履いてこの街を闊歩してる。私がファッションリーダーになってあげようと言うことだ。

 事実、皆さんめっちゃ観てる。そしてその顔は皆さん赤くなって呆けてる。上品さを選んで、服を作ったから、刺激やエロさはそこまででもないと思うけど、私ほどの美少女ならこの脚だけでもエロさは十分だろう。なにせめっちゃ綺麗だし。自分でいうのもなんだけど、私の脚は美脚である。まあ私の体のパーツには全て美という文字が付いてしまうんだけどね。

「あの乗物は、運転手とかはいないんですか?」

「運転する必要は無いですからね。寧ろ誰かが好き勝手に運転する方が危ないですから、全て自動運転です。目的地を指定すれば、流れに乗って其処までたどり着くことが出来ます」

 この町でみかける自動車? とよべるそれらは自動運転みたいだ。なんか前からみても運転してる人いないなーと思ったんだよね。まあけど、確かに人が好き勝手に運転するよりも、全てが自動運転の方が事故とか起らなそうだよね。

 他人の行動が読めないから事故とかが起こりえるんだもんね。それらが全てわかってるのなら……わかってるのかな?

「それじゃ、あの乗物は他の乗物の情報とか共有してるんですか?」

「その通りです。流石ですねラーゼ様。情報はリアルタイムで共有されて万が一など起りません。乗ってみますか?」

「うーんけどまだ街を歩きたいかも」

「そうですか」

 その内アレにも乗りたいが、歩いて見て回るのもまだまだ面白いからね。なにせ全く別の宇宙の進んだ文明なのだ。きっと私の想像以上の物がそこかしこにあったりするんでは無いだろうか? 彼らにとっては当たり前でも、私にとっては凄い事って一杯ありそうじゃん。そう言うのを私は所望してる。

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