美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H563

私は今、お茶を飲んでる。お茶だよお茶! なんと文明的だろうか? てかいつぶりだろうか?  しかも目の前にはお茶だけじゃ無く、プリンまで……透明な容器に入ってるプリンである。私的にはお皿にぷるぷるしてるプリンが好きだが、まあ贅沢は言うまい。お茶もお茶っていってるが、ティーカップに入ってる奴じゃ無い。ペットボトルみたいな物だ。

 てかカフェはめっちゃおしゃれなんだけど、食べ物とか飲み物が全部コンビニ的な容器に入ってるんだよね。凄いギャップを感じる。それに店員さんの制服もさ……最初に私達と対峙した奴等と同じなんですけど!? 納得できない。一応顔は見えてるけどね。

 顔は普通の人に近い。色んな宇宙から魂の強い人達を集めてるはずだから、種族だってバラバラ……だと思ったんだけど、どうやらこの宇宙に転生させて連れてきてるみたいな? 感じなのかもしれない。最初の世代はそれこそそのまま放り出したのかもしれないって名残はある。なんかちょっと目が黒目で埋まってたり、少し鱗が見えてる人とかもいるみたいだけど、基本的に普通の人間タイプだね。

 変な形をしてる人はいないみたいだ。でもだからこそ……だよね。

(かわいい子もいるんだからおしゃれしないと!!)

 このカフェも内装とかはとても凝ってる。植物や花で彩られてるし、照明は色とりどりなガラス容器に入っててその光が拡散されてるしね。椅子はなんかとてもフヨフヨとしてる変な素材の椅子だけど、これは人を駄目にするタイプの奴だろう。

 カフェにならいいんじゃないかな? テーブルはなんか最新のテクノロジーでも使ってるのか、プリンとか乗ってるところは綺麗な景色がフォトフレームよろしく移り変わってる。なかなかおしゃれではある。けどそれなら……それなら……

(どうして容器にまでこだわらないかな?)

 いや、本当にそう思う。色々とちゃんとおしゃれな文化有るじゃん。全くもっておしゃれな文化が無いんだったらわかる。そう言う物なんだろうって思うよ。けどちゃんとおしゃれな部分はあるんだよね。それなのにこんな風にお茶や食べ物だけ効率しか考えてない……みたいになってるのだろうか? 不思議だ。

 まあそういうふうになってることにはきっと理由があるんだろうけどね。でもめっちゃ美味しい。

「んー!」

 私がそんな風に幸せ気分でいると、目の前に座った人が「お気に召しましたか?」

と言ってくる。目の前の彼もなかなかに美青年である。これは周りの注目を浴びても仕方ない。きっと周囲からは理想的なカップルだと思われてることだろう。

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