美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H560

『別に何かをやって貰う必要なんてないが。ただこの宇宙の事を少し教えてくれればよいぞ』

「教える……ですか? ですが貴方はこの宇宙に関わりがある訳では無いですよね? 良いのでしょうか? 宇宙にはルールがあると聞いてますが?」

 宇宙には……というか神にはそれぞれのノウハウとかやり方があって、それは秘伝のタレのように門外不出って奴もある……だろう。だから気軽に宇宙を渡り歩くような神はいないらしい。ドラゴンだって無法者に見えるが、ドラゴンとしてのルールは守ってるみたいだ。

 だからこんな無遠慮に他の宇宙を堂々と通る……なんてしないのだろう。実際、私達以外にドラゴンとか観たことない。まあ宇宙は広大だし、ドラゴンだって沢山いるとはいっても、宇宙の広大さに比べたら飽和するほどじゃないんだと思う。

 そもそもドラコンはなんか空間食えるし、その空間の裏側を通って色んな所に行けるからね。そのドラゴン専用の道みたいなのがあるから、宇宙を通ったりしない。そっちのほうが速いからだろう。

『それをそなた達が気にする必要があるか? 神やドラゴンの事情など、気にする必要は無い。そういうのはこっちでちゃんと責任はとろう』

「この宇宙を侵略しにきた……とかでは無いと?」

『そんな事をしてどうなる? 興味もないな』

 そういってズラララバライトは笑い飛ばす。確かにそんなことには興味は無い。けどそれで相手方が納得するだろうか? だって、傍目に観ればズラララバライトって凶悪なドラゴンだ。どうやらこの人達は神やドラゴンのルール的な物をある程度知ってるみたいだ。

 この宇宙のドラゴンや神と何らかの接触手段でもあるのかもしれない。だからこそ、これが普通では無いこと……そしてそんな無いことをするというのなら、最悪な事態を想定してるって事なんだろう。

 それは大変に良い事だとは思う。彼らは元々の宇宙から、言い方悪いけど捨てられた魂だからね。きっとこの宇宙に対する思いは人一倍あるんだろう。だから……ズラララバライトに彼らは引いてない。

 もしもこの宇宙をズラララバライトがオモチャにするというのなら、戦う気だ。そんな瞳をしてる。これはいくらズラララバライトが言葉を尽くしても意味は無いだろう。だってズラララバライトは強者だからだ。

 しょうがない、ここは私が話そうかな? 凶悪なドラゴンと話すよりも、私という美少女と話した方が警戒だって薄らぐだろうからね。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品