美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H559

『すまぬな。我の連れがそちらに迷惑をかけた』

「いえ、此方が勝手にやったことです。助けていただきましたし」

 私が古竜ズラララバライトの連れだから怒られることは無い。寧ろ彼らは何をやられても怒るなんて行動をとれるとは思えない。なぜなら、古竜ズラララバライトは圧倒的に強いからだ。実際今はかなり力を抑えてはいる。けどそれでも感じるだろう。ズラララバライトの圧倒的な力を。

 そこらのドラゴンだって下手な神よりもずっと強いのだ。それが古竜ともなるとまさしくレベルというか格が更に違う。実際、こいつらがズラララバライトの事をただのドラゴンと思ってるのか、それともそれとは違う……とちょっとでも感づいてるのか……それはわかんない。

 けどとりあえず宇宙に生きる奴等ならドラゴンには逆らわないってのはルールにあるらしい。宇中共通のルール的な奴に? 

「それで一体この宇宙にどのようなご用でしょうか? こんな事も言うのもなんですが、ドラゴンの方が我らに接触をするなどこれまでなかった物ですから……一体どうやってもてなせばいいか……」

 なかなかに真摯な人だ。でもきっとそのスーツの中身は汗でぐっしょりになってもおかしくないと思う。だってズラララバライトと対峙してるからね。ズラララバライトはその体をとても小さくしてるといっても、戦艦くらいにはデカい。だから人サイズの彼らなんてハッキリ言って一のみ出来る。

 まあ大体ドラゴンなんてデカいから人型くらいのサイズなら苦も無く一呑み出来るとは思う。けどその状況が目の前にあったら普通は逃げ出すじゃん。寧ろ出てくる必要なんて無かったと言える。だってズラララバライトでさえこいつらを完全に捕まえることは出来てなかった。まあ異空間にいたんでは仕方ないね。

 ズラララバライトがいってた「匂いが途中で途切れてる」ってのはきっとこういうことだったのだろう。基地というか生活してるところはこの宇宙の異空間のあの建造物でしてて、時々出てきては戻ってるから匂いがぶつ切り状態だった……と考えればつじつまは合う。

 でもだからこそ、出てくる必要は無かった。こっちのことを気分を害したら何やってくるかわかんないドラゴンだとしか思ってないのなら、このまま通り過ぎるのを待ってるのか最善だったはず。触らぬ神に祟りなし……というか触らぬドラゴンに厄災なし――だからね。あ、この言葉使って良いよ。

 著作権とか主張しない。私は寛大だからね。

「美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く