美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H557

「同調ね。やってみる」

 ズラララバライトに言われたからとりあえず今までとはやり方を変えてみることにした。今までは上という立場もあって、強気に力を行使してたわけだけど、それではここの魂が強い人達には通用しないとわかった。

 だからもっと寄り添う感じにした方が良いらしい。そんなズラララバライトのアドバイスもあって、私は優しく力を使うことにした。

(私は神だけどちょっと下だから……ちょっと下だから……)

 と言い聞かせて、心の均衡を保つのだ。神だとなんだと天狗になってた自分に言い聞かせて、目の前の可愛い……かもしれない子の為に私は頑張る。彼女たちの言葉を理解するよりも、その思いを覗いた方が早い。

 だから、私は頑張る。この宇宙の人達は魂が強いから、私よりも強い。だから強引な感じでは弾かれるのだ。だからもっとゆったりとした力で覆って徐々に浸透させていく感じで行くことにした。すると少しずつだけど、溶け合うようになって行く感じ。

(これはいける!)

 そう思ったら、後は一気にいけた。多分同じ力の感じをわかったんだと思う。理屈じゃ無い。感覚でね。それなると私が覆ったその人の声が聞えてきた。

『なにあれ!? めっちゃ可愛い!! ちょっと綺麗すぎでしょ!?』

 という声だった。まあわかる。なにせ私は宇宙一だからね。いや、全宇宙一かな? 一時期肌の色がおかしくなってたけど、馴染んだら戻った。神に匹敵するほどの力も相まって、肌の感じとか更に美しくなってると思う。

 お風呂とかはまったくもって入ってないんだけどね。けど神に近しいから、戦闘でもしない限り汚れないらしい。いつだって神はサラサラでつやつやだし、肌にできものなんて一切無い。体からは常に良い匂いがしてるし、スタイルが変わることも無い。そういえば宇宙で神をやって私は成長してない。アクトパラスとゼンマイの力を得て不老不死になってるのかもしれない。

 深く考えてなかったけど、私は私がかなり変わってることに今更気づいた。

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