美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H553

とりあえず手近な星でも覗くかって事になった。この宇宙にも他の宇宙で扱えきれない程の魂をもった生命が集まってるらしい。そしてさっきの地獄のような宇宙とは違って、ここにはちゃんと文明があるらしい。

 強い特別な魂達が集まって作り出す文明って一体どんな感じなんだろうか? とても興味がある。

「うーん……なんか何も無いけど」

 神様アイで見てみる限り、なにも無い。自然しか無い。いや綺麗だけどね。外から見ても綺麗だし、中から観てもとても綺麗だ。豊かな森に豊かな水、そして多種多様な大地が広がってて、さながら動物園の様な……でも文明は見当たらない。

 たまたま文明がいない星を見てしまったのかもしれない。そう思って、近くの他の星も観る。

「こっちも綺麗な星だね……」

 植物とかの形態は違うし、なんか胞子が舞ってるが、それが日光を受けて常にキラキラしてる感じがとても綺麗だと思う。けどこっちにも文明は無いね。特徴的な動物たちはいるが……それから何個か見て回ったけど、どれにも文明らしき物は見えなかった。建物の一つでも有れば良いんだけどね……まあ宇宙の中の星の全てに知的生命体がいるなんて事はないよね。

『痕跡はあるが、姿は見えないな』

「痕跡なんてあった?」

 私にはわかんなかったが、ズラララバライトには何か見えてたみたいだ。普通にめっちゃ自然豊かって事しか私にはわかんなかったぞ。

『おかしいと思わないのか? 貴様も星を育てる難しさはしってるだろう? それなのに、どの星もとても豊かで個性を放ち育っている』

「まあ確かに?」

 でも別に知的生命体が発生してるわけじゃ無いしね。そんなに驚くような事? 植物とか勝手に発生するじゃん。まあ確かに色々と個性的にそれぞれの星が育ってたのは偶然にしてはできすぎなのかもしれないけどね。

『あれには何者かの介入の痕跡があった』

「そんなのここの神でしょ?」

『いや、神では無いな。神ならそもそも知的生命体を求める。これだけ育ってるのなら、そういう存在がいくつか出来てておかしくない』

「でも神以外に星をどうにか出来る存在なんて居るの?」

『それを可能にしてるほどにこの宇宙の奴等は発展してるのかもしれん』

 なるほど……既に文明が発達してしまって、星という枠組みを飛び越えてるんだとしたら……星の中身を観たってそこにここの住人がいないのも道理。もしかしたら宇宙ステーション的な物を建築してるのかもしれない。

 なんかわくわくしてきたぞ。

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