美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H542

「立ち上がれ! 虐げられてる人々よ!! 今こそ、特権階級の三等共を打ち破るときだ!!」

 うわー、めっちゃ盛り上がってるよ。本当ならここからどうなっていくのか、楽しくみさせて貰うところではある。こういう人々の動きって面白いよね。こうやって神視点で見てられると色々とわかって面白いのだ。

 まあそれに自分が当事者じゃ無いってのも大きいよね。エンターテインメントとしてみられる。いや、彼らは本気で社会構造を変えようとしてるんだろうけどね。けど私には何の関係もない。だから面白おかしくみてられる。てかみてたい。

 でもね……ゴメンだけど、ここは私の世界では無い。私の世界なら好きかってさせて上げられるが、ここの神のお叱りも受けたし、ズラララバライトにも言われてる。かわいそうだし、盛り上がってる所悪いが……取り上げさせて貰おう。

「まあ何か起こす前だったし、そこはよかったのかもね」

 何か起ってからでは後戻りは出来無い。けど、事が起る前なら、取りやめることが出来る。まあもう、なんかこの勢いを止められないような気もするが……

(知ーらない)

 そう思って私は早速、私の力を返して貰う。私の力なんて神にはほぼ及ばないが、それでも星の一生物にとってはとてつもない力みたいだ。だからそれを得て冗長してしまったわけだけど無くなったら落ち着くでしょう……当人だけは……ね。周りは知らない。

 とりあえず私はさっさと自分の力を回収した。その後はある意味で面白かったよ。やっぱりだけど、あれだけ煽ってたら早々に周囲の熱なんて冷めない。それになんと力がなくなったことに気づいても、結局は言い出せなかったみたいだからね。

 彼の最後は悲惨な物だった。捕らえられ、拷問されて……そしてもう二度とこんな反乱が起きないように、見せしめに公開処刑されてしまった。まったく、一体誰のせいなのか……私じゃ無いとはっきり言いたい。だって私は引き返せるタイミングで取り上げたもん!!

 ここまで最悪な結果になったのは、たんにあいつがバカだったせいだよ。

「これで良いでしょ?」

『いや、まだだな。因子がのこってるぞ』

「因子?」

 ズラララバライトは何を言い出すのか? よくわからないね。説明を求める!!

『まったく違う力を体に適合するように貴様はしただろう。力を取り戻しただけでは、その変化はそのままだ。そういう変化が、どう作用するかは誰にもわからない。だからこそ、全てを完璧に元に戻さないといけない。貴様の因子を取り除くのだ』

 確かに私は楽して力だけを取り上げた。けど、どうやら処刑されても、私があたえた因子は世界に遺るらしい。そういうのが変な影響をあたえないとも限らないと言うことだ。むむ……意図的に無視してたのに、どうやらそういう細かな気遣いが必要だったらしい。

 私には縁の無いことなのに……

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品