美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H536

「この子ってドラゴンなの?」

 実はずっと気になってたんだよね。だってドラクは別にドラゴンのようには見えない。黒い靄の様な物からなんか黒いのを伸ばしてくるだけだ。これを観て、ドラゴンだという奴はいないと思う。けどドラゴンの卵的な物から生まれた筈なんだけどね。なのでこの物知りだとおもう古竜に聞いてみることにした。

 ドラクは私の背中から出ようと全くしない。それだけ古竜ズラララバライトを怖い存在と思ってるんだろう。まあ存在として完全に格上だからね。しょうがないと思う。これでもドラクは最初の頃よりも成長してる。具体的には私の背中では収まりきれないくらいには黒い靄として大きくなってる。そして触手の数だって増えてる。

 今ならエロいプレイが色々と……まあそれは良いよ。

『それはドラゴンでは無いな』

 ズラララバライトは端的にそう言った。なるほど……ドラゴンではないのか? ならドラクという名前は改名した方が良いだろうか? ドラゴンだと思ったからドラクとつけたんだよね。成長したらこれからドラゴンになるものだと思った。なにせドラゴンの血肉や破片を好んで食べてたし……いや、もしかして他に食べるものが無かったからなのかも? しかもドラゴンの血肉ってエネルギー豊富だし。

 ドラゴン達にとっては自分から切り離された肉片とかは実際そんな価値何てないのかもしれないが、他の生物にとってはドラゴンから切り離された血肉には十分な力がある。昔から……というか世界にはドラゴンの血肉を食らって力を得た……なんて話はごまんとあるだろう。その類いの話はある意味で眉唾では無かったと言うことだ。

「それじゃあ、ドラクって何なの?」

『それは知らんな』

「はあ? あんた古竜でしょ? 長く生きてるんでしょ?」

『宇宙の全てを知ろうというのは難しいんだ。よくわからん存在なんてのはここでは良く出てくる。その度に害があるのなら潰すまで……よ』

 そう言ってグルルとうなる古竜ズラララバライト。その目に獰猛な本性が宿る。すると体がぶるっと震えた。ヤバいねこいつ。いや、ヤバいのはわかってた。それでも気にせずにフレンドリーに接してたわけだけど……いや、それでも私はやる! 私はこいつの友達ポジションに付くんだ!!

「止めてよね。この子は私のなの」

『わかってる。害はなさそうだしな。それにその程度の存在なら、宇宙に影響をあたえるよう物では無い』

 どうやらドラクのは存在は許されたらしい。良かった良かった。

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