美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H483

 時代にその名を刻む者達は誰しもが栄光を謳歌してそして幸せの後にきえていったのか? その苦労の末に幸福を手に入れたのか……答えは否――である。どんな時代の英雄でもあっけなく死んでるし、信じてた者達に裏切られて最後を迎える……と言うのはとても多い。

 私的には聖女ちゃんには幸せになって貰いたい――と思ってた。いや、まだ終わったわけじゃないけどね。人類は彼女のおかげで盛り返してた。モンスター大陸からエイに乗ってやってくるモンスター達。そして人間大陸にも増えてたモンスターがあふれ出る沼。それらを聖女ちゃんは迎え撃って徐々に沼を人間大陸から排除していってた。最初に彼女に付き従ってたのは50人ぽっちだったけど、今やその数は500人くらいの大きな組織へとなってた。
 その中には行き場をなくした戦えない者達も沢山居る。何せ聖女ちゃんは聖女なのだ。彼女を頼りたくなる気持ちは分かる。彼女を観たら思わず拝む人達続出である。それに沢山の国がなくなってるわけだから生活さえも大変な人達はいっぱい居る。勿論彼女の所に来たからと言って生活が改善するのか、と言えばそうではない。何せ彼女たちは別に安住の地がある訳じゃない。
 寧ろ元いた国からは死刑宣告されて帰れないわけだし他の国だって色々と彼女とその組織の扱いをどうしたらいいのか計りかねてる。だから何処も受け入れてくれないのだ。でも彼女は確実に各地を浄化していってる。そしてそんな彼女に希望を見いだして付いてくる人達は更に増えていくわけで、いつの間にか四桁くらいにまで……そうなると流石にずっと移動する生活はきつい。
 食べ物もそうだし飲み水だった確保するだけで大変だ。でもそこで色々な伝説が生まれてるようだ。曰く、聖女様が祈れば天の恵みが与えられるという物だ。まあ言うなれば雨である。雨は貴重な水分源なのだ。ただ私がちょろっと彼女の祈りに合わせて天候を操作してるだけだけど……まあそのくらい使わせてあげよう。何せ苦労かけてるしね。

 食料は祝福を与えた地は肥沃になる。それによって木の実とかは至る所でとれた。それになんか動物が警戒感を薄めるのか、狩りも順調に出来たからどうにかなってる。でもそれでも明日どうなるかも知れない者達を抱えての行軍は限界だと聖女ちゃんとその周りに居る相談役? 的な騎士達は思ったらしい。だからある場所を奪還することにした。それはかつてはある国の王都だった場所だ。

 何処の国も頼れないのなら、自分達で国を興せば良いじゃない――の精神嫌いじゃないよ。でもそこは今やこの人間大陸でも有数のデカい沼がある地獄になってる場所だ。多分だけど、かなりの悲劇がその国で繰り広げられたんだろう。だからこそでっかい沼が出来てしまった。
 でもそれでも聖女ちゃん達はやるみたいだ。沼を浄化して王都を奪還する……ここに幾星霜語られる聖女の戦いが始まろうとしてる。

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