美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H469

 「これでよかったのだろうか?」

 私は思わずそんな言葉をこぼした。私の視線の先には銀河があり、そしていくつの星雲がきらめき星が輝いてる。そんな中の一つに私は世界樹を作った。上手くいったと思う。なにせ世界樹を作ったら本当にその世界は劇的に変わった。なにせ干渉する範囲が変わったからね。
 もう何から何まで出来るね。今までは成り行きを見守っていたけど、世界樹のおかけでその星の生物の魂に介入して、改変、都合の良い生物を作り出すことが出来る。それに星自体をこねくり回して、気候を安定させて大地を平定、植物をもりもりと成長させてやった。そうなると、色々と生物が必要だ。まずは海や森に野生動物を放つ。適当に思い浮かぶ生物を作って放ったから、草食動物と肉食動物の比率とかしらん。
 まあヤバくなったらどっちかを間引くか、更に追加したら良いでしょ。さらには世界に人を送り込む。ようはアダムとイヴである。でも二人だけ何て面倒な事はしないよ。私は一気に世界の各地に千人くらい送り込んだ。だって二人から増えていくのに何年かかるんだよって話である。まあこっち視点ではなんかちょっとうたた寝してる程度で、星の時間軸的には千年くらい進んでそうではある。
 でもやっぱり最初にケチるよりは最初に投資するのが正解だって誰かが言ってた気がする。なので私はエネルギーを使いまくって、千人の人間を生み出したのだ。大丈夫、この星が成長して、そして命を育むようになれば、私が使ったエネルギーは回収できるはずだ。
 
 今は強制的に世界樹を作って世界の理に介入したせいで、色々と私が力を使ってやらないといけないことになってしまったけど、何千年いいやそれこそ何万年という単位が短縮されたと思えば……ね。世界は広く、千人程度では埋まりきるわけはない。

 一応色々な気候なところに送り込んでおいた。きっとそのうち、気候に対応して体が変化していくんじゃないだろうか? でも何も与えてなかった……いや「可愛いは正義」という理論だけ頭にすり込まれてるそいつらは何をするでもなかった。そのうち自然と生きるためには何かを食べないといけないと分かってくれたけど、頭には可愛いは正義という理論があるからなのか、狩りをしようとしない。

 てかなんにでも「可愛い」と思ってる節がある。それは世界に送り込んだ何処の奴等も同じみたいだ。まあ狩りをしなくても、植物が豊富にある場所ならそれでもなんとかなるだろう。けど、いろんな気候の場所に送ったのだ。当然、厳しい環境の場所もある。そういう所は、植物が少ない。まあ当然そういう所だと動物もすくなくなるけど、頑張れば狩れたりするように調整したりはしてあげよう。
 でもよく考えたら火を使えないと、狩った動物をどうにも出来ないような? 流石に肉とかは焼かないと食べられない……かな? 案外生で食べても……

(流石にそんなワイルドな人種になるのはなんかイヤだな)

 そんな奴等が可愛いは正義だよねーとかいってるのも気持ち悪いし……最初からなんとなく魔法を使えるようにしておくべきだったか。いや、皆使えるはずだが、その概念がない。ここは一斉にピンチになって貰おう。動物を操って各地の一人や二人を襲わせる。そして危機に瀕したとき……その内なる力が目覚めるのだ!!

「まあなんとかなるかな」

 魔法さえあれば、どうにかなるでしょ。

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