美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H467

 世界樹を星に作るにはその星にまずは濃い一定の力を送り込む必要がある。今は星が出来たばかりで、色々な力が入り交じってる。まあ星の力だから私のような神に近しい存在から見たら何が違うの? って感じだが……まあなんか荒々しい感じの力とか、凪いでる感じの力とか、静かな感じの力とかが拮抗してるらしい。それでどんどんどの分野の力が星に満ちていくかでその星の姿が変わっていくらしい。
 まあけど……そこに強制的に介入して自分達の思い描く姿に変えるのが世界樹の生成だ。星の自由度を奪う代わりに、安定と繁栄を……そういう感じだね。とっとと色々と生物を生み出したいし、丁度良い感じの恒星に狙いをつけて世界樹を作りだそう。

「太陽に近すぎると熱そうだもんね」

 そうなると生物が生きていくのは大変そうだよね。けど世界樹を発芽させることが出来たらそこら辺は問題ではない? なんか知識にそんな風にあるかも……世界樹は強制的な神の介入だ。自然発生的なそれとは違う。なら……ある意味で太陽の近くに陣取るって手もある。なにせ地球と同じくらいの太陽との関係性の星なら、同じように自然と生命が発生する可能性は高い。ならそこは自然発生に任せておいて、どう考えても死の星にしかならないだろうって所に世界樹を発生させた方が良いような? いくつか候補の星はあるからね。一番太陽に近い星がやっぱり一番荒々しい。ドロドロって意味でね。

 やっぱり太陽の熱が一番届きやすいからだろう。でもその分、太陽のエネルギーを一番に享受してると入っても良いんだよね。力が豊富なら、世界樹の育成にも有利みたいだし、やっぱり世界樹は一番太陽に近い星にしようかな? 

「ドラクどう思う?」
『僕、わかんない』

 知ってた。ただなんとなく聞いただけだ。やっぱり太陽に一番近い星にしよう。そうと決まればそこに力を流し込む。私の今の脆弱な力でどうにか出来るのか知らないが……とりあえず流し込む。

「おっ、なんだかいけそう」

 私が力を流し込むと、なんか荒々しかった星が急に大人しくなったような? まあ星が大人しくなるってなんだよって感じだけど、そう感じるんだから仕方ない。私が産みだした星だからそう感じることが出来るのかもしれない。そして私はこの星に取っては母だし。やっぱりお母さんには逆らえないのだ。多分。

 星を私の力で包み込み、そして荒々しい星の力達も集合させて、一カ所に集めていく。いろんな方向を向いててそのせいで各地でぶつかり合ってた力。それを私という存在が無理矢理同じ方向に向かせて、そしてまとめていく。勿論それは星の中心。
 それをどんどんと集めていって圧縮圧縮圧縮……それをひたすらにやっていく。するとその力がいつしか固まっていく。それこそが世界樹の種。さあ次はこれを発芽させよう。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品