美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H453

 私の視界にはキラキラした物が浮いてる。キラキラしてない物も浮いてるが……まあ、なんだっていい。なにせこの宇宙に今漂ってるそれらは、ドラコンの欠片とかだ。どんなドラゴンの欠片かなんてどうだっていい。爪か鱗か臓物か……そんなのどうだっていいし、なんだっていい。つまりはそれがドラゴンの一部だって事が大切なのだ。
 ドラゴンは宇宙の管理者を自称してるとおり、その力は膨大だ。それこそ宇宙を作り出す神に迫るか超えるほど……なら剥がれたと言っても、その一部にだって膨大な力が残ってるだろう。剥がれた物はきっと奴等にとってはゴミだろうけど、それなら私が有効活用しても良いよね。てか宇宙ってきっとそういうドラコンの肉片とかを栄養とかにしてるんじゃないの? だからこそ、こうやってドラゴンを呼び寄せてるのかもしれない。まあ向こうは宇宙を自分の支配下に置きたいって感じみたいだけど……
 でもアクトパラスが認めてないから、まだまだバトルは続きそうだ。どれだけ強力なドラゴンが来たら満足するのか……まあ私には関係ない。いや強いドラゴンが来たらそれだけ良い素材がそこらにぶちまけられるだろうから関係はあるか。

「うーん」

 さっきゼンマイがやってたように、私も引き寄せる力が欲しい。なにせゼンマイの結界から外に出たら間違いなく私は死ぬだろう。結界から出ずに目当ての物を得るにはどう考えても引き寄せるしかない。それに……銀河を引き寄せようって訳じゃない。確かにドラコンの素材の方が質量? 敵にはデカいかもしれないが……

「それもどうなんだろう?」

 銀河という星の集合体よりもドラゴンの一部分の質量の方がおおきい何てことある? と思わなくもないが……普通に銀河よりもデカいからね。でもそれを言うと私だって銀河よりも大きい。これはどういうことなのか? 実は小さな宇宙を作って、私たちはそれをみさげてるだけなのか? でもそれは私たちならいいけど、ドラゴンがそれに合わせる必要って無いような気がする。やっぱり私は今、メッチャデカい女になってるのか? それはイヤだな。まあけどわかんないからね。今はどうやって星を育てるか……そのために必要な素材を集めるのか先決。
 アクトパラスとゼンマイの力に無理矢理馴染まされて、この宇宙の母にされたわけだけど、まだまだ私はこの力を使いこなしてるわけじゃない。とりあえず引くように力をつかってみよう。手を翳してムムムとうねる。ドラゴンの一部分とかいっても、普通に私よりも大きいからね。欠片でも私の頭くらいはあったりするし……もしかしたらもっとよく見たらそれこそ爪くらいの奴もあるのかも。
 そっちの方が引き寄せる事が簡単だと思う。けど欲が……私的にはよりエネルギーを感じる部分を私の星の種に埋め込みたい。そうしたらスタートの時点で違うんだし、星へと居たる確率が大きくなると思う。なので私は頑張って少しずつ周囲にあるドラゴンの一部分を集める為に集中する。

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