美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H450

 銀河に干渉する……口にするのは簡単だけど、実際にはどうするかわかんない。なにせ星の種に干渉するのはそれ一つだけで良いから目標を定めやすかった。それに力を飛ばせば良かったからね。けど、それでは常に変化して荒々しい宇宙では運の要素が強すぎる。
 それらを乗り越えられるほどに圧倒的に強力に保護できれば良いんだろうけど、今の私にはそれだけの力は無い。星の種だけに干渉するやり方じゃ、運と時間がかかりすぎる。だから銀河である。銀河そのものに干渉できて操作できたら、私の星の種に有利に出来ると思うんだ。
 大は小を兼ねるっていうしね。

「ねえ、どうしたら銀河に干渉できるの?」

 私はとりあえずゼンマイに質問してみた。ゼンマイはなんか話しやすくなってきた気がする。勿論敵……とは思ってるが、でもどうしようもないからね。今の私がこいつに逆らったって殺されるだけだ。なら利用するだけである。私は強かな女なのだ。

「銀河に干渉か……膨大なエネルギーが必要だ」
「そんなのわかってる。なんか裏技無い?」
「そういわれても……な。銀河に関する知識を与えようか?」

 こいつ親切だよね。私はこくりと頷いた。すると機械の腕が向けられた。そして何か赤い光りが私の額についた。次の瞬間、パタン……と私は気を失った。

 一体どれだけ寝てたのだろうか? 起きたら細いドラゴンは全滅してて別のドラゴンが参戦して戦いは続いてた。新しいドラゴンは白くて綺麗なドラゴンだった。なんか今までの奴等は堅そうだったけど、今度のドラゴンはふわふわした毛で覆われてる。

「いつつ……」

 私は頭を押さえつつ起き上がる。なんかガンガンするんですけど……

「何したのよ」

 私はゼンマイに抗議の視線を向ける。けどゼンマイはそんなの気にしてない。悪びれる様子もなくこう言うよ。

「貴様の頭に直接銀河の情報を書き込んだだけだ」

 うわこわっ……何てことを平然とやる奴だ。私の頭大丈夫? 額を私はペタペタと触るよ。

「外部に何か残ってるわけ無いだろう。貴様の内部に書き込んだんだからな」

 そういう事らしい。私は目を閉じて考えてみる。

(銀河銀河)

 そう思うと、なんか大量の情報が……なるほど、全然知らなかったことが浮かんでくる。これが直接情報を書き込むって事なんだ。便利だけど頭が痛い。多分頭に無理矢理情報植え付けてる弊害だよねこれ……下手したらそれこそ脳みそぶっ壊れるんじゃ……

「ねえこれって、危険無いの?」
「直せない物などないだろう。我らはもう神だ。魂さえも構築できるぞ」

 はいはい……これだから神とやらは……うらやましい!! 私だって自分の好きなように出来る存在になりたい。くっそー本当なら私がその位置に居たはずなのに……不満たらたらだよ。まあ直せるのならいっか。とりあえず銀河の情報は得られたし、とりあえずどうやって銀河に干渉するかを考えよう。

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