美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H447

「うわーあ、やっちゃったよ」

 一体これで何個目かな? 既に数十回はやってる気がするぞ。てかなかなかに夢中になってやってる。一体どれくらい時間が経ったのかな? 分かんないや。周囲にはなんかドラゴンが増えてる。細いドラゴンと緑のドラゴン、さらには赤いドラゴンが三体くらいいる。こいつらも宇宙を食い破ってきた。ゼンマイが言うにはまだまだ来るらしい。
 新しい宇宙をどのドラゴンが取るか……それは縄張り争い的に熱いみたいだ。沢山のドラゴンがきて沢山のエネルギーを放出してくれると、それだけ宇宙は豊かになるらしい。ドラゴンのエネルギーは星とかにとって良いらしい。だから奴等がドカバタと暴れ回る度にこの宇宙は良い感じになってるらしい。確かになんかいつの間にかアクトパラスとゼンマイだけが生んでた銀河以外の銀河が出来てる。どうやら銀河はドラゴンが暴れてそのエネルギーがぶつかり交わって出来るみたいだ。

「向こうでやっていい?」

 通算何十回目の星の育成に失敗した私は別の銀河で試そうかなっておもってゼンマイにそういった。するとゼンマイはこう言うよ。

「別に好きな銀河でやれば良い。まあどこも難しいと思うがな」

 私的にはアクトパラスとゼンマイの力が薄かったらちょっとは難易度が下がるんじゃ? とか思ったんだけど……それに出来たばかりの銀河には星がまだ無いでしょ。今までは大きくして行くにつれて、既に出来てる星の引力にひかれてしまっておじゃんになったりもしてたからね。
 新たな銀河ではそれがきっと無いはずだ。寧ろ一番早くに星になることが出来たら、一番有利なんじゃない? って打算がある。早速私は別の銀河の元へと……とおもってピタッと足が止まった。

「これってゼンマイの結界から出たらヤバくない?」
「ああ、そうだな」
 
 そうだな――じゃないよ。私が何の憂いもなく星作り出来てるのはゼンマイの結界みたいな所に入ってるからだ。ここから出たら絶対にドラゴンたちの戦いに巻き込まれて死ぬよ。それだけアホみたいに派手に戦い合ってる。それこそ終末戦争クラスだよ。星の中でやってたらきっとその星は崩壊するだろう……って感じの戦いだ。だから私は止まった。

「そうだなじゃないわよ。どうしたらいいの?」

 私はまたまた抗議のために頬をプクーと膨らませる。どうだ、可愛いだろう。こんな可愛い私を困らせてちゃ大変だぞ。そんな思いが伝わった――のかどうかは分からないが、ゼンマイはこう言ったよ。

「そんなのは簡単だ。出なければいい。銀河を引き寄せればいいだろう。そのうち銀河同士をぶつけなければいけない時も来るしな」

 何言ってんだこいつ? とかおもってたけど、ゼンマイが手招きするとなんと、銀河が寄ってきた。便利だねそれ。まあなんだっていいや。これで他の銀河でも星の育成を試せる。

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