美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H418

 私は銃口の先端にマナの刃を作り出した。だって銃で撃つだけではどう考えてもこの超巨大な世界樹の根を打ち払うとことは出来ないと判断したからだ。
 だからこその刃。太古より神聖な刃には邪を打ち払うみたいな力があるからね。まあこの世界樹がよこしまな何かなのかはしらないが。でも神聖も邪ももしかしたらその人の見方一つかもしれない。それはこのアクトパラスとゼンマイの世界樹にもいえる。この世界樹は今やこの宇宙にはなくてはならない物にまで成長してるかもしれない。この世界樹の恩恵にもしかしたらアクトパラスとゼンマイ以外のこの宇宙にすむ誰かがあやかってる可能性はある。
 何せ宇宙は広い。それにアクトパラスとゼンマイの星だってあるだろうしね。そいつらにとってはこの世界樹はやっぱりとても神聖で神々しい物だろう。けど私から見たら禍々しい力を放つ憎むべき木でしかない。
 だって本当なら私のクリスタルウッドがこの位置にあった筈なんだよ? それなのに……悔しくてたまらないよ。だから私は遠慮無く刃を振り下ろす。

「んん……てや!」

 なんとか斬れた。けど一番細い根でなんとか……なんとかなんだよね。けど泣き言は言ってられない。

「アンティケイドやヌーディケイド達も出なさい。根を破壊するのよ!」

 私の声に呼応して、アンティケイドやヌーディケイド達が出てきた。ヌーデレリア達を一瞬考えたけど、あの子達は小さすぎるからこの戦いに向かないだろう。そう思ってシズちゃんとオオランちゃん達、内部に居る人達の為に動いてもらうことにした。一応ヌーデレリア達を使ってパワーアップ出来るけど……アンティケイド達も居るしいいでしょ。

 私の思考を共有してたからか、アンティケイドやヌーディケイド達は最初から武器を持ってきてる。しかも銃じゃない武器だ。一応エデンには色々と武器も保管してあったからね。それを持ってきたんだろう。そのなかで一番有用だったのが、罠的に開発されてた奴だった。二つの装置で二体必要になるけど、その間に誰かが足を踏み入れるとエネルギーの刃が一瞬でその装置の間に構築されて相手を切り刻むって奴だ。
 根を挟んで二体が向かい合ってその装置をオンにするとあら不思議。なんかチェーンソーが木を切り倒すときの音が聞こえて世界樹のねも斬れた。
 本当なら一瞬で切り刻んで収まるはずなんだけど、世界樹の根は巨大だからね。一瞬では無理だったみたい。でも装置自体を持ってるからズレないように慎重に移動すれば、糸ノコ的に斬ることが出来る代物になってた。これは便利……というかこれでしか事実上世界樹の根を切ることが出来ない。

「ありったけ在庫を持ってきなさい!」

 私はそう指示したよ。

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