美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H411

「はあはあ」

 私はそう息を吐きながら膝をつく。やっぱりだけど、なかなかに主砲の一発が体に来る。何せエデンの主砲は大容量のエネルギーを消費する。それを 1人で賄ってるんだから、こうなるのは分かってたけど、まさかここまでとは……
 大きく深く息を吐きながら私は何とかもう一度立ち上がる。そして、体の下の方に意識を集中しつつ、エネルギーを集める。更にゼルからのエネルギーも使ってどんどん高めていく。それと同時にエデンの位置も変えなきゃいけない。大変だよ!
 エデンを移動させつつ、次のポイントを照準に入れる。そして再び魔法陣を展開。エネルギーを充填。そして 2 発目を撃つ。すると着弾するちょっと前にずれたのか分かった。

「なぜ?」

 面倒な事をやってくれる。多分、これはアクトパスとゼンマイの妨害。そうとしか考えられない。いやわかってたけどね。だって、このままポイントを破壊させることなんてさせないとは思ってた。簡単に考えて障壁でもあったか? それか、結界か? でも私にできることは1 つしかない。

 結局それ以上の出力のエネルギーでぶち破るしかないんだ。なので、私はまたまたエネルギーを補給する。マナコンピュレーターによってマナを補給することは簡単になった。衛星軌道上にマナがあるのか? だって? 余裕である。でもそれってやっぱりこの周辺の宇宙にまでアクトパラスとゼンマイの影響力が強いって事だけど……そもそもここが宇宙なのか、アクトパラスとゼンマイが作った空間だからマナがあるのかは謎だけどね。
 まあけど、おかげでマナコンピュケーターは大活躍だ。今度は膝がつかない。そして私はもう 1 回主砲を発射するためにエネルギーを溜める

 移動を完了させて予定ポイントから主砲を再び発射する。

「いっけえええええええええええええええ!」

 光はまっすぐに地上へと伸びていく。そしてやっぱり何かにぶつかってぶつかる。私はさらに出力を上げる。マナを溢れさせて、それをエデンへと還元していく。マナコンピュレーターが悲鳴をあげてるような気もするけど、それは無視。
 そもそももっともっと必要なんだよ。まだまだ私はこんなもんじゃない! お腹の辺りの丹田に力を入れて、さらに複雑に魔法陣を組むように考えたけど、そんな知識はなかったから、ただ単に私は出力を上げる。
 そして、ついには 2 つ目のポイントを破壊した。うん。このぐらいだったらどうにかなるかと私は思った。そして、さらにエデンを移動させる。最後のポイントへ少しの移動でいいのはやっぱり軌道上に出てきたメリットだね。
 はっきり言って、この 3 回の主砲の発射でエデン内部のエネルギーはかなり減ってしまった。節約運用で照明とかかなり消えてると思うけど、そこら辺はね。我慢してもらうしかない。何せ死ぬよりはマシでしょう。
 それにこれが反撃の狼煙となるのだから。我慢してもらおう。私はそう考えつつもエネルギー 充填 してた。そして更にさらなる妨害が来ることを予言して、今までよりも大きく大きくエネルギーを貯めてみる。これ以上ないってくらいエデンにぶち込んで押し込んで、更に限界以上に主砲へとエネルギーを流してみる。
 これを撃ったらぶっ壊れるかもしれないってくらいにね。でもそれくらいきっと必要だ。
 そして最後の一射。最後のポイントと私は主砲を撃ち出した。

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