美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

H404

 こんな会議をしてる間も、実は雷は鳴り響いてる。これを天の怒りとか思うのはまあその通りだねって感じだね。アクトパラスとゼンマイが怒ってるんだろう。
 でも奴らにしたら回りくどいと思わざる得ない。わざわざオウラムとかにまで乗り込んでた奴らだよ? 手足を使うとか言うよりも、自分が直接行って叩き潰す――とかと考えるようなタイプかと思ってたんだけどね。
 まあけど今奴らがナニをしてるのかとか全然わかんないからね。周囲の星に全部喧嘩売ってるとかなら、こっちに構ってる暇はないのかもしれない。

「上に行けば雷も落ちないだろうし、とりあえず上に行くわよ」

 それにはここに居る皆さん反対は居ないから私はとりあえずエデンを上昇させる。さっきからピカピカゴロゴロと五月蠅いんだよね。いくら外側に雷が落ちようとも、エデンは大丈夫っぽいから良いけどね。

 とりあえず慌てずに上に向かう。まあこれでシズちゃんとオオランちゃんが怖がってたのは解消されるだろう。

「衛星軌道上に上がるから、皆は安全で機密性が高い部屋にでも皆を誘導させててね」

 空気抜けちゃうと息出来なく成っちゃうからね。昔なら無理矢理にでもエデン全体を覆う結界でも使って、宇宙の旅でもしようかと思ってたんだけど、それやっちゃうと結局表面にはアクトパラスの足が現れちゃうかもしれない。そうなると厄介だからね。だから内部だけで生きられれば良いでしょ。

「「「了解ですラーゼ様」」」

 そう言って早速行動に移してくれる人達は去って行く。けどクロスやラリア、それに今も立ったまま手持ち無沙汰にしてるお下げで眼鏡な彼女はここにまだとどまってる。

「二人ももういって良いよ?」
「アンタの狙いはそれだけなの? てか、主砲を打つためのエネルギーは全部アンタがまかなうわけ? そんなこと……」
「出来ないと思う?」

 私はラリアに挑戦的に微笑んであげる。何? 私の心配してくれてるの? あのラリアが? まあ最近は棘もちょっとは引っ込んでるとは思うけど、まだまだ私には対抗心があると思う。

「あんたなら、出来るだろうと思ってるわ。けど、それをして、上手くいって、それでこの星が手に入るの? そんなにアクトパラスとゼンマイと言う種は甘い連中? あんたは戦ったことがあるんでしょ?」

 この時代に生きてる人達はそっか……アクトパラスとゼンマイを直接見たことはないのか。まあ私も直接やり合ったかと言えばそうじゃないよ。けどまあ、ラリア達よりは奴を感じたことはある。
 けどここで恐ろしい相手……何て言ってもね。私はだからお気楽にこう言ってあげる。

「大丈夫大丈夫、なんとかなるわよ。お姉さんに任せなさい!」
「誰がお姉さんよ!」

 いやいや、だってラリアってキララの孫じゃん。私がお姉さんじゃん。

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